猪ノ谷言葉のレビュー一覧
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購入済み
最終巻を迎えて、トータルの感想
個人的に、いい「人間ドラマ」作品は「主人公とその仲間たちの織り成す輪の中に自分が入り込んだような気持になれるか」が大事だと思っていますが、この物語も主人公とヒロインを始め、心などの主要キャラ、さらにはもっと脇役たちの織り成すストーリーに自分も参加できているかのような気持ちにさせてくれる良作でした。
まずは絵がキレイ。
これは、ファッション業界、モデルがテーマという事もあって、普通の作品以上に重要な点となるでしょう。
後半、特にキャラの目や髪型などの画風が変わってきた点は少し気になりますが、これも「ファッション業界としてのオーラを出すためには、普通の少年マンガ的なシンプルな絵では足りない」という意味では理解できます。
次に、全編を通じて悪人がいない。
我の強い人、わがままな人は出てきますが、それらの人でもあくまでも自分の芯を持っており、また目的達成の為の努力もきちんとしている。
また、「きちんと努力している人は報われる」という点も、特に少年マンガでは大事でしょう。
青年マンガともなれば「そんなに世の中甘くない」という現実路線が表に出てきますが、少年マンガならこの点は非常に大事。
読む人に夢を与えてくれます。
主人公がいわゆる「天才」ではあるんですが、それに驕る事が全くなく、むしろいつも悩んで努力しているというのも共感を呼ぶ大きな要素でしょう。
物語のキモとなる何度かのファッションショーのシーンでは、圧巻の描写を見せ、感情を揺さぶられるような場面が何度もあったというのも素晴らしい点だと思います。
一方で、苦言を呈したい点もいくつか。
まずはやはり、全体的に物語の展開が早すぎた点。
最初に描いたように、「主人公たちの輪の中に読者も入っていく」というタイプの作品だけに、もう少し細かい描写もやって欲しかったところ。
特に、育人と千雪・心の三角関係などはもっと多く描写し、ファッションだけではない人間関係の深化をして欲しかった。
最終巻の巻末で作者自身も書かれていますが、最後は22巻に抑えるのに苦労したという事で、もう1巻分くらいの人間関係描写を見たかったと思います。
あと、千雪の父キャラもちょっと気になるところ。
見た目が若すぎ、過去の失敗が強引過ぎ、社名へのコダワリが本末転倒等々ですね。
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購入済み
少年マンガらしい良作
19巻まで読み進めてきました。
ファッションショーなど、主人公にとってターニングポイントとなる場面の描き方は素晴らしい。
思わず見入ってしまうし、こちらにまで感情が伝わってくる感がすごく、涙が出そうになるくらい。
一方で、そうでない日常パートは相変わらず徹底的に端折っている印象。
完結まで残り3巻であり、既に連載終了を見据えた展開となっているんじゃないかと思うくらい展開が早い。
人気作でよくある、無駄な引き延ばしは好きではないが、この作品の場合はもう少し細かいところを丁寧に描いた方がより読者が作品に入り込めるのではないかと思った。
具体的には、高校卒業前の数か月間のエピソードとか、心の留学、そして帰国後のインターン生活等々。
あと、父親の思い入れの強さに関しては、逆に強すぎて理解できないかな?
全体的に、先日一気に最新刊まで読破した「左ききのエレン」に非常に似ている印象がある。
あちらは広告業界メインだが、モデルなどの描写もあり、また「バズる」ための仕掛けを仲間と考えてランクアップしていくという点では共通している。
本作は、「左ききのエレン」をファッション業界に絞り、かつ少年マンガとして対象年齢を引き下げている作品のようなイメージ。
最後にもう一つ。
10巻あたりから、キャラ絵が明らかに少女マンガ系に変化している気がする。
特に、瞳の変化が大きい。
新たな絵も美しく、悪くはないのだが、少年マンガ的な「きれいな絵」としては以前の方があっていた気がする。
これに関しては、「五等分の花嫁」「彼女、お借りします」等の、今の少年マガジンの「人気美少女マンガ」の中で、キャラ絵に個性を出す為か?と勘繰ってしまった。
特に、「かのかり」を意識しているかのような、千雪の見開きアップの絵などを見るとそう思えてしまう。 -
購入済み
章区切りの回
芸華祭編が完結する回。
ドキドキする展開が続いた後、ドラマチックな結末を迎える。
この流れはかなり良いし、その後のエピローグ的な話もなかなか良い。
が、最後の、次の新章への布石の所がちょっと…。
連載のタイミングもあったのか、高校3年最後の時期という割には、あまりにも駆け足すぎる展開。
高校の卒業、千雪との関係、心との関係、そもそも大学はどうしたのか、芸華祭で名刺をくれた人はどうなったのか、等々。
後で振り返りとして触れられるのかもしれないが、かなり重要なポイントも多く、それらを端折ってわずか40P程度で春まで進むというのはさすがにどうかと思う。
この点が非常に残念かな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ10巻がなかったのでこちらに記入
インターンから社員になった都村&花丘
都村が所属したラインはあまりやる気のない社員(ミイ)統括している部署
遠はおばあさまのブランドに入社するが、実質独立しているのと同じような待遇を受けるのを嫌がり、いよいよ独立
その穴を埋めるために柳のラインに都村が異動
ブランドのコレクションを行うことになり、パタンナーとして服の手直しを頼まれる
仕事を中途半端にしてはいけないと遠が都村も取り掛かっていた手直しの服3着を持ってくる
必死の改良により都村の服が選ばれる
久々に千雪と会う
千雪はタレントとして活躍していた&髪を切った
いよいよ都村が一人暮らしへ
千雪の父が空いている部屋を貸してくれることに
千雪とは同じマンション!
コレクション間近になり会社に不穏な空気が、、、
11巻感想
過労の末、柳はついに倒れてしまう
お見舞いに行く都村と佐久間
佐久間は柳に片思いしていた、佐久間の本当にやりたいことは靴作り、柳をデザイナーの道へ引き入れたのは佐久
デザイナーの意図を理解するカンの良さを持つ都村
カプセルコレクションを挟むことに
人員不足によりツムラをパタンナーからデザイナーに格上げする話が…?
徐々に認められる都村
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購入済み
人気も納得の出来
アニメ化もされた、週刊少年マガジンに連載されていた人気作。
初めて読んだが、雰囲気が良い。
「ちはやふる」にも通じるような、素直に頑張る若い男女の物語は、好感度が高い。
絵も十分キレイであり、ファッション関係がテーマという事もあってオシャレな感じもする。
この手の作品に重要な要素である、「読み進めていくうちに自分もその世界観にどっぷりつかっていく」という感じを得られるのではないかと思われるのも好ポイント。
テーマ自体は平凡(ただし、冒頭からヒロインに致命的な欠点があるという点は少し新しいか?)だが、先が気になるし、応援したくなるような良作だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレパジャマは3位!
二次予選は免除でショーに出られることに
打ち上げで綾野に高級焼肉をおごられる
自分のブランドに都村を引き抜きたい…?
一方、千雪はあらゆるオーディションに落ちまくっていた
ひょんなことから欠員が出た撮影に参加することになるが、心が主役で顔さえもでない役
それさえも外された
モデルを辞めたい圧倒的な才能を持つ心
努力してもかなわない千雪が噛みつく
心のマネージャーもかつてはモデルを志していたが、身長という足枷により苦戦、権力と金でランウェイを歩くが空虚なだけだった
雫は千雪を見守ると宣言
心のマネージャーはなんとか辞めさせまいと都村との仲をさこうとする?
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ネタバレ 購入済み
納得できる最終巻
ファッションをテーマにしながらも、少年漫画らしく、上手にまとめられていて読みやすかったと思う。
最終巻は打ち切り感も漂ってはいるものの、作者も言及してるように、東京編が集大成というか、これ以上エピソードを増やしてもマンネリに繋がっていたような気もする。
ただ、遠との関係はもう少し深堀りして欲しかったし、独立までの期間が短すぎて違和感があったかな。。
私はこの漫画でモードに興味を持てました。 -
購入済み
面白かったです
まだまだお話が続くと思っていたのに
完結となりビックリしました!
個人的にはもう少し恋愛模様を
掘り下げて欲しかったです。
アフターストーリー等あるのかなぁと
期待しています♪♪ -
Posted by ブクログ
コンセプトを千雪にするという仰天案。前巻の段階ではいつかの心のように全ての服を千雪に歩かせるという程度の意味合いに捉えていたのだけど、22巻冒頭からコンセプトの意味を推し量れるようにとこれまでの登場人物たちが続々と……!
あれはショーの内容がどのようなものになるか否応なしに期待させると共に最終巻に相応しい導入だったね
そして始まるショーがどのようなものになるかと言えば……
のっけから雫登場とは驚かせてくれる!雫といえばパリを歩いた日本人として序盤から大物感のある人物だったけど、既に現役を引退しているからそのウォーキングが作中で披露されることはなかった
それがこのようなタイミングで、そしてショーで披露されるだなんて!
おまけにランウェイでして欲しいと育人が要求した異例中の異例に異例を重ねたような行為
ランウェイとは服を見せる場であって、モデルが主張する場ではない。けれど、育人は千雪の為に会話させるだなんて……!
ファッションショーとしてはあまりに異質な行為。だからこそ、あの瞬間にショーのコンセプトが明確になる。全てが千雪を笑顔にする為に用意されたものだと理解できる
千雪を目的としてランウェイを歩ける人間なら問題ないファッションショー
けれど、千雪と同じように育人に想いを寄せる心としては辛いものになってしまう
でも、自身が慕う育人がどれだけの努力を重ねてこのショーを成功させようとしているかを知っているから、かつて共に戦った千雪がどれだけ本気でモデルをやっているか知っているから
育人がいずれパリに行けるだろうと信じているから
心はそれでもランウェイを歩く
心の行動は千雪を奮い立たせるための当て馬のように見えなくもない。けれど、そこにあるのは嘗て戦った友を万全の状態にすると共にショーのコンセプトを本気で完成させたいとの感情が有るのだろうなぁ……
だから千雪の本心を引き出せて満足できた
心と千雪の間で交わされる新たな約束と宣戦布告が麗しい
次に千雪と歩くことになったシャルロットは世界的トップモデル。いわば千雪にとって世界の壁を具現化したような存在
シャルロットに着せる服もシャルロット自身を最大限に主張するよう設計されている
これに並び立てるのならば、千雪は世界に負けないし世界に勝てる。
ここで登場した服が本当に良いんだよなぁ
千雪と育人、二人の始まりは千雪がパリで大活躍できるハイパーモデルになれる服を育人が作った日から始まった
それもあってか、あの場面で着た服はどこか二人の始まりの服を思わせる要素を含んでいる。それはきっと千雪の人生と呼ぶに相応しい服
二人で作り上げてきた服がシャルロット一人に負けるなんて、そんな事あるはずがないと迷いなく信じられる服
ショーはたった一人のモデルの為に構成され、ランウェイでモデルが会話して、千雪はごく自然に微笑んだ
これは確かに業界を変える分岐点になると言われても不思議ではない代物。この長く、けれどあっという間に描かれてきた本作の最終巻を飾るに相応しいステージとなったね
そして10年語が描かれる最終話
『君』と『僕』の物語を重ね合わせるようにして始まった物語は遂に『2人』の物語へ。けれど、2人だけに閉じるものではなく世界へ広がるものになっているのは良いね
育人が語るブランドコンセプトは育人の願った笑顔の世界が受け入れられたのだと感じられるものだった
最終ページで千雪に要求される育人のコンセプトが2人の歩んできた道から外れないものであると再認識させられるのは良いラストだったな
それはそれとして、猪ノ谷先生は後書きでとんでもない爆弾をぶっこんできたなぁ(笑)
確かによくよく見ると美依も心も千雪も絶妙に左手薬指を隠している。主人公だけ結婚指輪を付けていて、共に付けているのが誰か明かさないって相当変わっているラストだ
アレ?でも流石に最終話冒頭の描写からして、美依が選ばれることはないのか?心か千雪のどちらか?
まあ、何はともあれ、これはこれで読者が笑顔になれる一つの遣り方と言えるのかもしれないね -
Posted by ブクログ
冒頭から辛い、あまりに辛い……!
ボロボロになるまで無理してしまった為に大切な千雪の話をまともに聞くことが出来ないばかりか、簡単に頭を下げてしまう藤戸社長の姿が……!
ミルネージュを畳めば父は助かる。でも、ミルネージュで千雪をパリへ連れていくという夢は叶わない。夢か命か。本来は簡単な筈の二択
でも賭けている夢が、そしてこれまでに費やした人生が大きすぎるから簡単に決断できない
だからこそ極限の中で藤戸社長が捻り出した答えに驚かされてしまう
千雪の夢はミルネージュから始まったけど、今はもうミルネージュだけが全てではなくなった。特に千雪の夢を一緒に叶えようと尽力してくれる育人が居る
だからあの藤戸社長の考え方は起死回生であるはずなのだけど、藤戸社長が賭けていたものが大きすぎて、そしてあの決断がある種の諦めのようにも見えてしまってとても哀しく思えてしまうね……
父から別の男に託された娘の夢
それを受け取った育人は千雪を全力で応援するのだけど、ここで寄りかかれば良いと思わないのが千雪なんだよね
大事な大事な一瞬、その時だけは育人を突き放して自分の力で立って夢を明言してみせた千雪
それは儚いけれど確かな強さを感じさせたね
そして千雪の夢を受け取った育人が何をするかと言えば……
随分と大胆な手を打とうとしているね!初のファッションウィークのコンセプトを千雪にしてしまうって有りなのか……?
それは無理に無理を重ねるような道
その裏で別の無理を始める藤戸社長の逆襲が凄い……!
これまでに通してきた無理が一点に集中していくような展開はとても好みですよ
そしてこのタイミングで現れる第一話で見たモノローグ!
第一話冒頭では千雪がトップモデルに至るまでの物語と言っているのに、第一話ラストではそれに重ねる形で育人がトップデザイナーになる物語と書かれていた
最初に第一話を読んだ時は、これは物語の主役の座を千雪から育人が奪ってしまった事の暗喩だと思っていた
けれど、ここに来て育人のモノローグに重ねる形で再び千雪がトップモデルに至るまでの物語と書き直してきた
つまりこれは千雪が再び物語の主役の座を奪い返したということなのだろうかと深読みしてしまうね
互いの存在が夢への第一歩となりつつも別々に歩んできた二人の夢への道、今は二人で同じようにパリへの夢を抱いている
そんな物語は次で最終巻のようで。個人的にはもっと長く続けて貰いたかっただけに残念な想いもあるのだけど、ここまで来たら最後にどのような素晴らしい光景が展開されるのか楽しみに最終巻を待つことにしましょうか!