物語の起源 ――フルコト論

物語の起源 ――フルコト論

ビジネス・実用
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3.0

物語とは何か。世界のうえに表象として燦然と姿をあらわす大きな「物語=レシ」の影に隠されて、日本語として物語は、その意味をあらためて問いなおされることがない。だが、『源氏物語』や『今昔物語』などの物語を称する文学の誕生以前に、フルコトとモノガタリという二つの種類の叙術があったのだとすれば、物語の意味は決して自明な事柄でなくなる。『古事記』『古語拾遺』『歌経標式』などの文献に分け入り、物語文学を支える多様な系の一つの「フルコト」の発見を通して、物語の起源を探究するスリリングな論考。

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    Posted by ブクログ

    「…カタリゴトという語は古代歌謡のなかに、ごく特異な限定的意味を担って使われた語であり、それのみに用例がかぎられるのに対して、…フルコトは、上代から平安時代にかけて、さらには時代がくだる、…ごく基礎的な語彙としてある」33

    「動的な文化接触として、文学という文化が漢字使用の圏からおし寄せることに伴い、使いまわされて成立した新式の"大和言葉"なのではないか」34

    古語拾遺
    「フルコト(=古伝承、古叙事)の遺漏を拾う、という意味に取るなら、中身と命名とのあいだに齟齬はなくなる」41

    「最初の天皇であることを褒めたたえる、いわゆる称賛詞として、ぜひともフルコトの表現が必要だった。フルコトは漠とした古い伝承を意味するのではなく、あるいはそういう意味の語の使い方もあるにせよ、中心には、前代から受け継がれて慣用となり、権威をあらわす言語的な詞章として固定する傾向のものを思い浮かべていた、ということではないか。」59

    65 古事記は純粋な漢文体ではない→フルコトとして訓めるように

    67 古事拾遺には注記がある。文体が理由ではない?

    77 あづさゆみ 古事喩

    「…和歌を「古事」と「新意」との結合であると見て、さらにはそれらの詩的言語の相互の関係を「喩」と「実」としてとらえるという、特徴ある理解を示す『歌経標式』そのものが重要でないはずはない」78
    =81 枕詞の自覚

    「「直語」=日常の言語でないものが「古事」だ」85

    88 旧辞と本辞
    旧辞はフルコトである。旧辞という表記は一種の(作られた)漢語として扱われている。

    93

    「『古事記』はフルコト(=古事)の書であるから、旧辞(=古事)をもとにして作られた…」102

    「フルコトは前代の伝承として、固定的な詞章となる傾向をもち、その中心的な部位がとくに印象的な言いまわしとして語句のフルコトとなる…」106

    107

    ☆112 引照表現「語は〜〜に在り」

    「語るという行為は文字とたがいに排除の関係にある、ということだろう。文字がないと語ることができ、文字があるとそれは「読む」または「誦む」ことになって、語ることができなくなる。」180
    「カタルとは、説話ないし言いあらわしたい事柄や思想について、言語行為としてその話題の全体像に立ち向かい、まさに表現へと積み上げてゆくさまを意味する。」

    0
    2024年07月01日

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