滝沢志郎のレビュー一覧

  • 月花美人

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    発起人は商人、発案者は女医、制作者が武士という幼馴染三人で千年の禁忌に挑む。

    月経という分かりやすいワードに読み始めたけれど、その実は奈良時代以前は穢れとされていなかったモノ、つまりは女性そのものの地位向上と周知に、男の象徴でもある武士を真正面からぶつけ、取り込み、当然とされている世間と世論へ疑問を持つことを投げかけている作品。

    女の敵は女と女性読者は共感するし、そんな女性たちを知るために、男性読者にも読まれて欲しい本。

    時代小説にありがちな小難しい蘊蓄はなく、心情と会話主体で読みやすい。
    ラストどうなるのかと思ったけど、そう来たかー、そうなるよなーと納得の結末。

    血盆経や荻野吟子さんにも触れてて、ちょっとした知識も身につきました。
    面白かった!

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    2024年09月08日
  • 明治乙女物語

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    ネタバレ

    明治21年の女高師(現・お茶の水女子大学)の女学生を中心に、爆裂弾事件の真相を追うミステリー。
    ミステリーとしての出来は単純で、謎解きの楽しみはそれほどでもないが、歴史小説としては素晴らしい。
    特に情景描写が上手いのか、当時の情景が浮かんでくるような、自分が明治の街を闊歩しているような気分になった。

    また、森有礼、大山捨松をはじめ、歴史上の有名な人物も多数登場するのが楽しい。
    主人公の二人にもモデルがいるとのことで、駒井夏のモデルはラストで安井てつだと分ったが、野原咲のモデルが誰か分からず、調べたら野口幽香という人物らしい。
    野口幽香、全く知らなかった。。。

    そして何と言っても藤田五郎!
    明治で藤田で警察官といえば!
    元・新選組三番隊長、斎藤一!である。
    この人も最後まで名字しか出なかったが、登場時からもしや?と思っており、終盤で事件の黒幕と対峙するシーンで確信した。
    明治維新を生き抜いた元・新選組隊長に、そこらの旗本のボンボン崩れが敵うはずもなく……。
    晩年は、女子高等師範学校の庶務兼会計係になったきっかけが、こんなところにあったとはw

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    2024年03月07日
  • 明治乙女物語

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    ネタバレ

    時代の狭間で、自分の足で立ち始めた乙女たちの物語。そして、時代の狭間に生まれその大波に翻弄されてしまった者たちの物語。
    何かあるとすぐバットを振り回す咲ちゃんが可愛かった。久蔵さんには本当に幸せになって欲しかった。つらすぎ。あと最初話のわかるやつかと思った森有礼が、国家の未来を見据える代わりに、激動の時代に翻弄される、小さき者たちへの視線に欠けていたことにガッカリだった。

    個人的に会津藩には思い入れがあるのでフタ婆、藤田警部、桂あたりの葛藤に涙。

    時々時系列と、あえて隠そうとする風景を描写する書き方のせいでよく分からなくなったとこもあるけど、全体的に好感触でした。

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    2021年10月14日
  • 明治乙女物語

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    文明開化して間もない、明治時代の女学生達の青春とミステリー。
    横浜生まれの野原咲は、女高師の舞踏会で爆弾事件に遭遇したことに端を発し、事件に巻き込まれていくのだが……。
    ミステリとしては薄味だが、時代や世間に負けまいと踏ん張る女性達は力強い。

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    2021年08月25日
  • 明治乙女物語

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    明治という欧米化が進んでいく時代。
    鹿鳴館、舞踏会、女子教育、洋装、、、
    そんな時代を舞台にした小説でした。

    教師になることを志す女学生が、テロ事件に巻き込まれていくストーリー。
    フィクションですが、主人公の咲と夏にはモデルとなった人物がいるようです。また、伊藤博文や大山捨松など実在した人物も出てきます。

    明治時代になって暗殺された人達って実際けっこういるもんね。時代が変わるときは色んな人色んな想いがぶつかり合うんだろうね。
    そんな人の想いをテーマにした小説だなと感じました。

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    2020年08月17日
  • 明治乙女物語

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    つい先ごろ、『先生と僕』のところで、ミステリーは嫌い、人の死ぬのは怖くて読めない、と言った舌の根も乾かぬうちに、読んだ本書は、…ミステリーだった。
    いや、時代小説だと思ったんだもん。

    とは言え、わりとさわやかな読後感だった。
    女子高等師範学校の生徒たちも、人力車夫の久蔵も、みな懸命に生きている感じがするからだろうか。

    森有礼の存在感が大きい。
    これまであまりいい印象がなかった人だった。
    留学経験があって、物腰が洗練されている上に、弁舌が巧みで、伊藤博文とも渡り合い、豪胆な一面もあった。
    これがこの本での有礼像だ。

    有礼が明治の光の部分だとすれば、久蔵は闇の部分を体現する。
    「らしゃめん」といわれた女性とか、混血児に対する差別は話には聞いていたが、いままでピンとこなかった。
    が、本書の描写で、少し感覚的に分かった気がする。
    そしてそういう視線にさらされた人のつらさが、少し感じられた気がする。

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    2020年06月07日
  • 明治乙女物語

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    第24回松本清張賞を受賞した滝沢志郎が2017年に発表した作品の文庫版。欧化主義が広まった鹿鳴館時代を舞台に御茶ノ水の高等師範学校女子部に通う女学生 夏と咲の2人を中心に、明治政府を揺るがす大事件に立ち向かう青春ミステリです。事件の真相を追いかけるのも本筋ですが、もっと大きな時代の波へと立ち向かった当時の女性たちに敬意を。本作は虚構と現実が非常にうまく組み合わさり説得力があります。ところで、作者さんもモデルにしましたって明言しているので、本作を「しましまコンビ」で映像化してみて欲しい。

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    2020年03月25日
  • 明治乙女物語

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    ネタバレ

    西洋文化華やかなりし鹿鳴館時代に、女高師で起こった爆発事件をめぐるミステリー。どこまでフィクションなのか分からないけど、史実がうまく織り込まれていて面白かった。警部の人、作中でははっきり書いてなかったけど!あの人じゃんね?!

    西洋にまだ慣れない時代だから、という描写になってるけど、ニッポンジンの排他性は今も変わってねーなっていう感想…。
    鹿鳴館時代の西欧化の反動から国粋主義が起こり戦争の時代に突入していく、という歴史の流れがよくわかった。なるほどなぁ。

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    2019年07月20日
  • 明治銀座異変

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    それほど期待せずに読んだが、意外と面白かった。
    幕末の横浜、期せずして異国の商人を斬ってしまった浪人三人組。事件は未解決のまま明治16年の本編へ突入。
    鉄道馬車の馭者が何者かに撃たれ殺される事件が発生。新聞記者の片桐と情報屋見習いの直、そして後の大山捨松が事件の真相に挑む。
    分かりやすい構図かと思っていたら、終盤になるにつれミステリアスな方向へ。
    社会が激変した時代だけに登場人物たちの前身や人生ドラマも興味深く、こうした事件やドラマもたくさんあったのだろうなと思えた。
    直が健気で素直で愛らしく、幸せになって欲しいと思いながら読んだ。

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    2019年02月20日
  • 明治銀座異変

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    大政奉還前年、開港地横浜の夜道で外国人居留地に住む英国商人が3人連れの武士に殺害された。犯人は闇に紛れ、ついに捕らわれることがなかった。
    17年後、明治16年の初夏、銀座煉瓦街で鉄道馬車の馭者が狙撃され、「青い目の子・・・」という言葉を残して逝った。
    開化日報社の敏腕記者・片桐と記者志望の幼い相棒・直が、事件の真相を探るべく動き出すとき、歴史の渦に沈んだ17年前の事件が再び世間の耳目を集めることとなる・・・

    面白かった~!
    人力車と馬車、長屋と煉瓦の家、着物と洋服など、この時代の混沌や、維新を経験した大人たちがそれぞれに抱えた鬱屈、そして新しい時代への期待感、そんな時代背景が軽妙なやり取りの中にうまく盛り込まれながら、ミステリー要素も失われない。読み進めるのが楽しくて仕方がなかった。

    岩倉具視使節団として津田梅子らと共に米国留学したという実在の女性・山川捨松が片桐たちと共に真相究明に奔走するという、フィクションとノンフィクションが入り混じった設定もなかなか面白い。

    会津藩士としてつらい過去を抱えながらも相棒の直に優しい目を向ける片桐、家庭の貧困から小学校にも行けず記者見習いとして働く直、日本語より英語が得意で変な日本語を話す捨松、イケメン人力車夫・久蔵、アウトロー的な警部補・藤原・・・登場人物が皆魅力的なのもいい。

    狙撃事件の真相が少しづつ明らかになるにつれて、17年前の事件の影が濃くなっていく。
    軽妙なタッチで描きながらも、時代を背景にした重い内容も盛り込まれ、終章での片桐の戊辰戦争への慟哭は胸を衝く。

    個人的にこの時代背景が好きということを差し引いても、全体としてとてもバランスのいい作品でした。

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    2018年11月11日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    専門家の言葉を、一般の人に「わかりやすく、正確に」伝える事
    そのための技術を身につけた「職人」がテクニカルライター

    それを具体的にわかりやすく、興味深く小説にしてくれました

    例えば、「救命の連鎖」の章では、
    AED(自動体外式除細動器)の救命マニュアルを作る依頼の話でした
    名前くらいしか知らなかった、AEDの正しい知識を
    小説だからこそ、よく理解できました

    作者は、テクニカルライターの仕事をしていたのだそうです!

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    2026年09月23日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    ビジネス書かな?と思って手に取った。読んでみると、とても読みやすくお仕事小説として面白かった。テクニカルライターという職業はこの本を読むまでは知らなかった。社会人になると、メールや文書作成をする機会があるので役に立つと思う。どの職業でも、相手のことを考えて仕事をするのは同じだと思った。

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    2026年09月22日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    テクニカルライターという仕事のお話。この本を読むまでこんな仕事があるの知らなかった!マニュアル作成や分かりやすい文にするという仕事でもあって、本の中にもマニュアルが書かれている箇所があり、興味深く読めた。少し手を加えるだけで、文章ってこんなに読みやすくなるんだなと思った。

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    2026年09月20日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    テクニカルライターなる職業について描かれている本書。

    文章表現の勉強になった◎。

    ライトノベル風でキャラ設定が魅力的。

    新入社員の主人公が憧れの先輩と協力して、テクニカルライターとして才能を発揮していく。

    シリーズ化や映画化もありかも? 中学校の国語の授業で使ったら斬新?

    本作だけでは、物足りなく感じたので☆3

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    2026年09月19日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    書店で見かけた際、ラノベ仕立てのロジカルライティングの本という印象があった。
    本書を読み始め、テクニカルライティングという仕事を知った。
    読み手の関心に依らず、商品またはサービスの説明をする文書の専門家がいることにまず驚いた。
    仕事で当然求められる程度の読み手を意識した文章を書くこと自体が仕事となる点について。
    社会人歴を積み重ねた自身の理解は最低限の義務ではなく、むしろ付加価値のだという切り口にも驚きがある。
    伏線回収はまだまだあるので、売れ行き次第ではメディアミックスやシリーズ化に対する野心があるであろうストーリー仕立ての実用書。

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    2026年09月17日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    たくさん本を読んでいるとストーリーが際立っておもしろい小説もあれば、表現に磨きがかかっている小説もあり、ホントに様々だなと思う。
    この本はストーリーや表現と言うよりも、実務を学ばさせてくれる小説だった。今までなんとなく見てきたマニュアルだけど、こんなに奥が深かったのか、と目からウロコ。知らない世界の存在があるという、知的好奇心への刺激剤に溢れていた。
    知的好奇心を起点とした【興味】がページをめくる主動力になっていたのだけど、それだけではなく、魅力的な登場人物のキャラクターがこの本を実用書ではなく小説として成立させていたと思う。楽しく読めた本でした。

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    2026年09月10日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    取説を作る仕事のお話。最近取説を見て何かを触ることってめっきり減ってしまった気がするが、こんな取説だったら読んでしまうかもと思えた。最近は製品の差別化としてナラティブを付加価値とする商品があるが、取説も付加価値になるのかなと思いながら読んだ。テクニカルライターがAIとどう共存するのか、という余計な興味まで湧いてしまった。

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    2026年09月10日
  • 咲良は上手に説明したい!

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    パラ見で読めないかなと思ったけど、タイトルに共感して、結果一気読み 読まない目線、伝えたい目線、とても良かった

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    2026年09月09日
  • 月花美人

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    男性に月経の実情を伝えるのに最適の書籍。
    しかも、かなりの剣豪である武士の目線のお話なので、物語に沿って、少しずつ、共感しながら自然と理解できると思う。
    いち女性であれば体感したり耳に入ってきたりして当たり前の話だが、全く知らない方には、ここまで言語化しないとわからないという、これもまた当たり前の事実に改めて目が開かれた思いがした。
    一冊使わないと理解できないくらい、男性にとっては不可解なものかもしれない。
    お話としてもきちんと面白かったし、読後感もよかった。
    全く理解できなかった武士の体面とやらについて肌感覚で伝えてもらえたのも、私にとっては収穫でした。

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    2026年05月17日
  • 月花美人

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    武士による商品開発物語。
    これまで”無い”物を創りだすのはとても難しい。
    ましてや創るのは生理用品……武士としてのプライドを乗り越え、その先には女性は穢れといった文化や宗教観が立ちはだかる。

    商品開発を通して、カタブツ生真面目な武士の思考が、突出してなんか現代人ぽくなっていくのがおもしろい。

    そして生理という女性の日常を、歴史という観点から垣間見て、血盆経の信仰も初めて知った。
    正しく知識を得ることもだいじだし、
    庶民の暮らしの歴史を知ることもおもしろいな。

    読みやすくてエンターテイメント性も高いのに、
    なんかいろいろ考えさせられる。
    うん、すごくいい読書だったと思う。

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    2025年11月15日