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女の欲望だけが肯定されて、男の欲望だけが罪なものみたいに扱われてる今の風潮は男が可哀想だなと思う。最近その風潮が強かったと思う。松ちゃんの件とか。あれは男性の欲望なんだから封殺するなんて男の存在そのものの否定だし、ただのイジメみたいだなと思った。
彼女とドライブしてた時に駐車した場所メモるの忘れてパニックになったんだけど、私の空間記憶だけを辿って駐車場にたどり着いた時彼女に驚かれた記憶ある。私脳がオスなんだと思う。
バーバラ・ピーズ
オーストラリア在住の講演家、作家。夫のアラン・ビーズと共に活動を行っている。ビジネスにおける人間関係を語る第一人者として、多数の著書を執筆。100ヵ国以上で出版され、55の言語に翻訳された著書の累計部数は2700万部を超える。日本でも、「話を聞かない男、地図が読めない女」、「嘘つき男と泣き虫女」などがベストセラーとなっている。セミナーも毎年30ヵ国にのぼる国々で開催している。
アラン・ピーズ
(1952年オーストラリア生まれ)は、オーストラリアのボディランゲージの専門家であり、15冊の本の著者または共著者です。[1][2]アラン・ピーズと妻のバーバラは、10のナンバーワンを含む18のベストセラーを執筆し、70カ国でセミナーを開催しています。彼らの本は100カ国以上でベストセラーであり、55の言語に翻訳され、2700万部以上を売り上げています。[1]彼らは世界中のメディアに定期的に登場し、彼らの作品は11のテレビシリーズ、4つの舞台劇、ナンバーワンの興行収入映画とテレビシリーズの主題となり、合計で1億人以上の視聴者を魅了しています。
「男は、バックミラーだけで縦列駐車を難なくやってのけるのに、女の Gスポットを見つけられない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「しかし生物学的な研究が進むにつれて、思考パターンの形成のしかたは、どうもそうではなさそうだということがわかってきた。私たちの態度や好み、行動を作りあげるのは、実はホルモンや脳の神経経路の働きなのである。だとすれば、社会が存在せず、親もいない無人島で育ったとしても、女の子はやはり相手に触れたり抱きしめたりするのが好きで、自然と友達の輪を広げるだろうし、男の子たちは心身両面で競いあい、グループを組織して上下関係を作りあげるだろう。私たちの思考や行動を決めるのは、胎児期に作られる脳の配線と、ホルモンの働きである。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「一九六〇年代から、男女差の固定観念を打ちやぶろうとする運動が盛んになった。政治や宗教、教育のシステムは、女性を抑圧し、優秀な女性が世に出るのを妨げようとする男性側の陰謀であり、男は女を支配下に置くために妊娠させるというのが、そうした活動団体の主張だった。 たしかに歴史を振りかえってみれば、そんなふうに見えなくもない。だがひとつ疑問がある。もし男と女がまったく同質ならば、なぜ男だけが圧倒的な優位に立ち、世界を支配できたのだろう? ここでも、脳の働きを探ることで答えが出てくる。私たちは判で押したように同じではない。能力を発揮するチャンスは平等に与えられるべきだが、男と女では、本来持っている能力が完全に同じではないのだ。男女平等は政治や道徳の問題だが、同質かどうかは科学の話である。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「人間も動物だと断言されると、たいていの人は難色を示すだろう。しかし、私たちの身体の九六パーセントは、ブタやウマと同じなのである。人間にしかできないことは、ものを考えて、先の計画を立てることぐらいだ。ほかの動物は、遺伝で決まった脳の回路にしたがって反応したり、一定の行動を繰りかえすが、それはあくまで反応であって、考えた末の判断ではない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「良し悪しに関係なく、祖先から受けついだ行動が子どもたちに引きつがれるという点では、人間も動物も変わらない。新しい技能を身につければ、遺伝によってそれが子どもにも伝わるはずだ。迷路をうまく通りぬけられるネズミと、迷ってしまうネズミをグループ分けして、賢いネズミの家系と愚かなネズミの家系を何世代にもわたって作ることができる。私たち人間も動物であることに変わりなく、ただ何百万年という進化によって野性的な衝動が洗練されていっただけである。そのことを承知しておけば、自分の欲求や衝動を理解するのもたやすいし、自分自身や他人をもっと楽な気持ちで受け入れられる。真の幸福に通じる道は、どうやらそこにありそうだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「 夫が何か隠しごとをしているとき、それを見破る妻の眼力は大したものだ。ただしその眼力も、バックで車庫入れをするときには、全然役にたたない。車をバックさせながら、フェンダーから車庫までの距離を測る空間能力は、右脳の前のほうがつかさどっている。女性はこの能力があまり高くない。これについては、第 5章で詳しく説明する。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「 女は家族が無事に生きていけるよう、子どもたちが病気でないか、お腹をすかせていないか、怒ったり落ちこんだりしていないか、ちょっとした変化にも気づかなくてはならない。しかし男は洞穴にいる時間が短いために、言葉以外の合図や、対人コミュニケーションを身につける暇がなかった。 ペンシルバニア大学の神経心理学教授ルーベン・グルが、休息中の男性の脳をスキャンしてみたら、全体の七割が活動を完全に停止していた。いっぽう女性はというと、逆に九割が活動状態にあったというから、女は周囲からたえず情報を取りこみ、分析していることがわかる。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「白眼の面積は、男より女のほうが大きい。女が築く人間関係に不可欠な、近距離でのコミュニケーションには、そのほうが有利だ。というのも白眼の部分が多ければそれだけ表情も豊かになるし、相手の目の動く方向を読みとることで、多彩な信号を受けとることができるからだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女は周辺視野が広く、男はトンネル視が得意。 狩猟者である男は、遠くにいる獲物を追跡するため、注意がそれないようもっぱら前方が見えるように進化した。女の視野が広くなったのは、忍びよる捕食動物をいち早く見つけるためだ。だから現代の男は、はるか先にあるパブを苦もなく見つけられるくせに、すぐ手元にある冷蔵庫や食器棚、引き出しにあるものは探しだせない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「狩猟を任務としている男の脳のほうが、視野を狭くするのは得意だ。家を守る女は、身のまわりの情報をできるだけ多く拾いあつめるために、広い範囲が見えるようになった。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「色目がばれるのはいつも男 女は周辺視野が広いので、周囲にばれないよう、さりげなく色目を使うことができる。 男が色目を使ったらたいてい女になじられるが、その逆はない。ある雑誌の調査によれば、男が女の身体を見るのと同じくらい、あるいはそれ以上の勢いで、女も男の身体を品定めしているという。女は気づかれないだけだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「なぜ女には「第六感」があるのか 中世の時代、「魔力」を持っていると言われて火あぶりになるのは、たいてい女だった。予言が当たったり、相手の嘘を見ぬいたり、動物と話をしたり、隠された真実をあばいたりしたからだ。 一九七八年、私たちはテレビ番組でひとつの実験を行なった。赤ん坊のボディランゲージを女性が読みとる能力を調べるものだ。泣いている赤ん坊を映した一〇秒ほどのフィルムを何種類か用意して、産院に入院している母親たちに見せた。音は消して、視覚情報だけ届くようにした。 するとほとんどの母親は、お腹がすいている、身体のどこかが痛い、腸にガスがたまっている、くたびれたなどなど、実にさまざまな状態を見わけることができた。同じテストを父親たちにも受けてもらったが、結果は惨憺たるものだった。二種類以上の感情を当てられたのは、全体の一割に満たなかったのである──あてずっぽうでたまたま正解した者も多かったはずだ。ほとんどの父親は、自信たっぷりにこう答えた。「赤ん坊は母親を探してるんだ」。結局父親たちは、赤ん坊の泣きかたをほとんど区別することができなかった。子育てを卒業した人たちはどうかと思い、祖父母にも実験を受けてもらったところ、祖母は五〇~七〇パーセントの確率で言いあてた。しかし祖父にいたっては、自分の孫でも、何を要求しているかわからない体たらくだった!」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女の耳は地獄耳 女は男よりも耳が鋭く、とくに高音を聞きわけるのが得意だ。だから夜中に赤ん坊が泣きだしたとき、女の脳はすばやくそれを感知する。けれども脳がそういうふうにプログラミングされていない男は、全然気づかずに寝ている。遠くで子猫が鳴いていると、鳴き声を聞きつけるのは女だが、居場所を突きとめるのは空間能力、方向感覚に優れた男のほうだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「音に対する感受性は、女の赤ん坊のほうが男の赤ん坊の二倍もある。だから女の赤ん坊をあやすときは、声を一オクターブ高くして話しかけるベイビートークが効果的だ。母親もそのちがいを直観的に知っていて、女の子には子守唄を聞かせるし、男の子にはふつうの声で話しかけたり、いっしょに遊んでやることが多い。 鋭い聴力は、いわゆる「女の勘」の重要な部分を占めている。女は行間を読むのがうまいと言われるのも、このあたりに根拠がある。もっとも男は動物の立てる音を識別して、まねるのがうまい。この能力は、男の仕事が狩猟だった遠い昔にはずいぶん役にたったはずだが、残念ながら現代ではさほどありがたいものではなくなっている。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男は方向を「聞く」ことができる 音を聞きわけるのは女が得意だが、男は音の来る方向がよくわかる。男の脳は、耳に入ってきた音をどうやって頭のなかの地図に転写しているのだろう? カリフォルニア工科大学の小西正一教授は、メンフクロウなど音の指向能力が優れた鳥類を使って、その答えを探った。フクロウに音を聞かせると、音がしたほうに顔を向ける。このとき、脳の聴覚野にある細胞群が、音の正確な位置をとらえていることがわかった。まったく同じ音を聞かせても、耳に到達する時間のほんのわずかな──二億分の一秒──ちがいで、フクロウの脳は立体的な音地図を描くことができる。この能力のおかげで、フクロウはすばやく獲物を発見したり、敵から逃げることができるのだ。男が音の方向を探るときも、これと同じ仕組みが働いている。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「子育てと暴力の研究では第一人者である人類学者ジェームズ・プレストンは、子どもに愛情のこもった接触がなされない社会ほど、成人の暴力発生率が高いことを発見した。愛情豊かに育てられた子どものほうが、健康で幸福なおとなになることが多い。性犯罪、児童への性的いたずらに走る者は、子どものころ人から拒絶されたり、暴力をふるわれてばかりで、抱きしめられた経験が少なかった傾向がある。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「人間の皮膚は面積にして二平方メートルもあり、臓器のなかでは最大級だ。皮膚には、痛みを感じる受容体が二八〇万個、冷たさを感じる受容体が二〇万個、触覚や圧力を感知する受容体が五〇万個まんべんなく散らばっている。皮膚の感受性は、女のほうが高い。女の子は生まれてまもないうちから触覚をよく感じることができるし、成人してからも、触覚や圧力に関して女の皮膚は男より少なくとも一〇倍は敏感である。実験で触覚にいちばん敏感だった男の子と、いちばん鈍感だった女の子をくらべると、まだ女の子のほうが感度は上だったという結果もある。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女どうしの会話では、男どうしにくらべて身体接触が四 ~六倍も多い。 精神病患者を対象にした実験では、男はプレッシャーを受けると、接触を避けて自分だけの世界にこもるという。ところが女性患者は、逆に異性に働きかけをはじめた。セックス目的ではなく、親密な触れあいを求めての行動だ。男に腹を立てたり、よそよそしい気持ちになったとき、女は「私に触らないで!」と言うが、男にはその真意がピンとこない。では今後、男はどうするべきだろう? 女相手にポイントを稼ぐには、正しい触れあいをもっと増やすことだ。ただし、いやらしい感じの動きは厳禁。また、子どもを健全な精神の持ち主にしたければ、たくさん抱っこしてあげよう。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男の皮膚は女より厚い。だから年齢をとっても女よりしわが寄りにくい。とくに背中の皮膚は、腹側より四倍も厚い。これは四足歩行時代に、背後からの攻撃に備えていたなごりである。触覚に対する男の子の感受性は、思春期までに大半が消えて、苛酷な狩りに耐えられるよう準備を整える。石ころだらけの草むらを走りぬけたり、動物や敵と格闘しても痛みにひるまないためには、皮膚の感覚を鈍くする必要があるのだ。肉体作業やスポーツに集中しているとき、男はけがをしても気づかないことがある。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「しょっぱさと苦さを区別するのは男のほうが得意で、だから男はビールを好んで飲む。女は甘さや砂糖の味に敏感だから、チョコレート中毒は女のほうが断然多い。洞穴に住んでいたころは、採ってきた果物が熟れて甘くなっているか確かめないことには、安心して子どもに食べさせられなかった。甘さへの感受性が子どもの生命を守ることに直結していた時代の性質が、いまもしっかり残っているのだ。砂糖を使ったお菓子を好み、食べ物の味見をするのが女なのも当然だろう。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女の嗅覚はもともと男より鋭いが、排卵日前後にはさらに鋭敏になる。男が発するフェロモンやムスクのような、それとわからないくらいかすかな体臭も感知できる。さらに女の脳は、においの信号を解読して男の免疫系の状態も探る。自分の弱いところを補ってくれる、もしくは自分より強い免疫系の持ち主は魅力的に見えて、「不思議な磁力で吸いよせ」られる。反対に、免疫系が弱い男には食指が動かない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女は神秘がお好き 人間は進化をするあいだに、生きのびるうえで必要な能力や感覚をたくさん身につけてきた。魔法とか神わざ、女の直感と呼ばれる不思議な現象も、一九八〇年代ごろから科学的な検証が行なわれるようになり、ほとんどの場合、女の知覚能力が優れているという理由で説明できた。 魔法を使ったかどで火あぶりにされたのは、ほとんどが女だった。しかし彼女たちは、ボディランゲージの微妙なニュアンスや、声の調子といった感覚刺激に気づきやすかっただけだ。生物学的なちがいを知らなかった男たちが、魔女呼ばわりして断罪したのだ。また女は、動物の感情や態度も鋭く読みとる。原始時代の女はこの能力を活用して、ねぐらに近づく動物が危険かどうか判断した。犬がとまどっていたり、馬が怒って蹴ろうとしているとき、女はそれを察知する。しかしたいていの男には、困っているときの犬の様子など想像もつかない。女は猫の相談にのってやることができるが、男は女の見ていないところで猫に蹴りをお見舞いする。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「69ページのイラストは、ゴリラ、ネアンデルタール人、現代人の頭蓋骨断面を並べたものだが、ちがいは一目瞭然だ。私たちの脳は、ゴリラの三倍以上、遠い祖先とくらべても一・三倍は大きい。出土した化石からは、人類の脳は五万年前からいまと大きさも働きもほとんど変わっていなかったことがわかる。また、額から頭頂部にかけて前に突きだしているのも、霊長類や祖先にはない特徴だ。ここにある前頭葉は、考える、地図を読む、言葉を話すといった人間にしかない能力をつかさどっている。人間がほかの動物と一線を画しているのは、ここなのである。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「左ききの人は、クリエイティブな右脳のほうがよく発達する。だから芸術関係の天才たちには左ききがとても多い。アルバート・アインシュタイン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ピカソ、ルイス・キャロル、グレタ・ガルボ、ロバート・デ・ニーロ、ポール・マッカートニーはみんな左ききだ。世間の人の九割は右ききで、左ききを男女で分けると女のほうが多い。大部分の男は右手、右腕を使うのは得意だが、左はそうでもない。すばやく動く獲物を正確に狙い撃ちしたり、前からの攻撃に対して身を守るには、右腕が思いのままになることが重要だ。男が攻撃をしかけるとき、最初の一撃はまずまちがいなく右からのオーバーアーム・ブローになるはずだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「しかし今日では、男と女では脳の働きがまるでちがうことがわかっている。男女間に起こる問題の大半は、そこに由来しているのだ。女の脳は男よりわずかに小さいが、性能そのものにこれといったちがいはない。一九九七年、デンマークのコペンハーゲン市民病院神経科に所属するベルテ・パッケンベルグは、脳細胞の数は男のほうが四〇億個ほど多いにもかかわらず、知能テストでは女のほうが約三%高い成績をおさめたと発表した。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「たとえば男の脳をスキャンで見ると、脳のなかで方向を感じとる部分が光って見える。つまり方向をあれこれ探ったり、見当をつける作業が好きということだ。女のほうは、発話領域が画像にはっきり現れる──女は話すことが得意で苦にならないので、その適性をいかせるセラピーやカウンセリング、教師といった職業に魅力を感じる。逆にスキャン画像でぼんやりとしか写らないところは、そこに関係する技能は得意でないし、やっても楽しくないということだ。だから女のナビゲーターを見つけるのは難しいし、男のカウンセラーや外国語教師も少ない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「言葉を完全に失ったり、言語障害を起こす確率は、男のほうが三 ~四倍も高く、言語能力が回復する可能性も低い。頭の左側をけがした男は、それきり口がきけなくなることが多いが、女は同じ場所を負傷しても、おしゃべりを続けるにちがいない。 頭の右側に損傷を受けた男は、空間能力のほとんどを失う。つまり三次元でものを考えたり、頭のなかに思いうかべた物体を回転させて、ちがう角度から見た様子を想像することができなくなる。家の設計図も、女の脳が見るとひらべったい二次元でしかないが、男は高さまで把握できるので、どんな建物ができあがるか想像がつく。女はそういう空間能力がもともと発達していないので、右脳をけがしてもあまり変わらない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「また女の子の左脳は、男の子より成長が速い。だからあとから生まれた妹も、兄さんより早く、じょうずに話せるようになる。女の子は字を覚えたり、外国語を習得するのも速い。言葉が遅かったり、うまく話せなくて専門家のところに連れてこられるのは、男の子のほうが多い。 しかし右脳に関しては、男の子のほうが成長が速く、空間能力、論理や知覚能力が発達していく。だから男の子は算数やパズルが得意だし、ものを組みたてたり、問題を解決するのが好きで、そういう技術は女の子より早く身につける。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「「彼が新聞を読んでいたり、テレビを見ているときは、私が何を言っても聞いてないのよね」というぐちは、女なら一度はこぼす。男の脳は左右の連絡が悪く、しかも用途ごとに細かく区分けされているので、一度にひとつのことしかできないのだ。本を読んでいるときの男の脳をスキャンしてみれば、必要なところ以外はほとんど死んだようになっていることがわかる。 女の脳は、同時にいくつもの作業がこなせるようにできている。だからたがいに関連のない仕事を一度にやれるし、脳はいつも活動していて休むことがない。電話でおしゃべりしながら、レシピ片手に料理を作り、なおかつテレビも見ることができる。ラジオをつけたまま自動車を運転し、化粧をしながら電話のハンズフリー機能を使って会話することだってお手のものだ。これが男なら、料理を作っている最中に声をかけると怒りだすだろう。レシピを読みながら、同時に話を聞くことができないからだ。肝心なときに話しかけるから、高速道路を降りそこねたじゃないかと男になじられた女はけっこういるはずだ。ある女性は、夫に腹が立ったときは、ハンマーで釘を打っているときにわざとしゃべりかけてやるのだと言った。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女は脳の両方をいつも使っているので、右と左がすぐには区別できないことが多い。およそ半数の女は、指輪やしわといった目印がないと右手、左手を即座に認識できない。これに対して男の脳は左右のいずれかしか働いていないので、すぐ区別がつく。右に曲がるべきところをまちがえて左と指示してしまい、男に怒られるのはいつも女なのだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「日々のよしなしごとについてしゃべるのは、女のストレス解消法だ。女にとって話すことは、絆を深める手段であり、心の支えなのだ。だからカウンセラーにかかるのも、聞き役であるカウンセラーも、圧倒的に女が多い。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「──それについては第 6章を参照。頼まれもしないのに解決策を示したり、おしゃべりの背後にある動機を疑ったりしてはいけない。もし女が悩みを抱えているようなら、男にはとっておきの手法がある。「その話は、男として聞けばいいかな、それとも女友達のように聞いてあげればいい?」とたずねるのだ。男として聞いてほしいと言われたら、解決策を考えてあげよう。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「ビデオを使った三次元の空間能力テストでは、男の子は女の子の四倍も高い成績を示し、いちばん成績の悪い男の子でさえも、よくできた女の子を上回っていた。男の脳を調べると、空間能力をつかさどる部分が右脳に少なくとも四カ所、そして左脳にも小さい領域がいくつかあるのがわかる。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女の空間能力が劣っているのは、男以外の生きものを追いかけたことがないから。 男の優れた空間能力を物語る科学的証拠は、それこそ山のようにある。狩人として進化してきたから当然だが、現代の男は、獲物を追いかけなくても昼飯にありつける。そのかわりゴルフやコンピュータゲーム、フットボール、ダーツなど、何かを追いかけたり標的をねらう遊びやスポーツに興じる。ダーツが楽しいと思う女はあまりいない。けれども、もし女の右脳にダーツ用の領域が発達していたら、このゲームを楽しめるばかりか、確実に男を打ちまかせるはずだ。 男は、標的めがけてボールを打ちこむ動きに、たまらない快感を覚える。だからゴルフ、フットボール、バスケットボール、テニスの選手は人気が高く、けた違いの金額を稼ぎだす。スピード、距離、角度、方向を正確に判断する能力さえあれば、学歴がなくても人びとの尊敬をかちとれるのだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「それでもなお、生まれながらに持つ能力特性など関係ない、と固く信じる人がいるだろう。女性の進出が阻害されているのは、男が「女はダメ」と門前払いしたり、男性中心の労働組合が幅をきかせているからだ、と。だが英国建築家協会の調査によると、大学で建築を学ぶ学生の半数は女性なのに、建築家として仕事をする女性の割合はわずか九パーセントだという。そのなかには、建築家になるより子育てを選んだ者もいるだろうが、全員がそうともかぎらない。会計学を勉強する学生の三八パーセントは女性だが、実際に会計士として活動する女性は全体の一七パーセントしかいないというデータもある。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「ビリヤードと原子力工学 調査の過程で、ビリヤードのプロ選手にも話を聞くことができた。元世界チャンピオンのある男性は、「プロでビリヤードをやる女性は、男みたいな話しかたをするし、スーツに蝶ネクタイを絞めたりして、身なりも男のようになる」。 女性プレーヤーは、男に溶けこむようにすれば、同じように活躍できると信じている。女性選手の進出を阻んでいるのは、男の態度だというわけである。私たちは女性プレーヤーにもたずねた。「空間能力のちがいはどうですか? 球の相対的な速度や角度、ポケットまでの距離、白球の最終的な位置を予測するといったことですが」。しかし答えは、「そんな話聞いたこともない」だった。女性のプレーヤーが少なく、チャンピオンも出ないのは、やはり男の態度のせいにされてしまった。「男女に関係なく門戸は開かれています。ただし、採用するときは能力重視ですから」と話したのは、原子力技術者協会の担当者だ。実際に原子力技術者の九八・三パーセントは男で占められている。同協会の調べでは、女性技術者は文字列を、男性技術者は数列を扱うのが得意だという結果も出ている。たしかにそうだろう。文字は人間や人間関係、言語能力と関わりが深いし、数字は物体どうしの空間的な関係を表すものだからだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「同協会の調べでは、女性技術者は文字列を、男性技術者は数列を扱うのが得意だという結果も出ている。たしかにそうだろう。文字は人間や人間関係、言語能力と関わりが深いし、数字は物体どうしの空間的な関係を表すものだからだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女性会計士が増えている現状も、同じ理由で説明できる。昨今の会計士は、顧客の要望をうまく汲みあげなければならず、そういう面は女の得意分野なのだ。大手の会計事務所では、女性会計士が顧客の獲得や対応に追われ、数学的な計算作業は男性助手にまかされていたりすることが多い。しかし空間能力や数学的な推理力だけで勝負する職種では、いまだに男性優位は変わらない。保険数理士の九一パーセント、エンジニアの九九パーセントは男である。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「一〇代の女の子の話は、男の子のこと、体重、洋服、友達のことで持ちきりで、おとなの女にしても、ダイエット、付きあい、結婚生活、子ども、恋人、性格、洋服、他人の行動、職場の人間関係など、とにかく人間にまつわることが話の中心だ。 男の子たちは、誰が何をした、あいつはこれが得意だとか、これはどんなふうに動いているといったこと、つまりものごとや活動について話したがる。思春期に入ると、スポーツやメカ、ものの機能が話題になる。おとなになると、スポーツ、仕事、ニュース、何をした、どこへ行った、テクノロジー、自動車、機械のあれこれについて語りあう。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男の友情が、共通の趣味や目標に向かう並列型だとすれば、女の友達づきあいは感情を分かちあう対面型だ。女はおたがいの個人的な事情をよく知っているから、けんかになったときはそれを武器に容赦なく攻撃する。またセックスの話になったときも、遠慮するということがない。回数やサイズはもちろん、テクニックやことの手順に至るまで包みかくさず、ときにはどぎついぐらい露骨に語りあう。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「しかし女の感情は左右の脳に広く分布していて、ほかの機能と連動している。だから議論のとき感情的になりやすい。男はなかなかそうならないし、もし感情が激しくなりそうだったら、議論そのものをやめてしまう。こうして男は感情的になることを避ける。言いかえれば、取りみだした状態を人目にさらさなくてすむのだ。女の感情は、脳のほかの働きと同時にスイッチが入る。だからパンクしたタイヤを交換しているときに涙を流すことができる。男にとってタイヤ交換は、問題解決能力のテストみたいなものだから、たとえどしゃ降りの雨のなか、車一台通らない道で、スペアタイヤまでパンクしていることがわかり、おまけに先週ジャッキをトランクから出したまま戻していないことを思いだしても、ひと粒の涙もこぼれない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「月経前症候群は、現代女性に特有の悩みである。昔の女はしょっちゅう妊娠していたので、月経関係の障害があったとしても、一生を通じて一〇~二〇回ぐらいしか症状が現れなかった。現代の女は一年に一二回も月経に苦しんでいる。初潮から閉経までを一二 ~五〇歳として、生涯に産む子どもが二・四人とすると、月経前症候群を三五〇~四〇〇回は経験することになる。子どもを産まない女にいたっては、五〇〇回近くなるだろう。 一九五〇年代に避妊用ピルが登場するまで、女の気分の変動に注目する者は誰もいなかった。月経終了から二一日間は、エストロゲンのおかげで女は満足感、幸福感が強く、きげんが良い。性的衝動もだんだん強くなって、一八 ~二一日ぐらいで最高潮に達する。この期間には、ちょうどテストステロンの分泌も最高になる。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「たとえばウマの場合、欲情したメスはオスにちょっかいを出して興奮させる。だが、受精に最適なところに卵子がおりてくるまでは、ぜったいに身体を許さない。もっとも人間の女は、自分にも同じような周期があり、身体がそれに応じて変化していることをちゃんとわかっていない。 だから、パーティで知りあったばかりの男とベッドに直行するという事態も起こるのだ。当の本人は、どうしてそうなったか訳がわからない。「もう何がなんだか。パーティで出会った彼と、あれよあれよというまにベッドに入っていたの。あんなことはじめてよ!」。そう言う彼女は、月経周期のなかでいちばん受胎しやすい瞬間に男と出会ってしまったのだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「同じ実験では、排卵期になると、女性は短いスカートをはきたがることもわかった。つまり女は、生活をともにする相手としては、良い父親になれそうな男を選ぶが、生物学的な欲求がざわつきはじめると、ターザン的な遺伝子に走ってしまうのである。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「月経終了後二一 ~二八日の期間、女の身体ではホルモンが急激に減少してバランスがおかしくなり、月経前症候群の呼び名で知られるいろいろな症状が起こる。気分が沈み、陰うつになって、ひどいときには死にたくなる。女の二五人にひとりは症状が重く、性格まで変わることがある。 暴行や万引きなど、女による犯罪のほとんどは月経周期の二一 ~二八日目に起こっているという統計がある。ある調査では、殺人や暴力行為で刑務所に入っている女性の少なくとも半数は、月経前症候群だった。月経前のこの時期には、女性が精神科医、カウンセラー、占星術師を訪れる回数が極端に多くなる。「自分がコントロールできない」「頭がおかしくなりそう」と感じるからだろう。月経前症候群の女性がハンドルや飛行機の操縦桿を握ると、事故を起こす確率が四 ~五倍は高くなるという。あなたが今度飛行機に乗るとき、パイロットがむすっとした女性だったら、悪いことは言わないから電車に変えたほうがいい。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男は五〇~六〇代に入ると、テストステロンの分泌量が減少して、性格が穏やかになってくる。女はその反対で、更年期を過ぎるとエストロゲンが減り、相対的にテストステロンのほうが多くなってくる。だから四五 ~五〇歳ぐらいになると、女はいきなり自信満々になって、何ごとにも積極的になる。しかし同時に顔の毛が濃くなり、ストレスがたまると卒中を起こしやすくなる。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「人間の歴史を振りかえっても、テストステロン濃度の高い男が社会を支配してきたし、ローマと勇敢に戦ったイケニ族の女王ボアディケア、マーガレット・サッチャー、ジャンヌ・ダルクなど傑出した女性リーダーにしても、妊娠七 ~八週間に多くの男性ホルモンを浴びたことが考えられる。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「これらの特徴は、レズビアンの女にも見ることができる。アメリカのエージング研究所のスーザン・レズニックは、胎児期に大量の男性ホルモンを浴びた女性は、空間能力に優れていると報告している。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「レズビアンはというと、紀元前七世紀に存在したギリシャのレスボス島に語源がある。こちらは男どうしのホモセクシャルほど毛嫌いされなかった。女どうしの親密な関係と見なされることが多く、性の倒錯と決めつけるに至らなかったのだろう。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「しかしキリスト教は同性愛に眉をひそめた。神は堕落したソドムの町を滅ぼしたという伝説もあって、ホモセクシャルは禁じられ、クローゼットの奥深くにしまいこまれ、最近になるまで人前に出ることはなかった。 一九世紀後半のビクトリア朝では、ホモセクシャルの存在すら認められておらず、仮にそんなものがあったとしても、それは悪魔のしわざだから厳しく処罰すべきだという考えが主流だった。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「性染色体が X X(女)を持つ胎児の脳が男性ホルモンにさらされると、脳の配線は男で、身体は女という赤ん坊が生まれる。幼いころは「おてんば」と呼ばれ、ほかの女の子にくらべると遊びかたが乱暴で激しい。思春期になると体毛や顔の毛が濃くなり、手と目を連動させる動きやボール扱いもうまくなる。そういう女の子はかなりの確率でレズビアンになり、俗に言う「男役」になる。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「また視床下部は、テストステロンに代表される各種ホルモンの刺激を受けて、セックスしたいという欲望を作りだす。男は女にくらべて視床下部が大きく、テストステロンの量も女の一〇~二〇倍と多いので、当然男のほうが性衝動は強く、いつでもどこでもセックスできる。しかも男は「若気のいたり」が許され、奨励されるのに対し、女が性のことで積極的になると「淫乱」の烙印を押されるという社会的な土壌もある。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男は電子レンジ、女はオーブン 男のセックスは、たとえて言うなら電子レンジである──スイッチを入れると同時に最大出力で加熱をはじめ、調理が終わったらぱっと消える。だとすれば女の性衝動はオーブンだろう──最高温度に上がるまで時間がかかるが、なかなか冷めない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男が分泌するテストステロンは年齢とともに減少し、それにともなって性欲も弱くなっていく。女の性欲はなだらかな上昇曲線を描き、三六 ~三八歳ごろにピークを迎える。中年女性と「若いツバメ」のカップルも、このグラフから説明がつく。性欲の強さでくらべると、一九歳の若い男と、三〇代後半から四〇代はじめの女がちょうど釣りあうのだ。グラフを見れば、四〇代の男の性欲と、二〇代はじめの女の性欲もちょうど同じくらいということがわかる。おじさんと若い女の組みあわせである。こうしたカップルの「年の差」は、通常二〇歳前後である。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女の性欲が男と肩を並べ、あるいは男を追いこすのは、三〇代も後半になってからだ。これは閉経前にもうひとり子どもを産んでおこうという、最後のひとがんばりなのである。だが四〇代に差しかかった男は、それまでと立場が逆転してぎょっとすることが多い。このころになると、女のほうが性欲が強いし、攻撃性も高くなっているので、多くの男がいやいや「お務め」をはたさなくてはならないとこぼす。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「セックスが健康増進に役だつ証拠は、ごまんと存在する。週に平均して三回ほど仲むつまじくやっている人は、一年で八四〇〇キロカロリー消費している。この消費熱量は、一三〇キロメートル走ったに等しい。セックスによってテストステロンの分泌が増えると、骨や筋肉がじょうぶになり、善玉コレステロールも増える。セックス研究者のビバリー・ホイップル博士によると、「セックスをしているとき、人間の体内では鎮痛効果のあるエンドルフィンという物質が分泌され、頭痛や打撲痛、関節炎の痛みなどが軽減される」という。 オーガズムに達する直前に分泌される D H E A(デヒドロエピアンドロステロン)というホルモンには、刺激に対する認知能力を高め、免疫システムを強化し、腫瘍の成長を抑えたり骨の生育を助けるという働きがある。また女性の場合は、触れられたい欲求を高めるオキシトシンというホルモンがセックス中に大量に放出されるし、エストロゲン量も増える。ハロルド・ブルームフィールド博士は著書『ザ・パワー・オブ・ファイブ』のなかで、エストロゲンは女性の骨と心臓血管を強くすると指摘している。これらのホルモンはいずれも心臓を守り、寿命を伸ばしてくれる働きがある。つまりセックスをたくさんすればするほど、それだけ長生きできるし、ストレスもなくなるのだ!」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「乱交性は、進化のなごりとして男の脳にプログラミングされている。人間の歴史を振りかえると、戦争のたびに男の人口は激減するため、ことあるごとに補充する必要があった。戦いから戻ってくる男の数は、たいてい出かけたときより少なくなっている。その分だけ寡婦も増えているわけで、帰還した男がハーレムを作るのは部族の生きのこり戦略として効果的だった。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「本能や自然そのものが、いまの私たちにとって良いとはかぎらない。たとえばガの脳は、明るい光に向かうように配線されている。その本能のおかげで、夜間でも星や月を頼りに飛ぶことができる。しかし現代のガが生きる世界は、こうした進化の過程からはるか遠いところになっている。本能や自然のおもむくままに行動していると、人間の作った駆除装置によって燃やされ、灰になってしまうのだ。人間の男も、自分に備わった欲求の仕組みを理解しないと、ガのように自滅の道をたどるかもしれない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「女の性欲がいちばん強くなるのは排卵のときで、ピークは数時間のこともあれば、数日間続くこともある。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「クリスマスシーズンが来ると、デパートの下着売り場は居心地悪そうにおどおどした男でいっぱいになる。パートナーにセクシー下着をプレゼントするためだ。しかし年明け早々、デパートの返品カウンターに女たちが列を作る。「こういうのは私向きじゃない。彼ったら夜の女みたいな格好をさせたがるんだもの!」というわけだ。逆に考えれば、プロの女たちはちゃんと市場調査をして、「売れる」パッケージに身を包んでいるということになる。おへそまで隠れる色気のないパンツしかはかない女より、エロティックな下着をいろいろ試す女のほうに、男は忠誠を尽くすという調査結果もある。一夫一婦制を貫きたいのなら、変化を欲しがる男の本能にたまには応じてやったほうがいい。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「世間は、タマがでかくテストステロンの豊富な人間に権力を与えたがり、そのくせ去勢したネコのような慎みぶかさを求める。権力者の地位に就けるのは強靭な性欲のおかげだが、そこから引きずりおろされるのも、これまた性欲が原因なのである。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「ミスユニバース・コンテストがテレビ中継されると、視聴者は女より男のほうが多くなる。女らしい姿形に惹きつけられる男にとって、コンテストは眼福を味わえるうってつけの場なのである。ミスターユニバース・コンテストもあるが、人気もなければテレビ中継もされない。ただ突ったっているだけの男には、誰も関心がないのだ。持てる能力を発揮して、肉体的な強さを誇示するところに男の魅力がある。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「ところが女が性欲を感じるには、愛され、あがめられているという実感、自分が大切な存在だという確信が不可欠だ。ここに悲しいすれちがいがある。男はセックスしてからでないと、自分の感情に波長を合わせて、気持ちをはっきり表すことができないのに、女は、まず男に気持ちを整理してもらってからでないと、セックスする気になれないのだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男だって愛は欲しい。でも男の場合、セックスを通じてでしか愛を感じられないのだ。 男と女では、セックスに与える順位がまるで反対なので、そのことでおたがいをなじるのは無意味というものだ。もともとそうなっているのだから、しかたがない。それに両極端は惹かれあうという言葉もある。性的な欲求がうまくかみあうのは、ゲイやレズビアンどうしのカップルぐらいだろう。だから彼らは、愛だのセックスだのといったことでは、ヘテロセクシャルほどけんかにならないのかもしれない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男は決して「イッた」振りをしない──あんなマヌケづらをわざと作るなんて、プライドが許さないからだ。 セックス中に女が感じている深い気持ちを、男は察してやることができない。だからなおさら、オーガズムが重要なものさしになる。女が達してくれさえすれば、男は良い仕事をして、成果をあげたことになる。だがそれは、しょせん男が自己満足するための基準でしかない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「こんなに失敗する人が多いのに、なぜ私たちは懲りることなく結婚するのだろう? ひとりで生きていくもよし、家族や友人と同居するもよし、恋人といっしょに暮らしてもよいはずなのに。その疑問の答えは二つある。ひとつは、満ちたりた結婚生活を続けることが、健康で幸福な子どもを育てるいちばん確実な方法だから。そしてもうひとつは、結婚がもたらしてくれる癒しの効果だ。目が回るスピードで進む日常生活のなかで、結婚生活は嵐のなかの避難港のような役割を果たしてくれる。結婚生活が営まれるところは「家」であり「家庭」でもある。そこはストレスから逃れて休息を取り、英気を養える場所なのだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男はテストステロンのせいで冷静さを失っているし、ムスコもしょっちゅう元気になるしで、まともな思考ができない。あれが愛だったとわかるのは何年もたって、もう関係が終わってからということも珍しくないのだ。女のほうは愛がなくなるとすぐわかる。だから男女が別れるときは、女が男を捨てるパターンが多い。 たいていの男は女と深く関わることを極度に恐れる。「愛してる」などと口走ろうものなら、一生束縛されることまちがいなしで、スーパーモデルとジャクージを楽しむ夢が消えてしまう。しかしひとたび一線を越えたら、いつでもどこでも、誰にでも「愛してる」を連発する。彼の口から「愛してる」と言われると、女はオーガズムに達しやすくなることに、男は気づいていない。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「幸せな結婚生活を送っている女はまず浮気をしないが、男のほうはふらふらとよそ見ばかりする。情事をはじめるのは男だが、終わらせるのは女だ。浮気相手との関係は永遠に続くものではなく、しょせんは肉体的な快楽が目的だとわかると、女は「いち抜けた」と切りすてる。いっぽう男の脳はもともと区分けがはっきりしているので、愛とセックスを切りはなすことも簡単だし、なにしろ一度にひとつのことしかできない。快楽一辺倒の関係でも、とりあえずは大満足なのだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男が好むのは、お尻が大きく、ウエストが細く、脚がすらりとして、胸が豊かにふくらんでいる女だ。どれも男がいくら望んでも手に入らない特徴である。あごが細く、鼻が小さくまとまっていて、お腹の出ていない女がもてるのも、男と正反対であるがゆえだろう。 女だって自分にないものを男に求める。広い肩幅、引きしまったお尻、たくましい腕と脚、がっしりしたあご、高々とした鼻といったところだ。だがこうした好みには興味深い例外もある。アルコールをたしなまない男ほど小さい胸の女を好み、巨乳の女は鼻の小さい男が好きで、鼻の大きい男はペチャパイの女に惹かれるというのである。外交的な男は大きい胸の女が好きという調査もある。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「 私たちは、先進六カ国から集まった会議参加者のべ一万人以上を対象に、政治的な正しさを追求する風潮についてアンケートを実施した。すると男性の九八パーセント、女性の九四パーセントが、政治的な正しさは抑圧的な概念であり、言葉狩りにあっているようで自由にものが言えないと感じていた。 性別に関する政治的な正しさというのは、性差別的な態度や言葉づかい、男女の不平等をあらためて、女に等しく機会を提供するのがねらいだった。女は男に抑えつけられているというのが、その前提としてある。しかしアンケート結果からもわかるように、政治的な正しさの概念は多数の支持を受けていない。はたしてうまくいくのだろうか? 科学の答えはノーである。男と女は一〇〇万年かけていまの姿に進化してきた。「政治的に正しい」状況に見あった姿に変わるには、あと一〇〇万年かかるだろう。いま人類が抱えている最大の問題は、いくら高邁な理想や概念を掲げても、しょせん一〇〇万年先の話でしかないということだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男の子はもので遊びたがるし、女の子は人と交わるのが好きだ。男の子は何かを制御し、支配し、上に昇りつめるのが好きだし、女の子は道徳や関係性、人間のことに興味を抱く。 大企業や政界ではいまだに女性は少数派だが、それは男が排除しているからではない。女がそういうことに関心を持たないだけだ。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「男と女はもともとの作りがちがっている。この事実を認めようとせず、勝手な期待を相手に押しつけると、男女関係は暗礁にのりあげる。人間関係で降りかかるストレスのほとんどは、男と女はまったく同じで、同じような欲望や衝動を持ち、大事に思っていることも同じだというまちがった認識が原因になっている。」
—『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ著
「宗教的態度は、これを医者が考察すれば役に立つものである。神の前に跪き、かがみこみ、身体をやわらげると、体内の諸器官が解放され、生命の機能がいっそうなめらかに働くようになるからだ。「頭を下げよ。心おごれるシカンブルびと」[聖レミがカトリックに改宗したフランク王クロヴィス一世に、洗礼に際して言ったことば。シカンブルは古代ゲルマニアの民]これは怒りや慢心から癒えよと言っているのではなく、ともかく黙って、目を休ませ、柔和にふるまえといっているのである。そうすれば、性格のあらあらしさがぬぐいさられる。長期に、あるいは永久に、そうなるのではない。そんなことはわれわれの力では及ばない。そうではなくて、じきに、そしてしばしの間、ということである。おもえば宗教上のさまざまな奇跡は、奇跡でもなんでもない。」
—『幸福について(上)』アラン著