トミヤマユキコのレビュー一覧
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ネタバレ本文も編集者さんの注釈も、めちゃくちゃ面白くて、2日でスルッと読み終わってしまった。多くの作品の中のバディたちを参考に、自分の現実世界での人間関係に当てはめて考える余白を残してくれている。
個人的に、パートナーに求めることを聞かれると
「私の方を向いていない人」と答えていた私だが、本書を読んで私は恋人と「バディ」になりたかったのだと気づいた。
ドラマや映画でドライブシーンが多いのは、「バディは向かい合うより、同じ方向を向くのが似合っている(本文より)」から。
私も互いに相手を見つめ合う関係よりも、同じ方向を向いて進んでいける「バディ」になりたい。そして、欠けてるまま、足りないまま、ふたりでな -
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コンセプトが面白いので読んでみた本。
結果、想像以上に著者の文章が面白く、内容も納得出来るものであっという間に読んでしまった。
「圏外ファッション」という、面白い・個性の強い服を着てきた著者が「圏内」のオシャレに挑戦するもので、足を使ってテーマに沿った服を探していく。自分に合うトレンチコートを何店舗も巡って探したり、似合うデニールを探すため何枚もタイツを買ったり…涙ぐましい努力である。
たしかに若さがあるうちは勢いで似合っていたものも年を重ねるにつれ、微妙になるものは多々ある。
「自分にとってのいい女になる」ためにどのアイテムが必要か吟味したり、大人らしい服のチョイスをすることは案外楽しいの -
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子ども・若者に対して、自分の人生や将来について考えたり、何らかの学びにつながったりするようなマンガを紹介するコンテンツはたくさんあるが、そこでは、すでに作品そのものとして高く評価されているようなストーリーマンガとしての「名作」ばかりが紹介されることが多いように思う。
本書が、それらのコンテンツと比して決定的に異なるのは、フィクションとしてのストーリーから学ぶだけでなく、フィクションの中に描かれる知識・情報の部分から学ぼう!という姿勢を明確にしている点だ。
例えば「4 イケてる人になりたいのになれない時」では、元ビューティーアドバイザーの六多いくみ先生によるマンガのようなハウツー系が紹介されて -
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大学入学に関して、ドキドキよりも不安が大きいタイプの人にはぜひオススメしたい1冊。
いきなりたくさんの知らない人に囲まれ、なんなら知らない土地でイチからスタートする人も多い、大学1年生。
友だちできるかなぁ、サークルなに入ろう、履修ってなんだーーー!!!
という人が、大学生活の予習をするにはもってこい。
そんな具体的な不安解消で始まったかと思えば、全編通して見ると、「大学時代に、自分という人間と向き合うこと」の大事さを伝えてくれる本でもある。
1年生でなくても、大学時代にモヤモヤ悩んでいる人には、たくさんのヒントがあるかも。
その「モヤモヤ悩む」のも、大学生の特権。
紹介されている本や映画、マ -
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〈「キラキラ大学生」を目指していない系大学生のための手引〉
大学の新入生専門のマニュアル。
と言っても堅苦しくなく、あれをしろ!こうしろ!と指示しているわけでもなく、2人の著者自身の大学時代の黒歴史を晒しながら、大学ではこんなところに気をつけてねとエッセイ風に指南してくれます。
著者はお二人。
一人はトミヤマユキコさん。日本の文学研究者、ライターさんです。専門は少女マンガ、日本近現代文学。早稲田大学で助教を務めた後、現在は山形の東北芸術工科大学芸術学部文芸学科で講師をされています。著書に『少女マンガのブサイク女子考』などがあり、少女漫画を中心に研究されていますが、最初の著書は「パンケーキ」に -
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ネタバレかいつまんでしか読んでないけど、印象に残ったのは
・ナンパ師が声をかけまくるのは、人に断られるのに慣れるため。そうして断られて耐性をつけていくのだが、ある意味それは人を人として見ない不感症。コミュニケーションはお互い探り探りが丁度いい。
・かけっこでも、勉強でも、俳優でも、音楽でも、あらゆる分野で自分と他者を比較し、負けても勝っても自分を受け入れられない人。ドラえもんは出木杉だけじゃなくのび太もジャイアンもいるから面白い。優等生だけなんて見てて面白くない。比較もほどほどに。
・男は正統派orアウトローで勝ちたがる。正統派で勝つほどの力もないし、アウトローになりきる度胸もない人はいわゆる普通 -
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ネタバレ・バディになったからといって、ひとつに溶け合う必要はないのです。「同じ」は少しでいい。「ばらばら」な方がかえって都合がいいときすらある。
・突然の弱み疲労にビビらない相手とは、プライベートでも仕事でも、俄然バディ感が出てくる。
・利用価値だけでひとを判断すると、ロクなことにならない。他人を信じるのが怖いというのも、わからないではないですが、人間ひとりでやれることって実はそんなにないですし、どうせ他人と協働しないといけないのなら、相手を信じられる方がいい。人間不信を乗り越え、他人を信じてこそ、実りある人間関係が築かれていくのだと思います。
・待つという受け身の行為は、ときに「甘え」とみなさ -
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「女子」とは、要約すると、恋や性への絶望を知ってしまった、かつての「少女」ということらしい。恋や性にときめく少女期を過ぎると、おおむね妻や母になるだけだったかつての女性の生き方が多様化し、それにあわせて「少女マンガ」だけではおさまらなくなった多様な物語が望まれ、それに応えるべく生まれたのが「女子マンガ」ということなのだろう。恋愛にときめくことは悪いことではないが、それを断ち切ってみることで、女性が自分本来のパーソナリティやアビリティに気付くということはあるんだと思う。たとえば衿沢世衣子さんの、恋愛要素が一切ない女子校生たちの学校生活を描いた『シンプル ノット ローファー』で、これに出てくる女の