滝沢志郎のレビュー一覧
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ネタバレ時代の狭間で、自分の足で立ち始めた乙女たちの物語。そして、時代の狭間に生まれその大波に翻弄されてしまった者たちの物語。
何かあるとすぐバットを振り回す咲ちゃんが可愛かった。久蔵さんには本当に幸せになって欲しかった。つらすぎ。あと最初話のわかるやつかと思った森有礼が、国家の未来を見据える代わりに、激動の時代に翻弄される、小さき者たちへの視線に欠けていたことにガッカリだった。
個人的に会津藩には思い入れがあるのでフタ婆、藤田警部、桂あたりの葛藤に涙。
時々時系列と、あえて隠そうとする風景を描写する書き方のせいでよく分からなくなったとこもあるけど、全体的に好感触でした。 -
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つい先ごろ、『先生と僕』のところで、ミステリーは嫌い、人の死ぬのは怖くて読めない、と言った舌の根も乾かぬうちに、読んだ本書は、…ミステリーだった。
いや、時代小説だと思ったんだもん。
とは言え、わりとさわやかな読後感だった。
女子高等師範学校の生徒たちも、人力車夫の久蔵も、みな懸命に生きている感じがするからだろうか。
森有礼の存在感が大きい。
これまであまりいい印象がなかった人だった。
留学経験があって、物腰が洗練されている上に、弁舌が巧みで、伊藤博文とも渡り合い、豪胆な一面もあった。
これがこの本での有礼像だ。
有礼が明治の光の部分だとすれば、久蔵は闇の部分を体現する。
「らしゃめん」 -
Posted by ブクログ
大政奉還前年、開港地横浜の夜道で外国人居留地に住む英国商人が3人連れの武士に殺害された。犯人は闇に紛れ、ついに捕らわれることがなかった。
17年後、明治16年の初夏、銀座煉瓦街で鉄道馬車の馭者が狙撃され、「青い目の子・・・」という言葉を残して逝った。
開化日報社の敏腕記者・片桐と記者志望の幼い相棒・直が、事件の真相を探るべく動き出すとき、歴史の渦に沈んだ17年前の事件が再び世間の耳目を集めることとなる・・・
面白かった~!
人力車と馬車、長屋と煉瓦の家、着物と洋服など、この時代の混沌や、維新を経験した大人たちがそれぞれに抱えた鬱屈、そして新しい時代への期待感、そんな時代背景が軽妙なやり取りの -
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武士による商品開発物語。
これまで”無い”物を創りだすのはとても難しい。
ましてや創るのは生理用品……武士としてのプライドを乗り越え、その先には女性は穢れといった文化や宗教観が立ちはだかる。
商品開発を通して、カタブツ生真面目な武士の思考が、突出してなんか現代人ぽくなっていくのがおもしろい。
そして生理という女性の日常を、歴史という観点から垣間見て、血盆経の信仰も初めて知った。
正しく知識を得ることもだいじだし、
庶民の暮らしの歴史を知ることもおもしろいな。
読みやすくてエンターテイメント性も高いのに、
なんかいろいろ考えさせられる。
うん、すごくいい読書だったと思う。