藤田美菜子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ多彩な才能をもつピーター博士は、超ポジティブ。
このピーターの自伝小説。
MND(日本ではALSが知られている。似た症状のよう?)と診断されて、人生をより良く生きていきたいと、QOLの向上のためにテクノロジーを活用しようと奮闘する。
つまり、サイボーグになる、ということ。
症状がでる前に、排泄の機器や栄養チューブを、自発呼吸できなくなる前に人工呼吸器をつけるのだ。
人工呼吸器をつければ、声を失うことになる。
そして最後まで正常でいられる脳とAI、音声をつなげて、他の人とのコミュニケーションがはかれるようにする。
これはSFではない。自伝小説だ。
実際にピーターはおこなっている。
テクノロジーに疎い私には宇宙語のようで理解が追いつかない部分も多々あった。
ネット記事で、
NHK クローズアップ現代
『ピーター2.0 サイボーグとして生きる』
2021年11月24日 放送
の内容で、この小説が現実のものだと認識された。
そして、この小説は「愛」の話でもある。
ピーターは若いころに最愛の人、フランシスに出会う。
彼らのような同性愛者は当時は認められておらず、辛い偏見にあってきた。
それに屈することなく、同性愛者たちの先陣をきってきた。
彼らはお互いを誰よりも必要とし、20年以上も寄り添ってきた。
本作の前半はピーターの学生時代と診断が下ったころが行き来する。また後半はテクノロジー、医療用語、経営など多岐にわたって難解。
それでも未来の人間の在り方に一石を投じる作品になっている。
2022年6月15日、ピーター・スコット・モーガン氏の肉体は永眠された。
でもどこかであなたのアバターに出会えるように感じる。 -
Posted by ブクログ
# 感想
やればできると思うが、実際に行動に移して、完遂するということはとても難しい。
例えば、この本で書かれている、健常な状態の臓器を切り取って機械に置き換えるというは、まさにその一つだと思います。誰がそれをやりたいかという話もありますが、健常な臓器を切除する医者を見つけるのだって一苦労することでしょう。医者からしたら失敗して他の問題を併発するリスクもある、前例がない難しさ、ALSによる予期せぬ展開も考えられ、挑戦するメリットはどう考えても少ないと思いました。
著者のすごいところは行動力や決断力もありますが、落とし所がきちんと見えているとも感じました。将来はAIでなんでもできるだけでは、1年後の自分をどうするのかはわからない。著者は現時点で可能な1年後のバージョンアップを設計しています。遠い未来を語ることができるから賛同や共感してくれる人たちがいて、近い未来を見せることができているのですぐ力になってくれる人たちが集まってくるのだと思いました。
憧れの未来を見ることも大事ですが、堅実に一歩ずつ今できることを積み重ねることも大事だと教えてもらった気がします。一足飛びの未来を狙うのではなく、今できる未来を一つずつ叶えていこうと思いました。
# 抜粋(一部省略あり)
- 人間とAIをシームレスに接続する方法を模索できるということだ。
AIが今後、加速度的に洗練されていく中で、その必要性は高まっていくだろう。AIと連携すれば、人間本来の知能を増幅させることも、認知症の問題を現実的に解決することも可能になる。逆にこの探求を怠れば、種としての人類は機械に取って変わられる恐れがある。(P.145)
- 私はこれから長い時間をかけて、少しずつ自分の体に閉じ込められていくことになります。でも、それよりもっと長い時間を、閉じ込められた状態で過ごすつもりなのです。私が最も重視するのは、長期にわたるQOLです。閉じ込め状態になる前のことは、正直あまり気にしていません。(P.159)
- 僕たちがやろうとしているようなことができる人間は、僕たち以外に存在しないんじゃないかって。世間を見渡しても、誰一人として試そうとしている様子もない。まして、MND患者で同じ発想を持っている人など皆無だろう。対照的に、現状の路線を維持しようという暗黙の圧力は強大だ。(P.182)
- 僕がイメージしているのは、世の中で起きていることをキャッチして教えてくれるAIのシステムだ。カーナビみたいな感じで、条件を変えて3パターンくらいの提案を出してくれる。(P.187)
- 「君とどう接すればいいのか戸惑っているんだよ。君のすぐそばまで近寄っていいのか迷っているんだ。学校じゃ、車椅子の人との接し方なんて教えてくれないからね。しかも相手が身動きもできないとくればなおさらだ……」(P.241)
- 時がたつにつれ、僕はサイバースペース(あるいはサイバースペースを介してアクセスできる物理世界)を自分の体の一部だと認識するようになるだろう。脳が持つ可塑性という性質のおかげでね。メールを送信したり、エレベーターを呼んだりするのも、指を動かしたり、眉を上げたりするのと同じ感覚でできるようになるはずだ(P.245)
- 未来に希望を見失ったせいで、死を選ぶほど追い込まれている人々がいると考えると、私はどうしようもなくやりきれない気持ちになった。彼らは、それ以外の可能性はなく、現実的な選択肢もないと思い込んでいる。
そんな彼らに、私は希望と、可能性と、選択肢を示したいのだ。まだ道はあることを知ってほしいのである。私だって、誰が何を選択するかはその人の自由だと本心から思っているし、死を選ぶ権利でさえ全面的に支持している。しかし、同じくらい強烈に、生きる権利についても支持したいのだ。(P.400)
- 1.科学こそ、魔法への唯一の道である。
2.人類が偉大なのは、ルールをぶっ壊す存在だから。
3.愛はーー最終的にーー全てに勝つ。(P.420) -
Posted by ブクログ
身体をAIに任せる人間2.0を既に実践されている方がいるのかと、読んでみました。生い立ち、英国エスタブリッシュメントとしての学生時代、ゲイとして配偶者との出会い、家族への告白、アーサー・D・リトルでの生活などなど。。ページに費やされるのは、抒情的な自伝です。
シンギュラリティ、身体の一部がコンピュータになる、どんな機器なのか?どんなテクノロジーなのか?については、あまり語られてません。。写真もなし。。合成ボイス、アバターについては少しだけあり。
なので、人間2.0をテクノロジー的に語るという本を期待されて方は、がっかりするかもしれません。。
文章はこなれてるのか、どんどん読み進められました。。ただ、いつそのロボット的な分析が出てくるのか?!期待しながら読んでたのですが、なんにもないまま終わりの章を迎えてしまいました。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ国を率いる組織とは考えられないほど混とんとした内情が割と最初から最後まで続く。
崩壊せずに今日まで保ってきていることが驚き。
ブライトバード元会長のスティーブ・バノンが、トランプの勝利や政権内で大きな役割を担ってきた一人として描かれているように、政治の様々な面において、メディアの影響力の強さを改めて感じた。この一連の出来事はまた、メディアを通して得る情報に操作される国民・大衆か構成する社会において、民主主義を健全に保つ難しさを示していると思った。
ちょうどあと1年後には大統領選が実施されるという時期になっている中で、トランプが大統領として日常化している現状に気付く。