あらすじ
今一番、熱いお仕事小説誕生! 台風で各路線が運休し、混乱する横浜駅。乗客対応に追われるアルバイト駅員の石川咲良の前に一人の女性――浅倉響が現れる。浅倉の端的でわかりやすい説明によって、乗客たちが納得していく姿に衝撃を受けた咲良は、浅倉と同じ「テクニカルライター(電化製品・精密機器などの取扱説明書を作成する職業)」になるべく、彼女が働く老舗マニュアル制作会社FTCに入社し……。
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Posted by ブクログ
■伝えることの難しさと面白さを、物語を通して学べる一冊
テクニカルライターのお仕事小説です。
私自身、物事を説明したり、使い方を伝えたりすることを仕事にしてきたので、読みながら「ああ、こういうことってよくあるな」と思う場面がたくさんありました。
テクニカルライターという職業は、あまり一般には知られていないかもしれません。しかし、何かをわかりやすく説明する、必要な情報を相手にきちんと伝えるという点では、まさにプロの仕事です。
本書では、文章を短くする、一文一義を意識する、要点を箇条書きにするといった基本的なテクニックが、物語の中で自然に紹介されています。単に知識として説明されるのではなく、具体的な仕事の場面を通して描かれるので、すっと頭に入ってきます。テクニカルライティングを学びたい人にとっても、実践的な入門書になるのではないでしょうか。
特に印象に残ったのは、マニュアルは単に機械の機能や操作方法を説明するものではない、という考え方です。
大切なのは、使う人がどんな場面で、何をしようとしているのかを想像すること。メーカーが伝えたい機能を並べるのではなく、ユーザーの行動に沿って情報を組み立てる。例えば、ストッパーの説明を「ストッパーの使い方」ではなく、「ハンドルから手を離すとき」という見出しにする。なるほど、と思いました。
これはマニュアルに限った話ではありません。相手が何を知りたいのか、何に困っているのかを考えて伝えることは、あらゆる仕事に通じるものだと思います。
また、マニュアルは商品の一部であり、その不備は商品の不備にもつながる、という指摘も印象的でした。事故を防ぐために何を書くべきか、どこまで注意を促すべきか。書き手の都合ではなく、実際に使う人の立場から考えなければなりません。使う人に何かあってはいけないという視点が、プロの仕事を支えているのだと感じました。
文章を書く技術だけでなく、相手の立場に立って考えること、情報を整理すること、そして何を伝えるべきかを見極めること。本書には、そうした仕事の基本が詰まっています。
小説としても読みやすく、読後感もすっきりしています。テクニカルライティングに興味がある方はもちろん、仕事で人に何かを説明したり、文章を書いたりする機会のある方にもおすすめしたい一冊です。
「伝える」という仕事を、改めて考えさせてくれる小説でした。
Posted by ブクログ
読む気にもならない分厚い取説を横に、自分で試行錯誤して失敗した経験ってありませんか?
この物語は、24歳のアルバイト、咲良のテクニカルライターとしての成長物語です。
テクニカルライターって何だろうと思ったそこのあなた、取扱説明書などを正確に分かりやすく作成する専門職で、いわば家具、家電のユーザーのための翻訳家さんみたいなものらしいです。私もそんな職がある事、知りませんでした。
ある時、台風で運休して混雑する駅で乗客対応に追われパニック寸前の咲良は、颯爽と現れた1人の女性の行動に驚く。その女性は、運休状況が記載されたホワイトボードを消し、端的で分かりやすい説明に書き換え、混雑していた乗客が一斉に納得して解散していく様を咲良は目の当たりにする。それが咲良と後にテクニカルライターの師匠となる響との出会いだった。
取説というニッチな世界で、いかに重要な事を分かりやすくさせるか、余分な所を思い切ってカットするといった様々な工夫があって奥深いし、皆で知恵を出しながら良い取説を作っていくプロセスはとても面白かった。また、他社競合といった、テクニカルライター同士のバトル要素もあり、飽きる事なく一気に完走。
登場人物の個性の強さ、軽快な会話の読みやすさ、咲良の心の声が好き過ぎる。また、ビジネス書としても優秀で、多くのブク友さんが高評価されているのも納得。
個人的には、原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」に近しさを感じたので、お日柄がお好きなかたには刺さるかと思います。
短歌ツイートやレジェンド段原さんの伏線も気になるので、続編にも期待!
Posted by ブクログ
テクニカルライターという職業と仕事を初めて知り、
新しい世界が拓けたようなワクワク感!これぞお仕事小説の醍醐味~♪
取扱説明書…誰にとっても身近な冊子製作の裏側に、テクニカルライターのプロとしての視点がたくさん詰め込まれているなんて考えもしなかった。
一番伝えなきゃいけないことはなに?
どう書いたらちゃんと伝わるか?
どうしたら読んでもらえるか?
そして、
たくさん収集した情報を整理して、
最終的には発想を転換させる…。
どんな職業のどんな仕事にも通じるようなヒントもあって、読んでいて気持ちがよい。
それに、
それぞれヒトクセある登場人物像も魅力的で、会話のテンポもこきみよい。
これはぜひ続編が読みたい!
あー楽しかった!
Posted by ブクログ
専門的になりがちな説明を、分かりやすく、正確に伝えるための仕事「テクニカルライター」。
こんな仕事があるんだねぇ、面白い!
主人公は最初から割と飲み込みが早く、周囲もライバル(?)含めて個性的で良い人ばかり。変な修行パートとか人間関係のいざこざが無くて、ストレスフリーで楽しく読める。
登場人物のやりとり、地の文ともにテンポが良い。シリーズものになるのかな?次が出たら絶対読みます。
Posted by ブクログ
「テクニカルライター」という、これまであまり意識したことのなかった仕事の奥深さが、とても面白く描かれていた。
単に正しい文章を書くのではなく、「誰に、何を、どう伝えるか」まで考えることが説明なのだと気づかされる。
ごく身近な案内やマニュアルが題材になっているからこそ、その奥にある工夫や思いやりが実感できた。
知識が増えるだけでなく、咲良が悩みながら成長していく姿にも心を動かされる。
キャラクター同士の関係性も魅力的で、仕事小説として楽しみながら自然と学べる一冊。
あまりに刺さる場面が多く、何度か泣くのを堪えながら読んだ。
読後には、普段何気なく目にしている「説明」の見え方まで変わった。
Posted by ブクログ
自分の言いたいことがたくさんある時、あれもこれも詰め込んで話しても全然伝わらないんだなというのがわかった。
ビジネス本みたいだなと思いながら読んだ。
会社の雰囲気がすごい良くて、やはりいい会社はいい仕事するよなぁなんて思った。
知識がなくても、無いなりにできることがあるというのはすごいいいことだなと思うし、自分も今の仕事で「わかってて当たり前」のような先入観で、言い方をもう少し掘り下げてあげた方がいいなと思った。
個人的には昭和の仲直りの仕方の描写がツボだった。
表紙のぬいぐるみが意味のあるものだと思わなかったので、わりと登場してて思わず笑った。
おそらく続くんだと思うので、追っていきたい。
Posted by ブクログ
とても面白かったです。
テクニカルライターとは、読み手にとって分かりやすい文章とはが詰まっている作品です。口頭やチャットで説明することがとても苦手なのでこの本で学べたことを活かしていきたいと思います。
Posted by ブクログ
小説を通して、テクニカルライティングの基礎が学べるのがとても良い。テーマは、ゴミの分別からAED、ベビーカー、ドローンまで多岐にわたるけれど、それらを使う人やマニュアルを読む人にもそれぞれの背景がある。そうした事情まで汲み取って言葉を紡ぐテクニカルライティングは、本当に大変なお仕事だなと感心させられる。登場人物もみんなキャラが立っていて良い人ばかり。ぜひ続編やアニメ化も期待したいところ。
Posted by ブクログ
すごく面白い!テクニカルライターという仕事を始め知った。読み手に理解させるためには、時には非情になって直接的な表現をしなくてはいけない。でも情に訴えてストーリーを語る方法もある。仕事に役立つ小説なんてかなりレア!
Posted by ブクログ
テクニカルライターという職業自体知らなかった。ひょんなことからテクニカルライターの道に導かれた咲良。世の中に溢れるマニュアルや、お知らせの掲示紙に、こんなに情熱と工夫が込められているなんて!咲良の成長を見守る面々もあたたかくて面白くて好き!そして、小説でありながら、世の中の知らないことを読者にいろいろと教えてもらえた。読んでいる間、泣いたり、笑ったり、アイデアや知識に唸らされたり、いろいろな感情になった時間だった!続きがあれば絶対に読みたい!
Posted by ブクログ
テクニカルライターという職業ははじめて知ったが、分かりやすい文章や資料を書くというのは仕事とも絡んでいるので面白かった。自分ならこのマニュアルのどこをどう直すかという目線で考えながら読んでしまった。
それを抜きにしても、魅力的なキャラクターで没頭して読んだ。
個人的にはミヤが一番好きだった。
ちょっとだけ登場したふなきちとの話など、続きが読みたい作品だった。
Posted by ブクログ
トリセツ等の作成を専門とする職業がある、と聞いたことがあったが、それがテクニカルライターという名称であることは知らなかった。
本書は、その世界に未経験で、しかも、衝動的に飛び込む若き女性ライター、咲良の奮闘を描いた物語。
軽めな読み応えで、気疲れせず読めるのが良い。
キャラクター達の会話が明るく和やかで楽しかった。
穏やかで和やかな、お仕事系の本を読みたい人には丁度いい内容ではないかと思う。
トリセツやマニュアルの作成にあたり、咲良が一生懸命考え、そのアイデアが認められて信頼されていく過程は、爽快感と安心感が溶け合ったような気持ちになった。後輩の成長を見守るときの気持ちに似た感覚だ。
読み始めた頃は、新人が次々と成功していく展開に、少々都合良さを感じていたが、必要以上に人の顔色を窺いがちで慎重な咲良だからこそ気づくことがあるのだろう、と読み進めるうちに考えるようになったことで、途中から気にならなくなった。
私自身、文書やらパンフレットやらを仕事で作ることがあるので、共感や感心が止まらず、赤べこのように頷きながら読んでいた。周囲の人からは大層怪しく思われたことだろう。
自分なら他人に理解してもらうためにどう工夫するか。
そんなことを考えながら読むのもまた楽しい。
様々な視点を意識して考えることの大切さを、改めて確認できる内容だった。
Posted by ブクログ
マニュアルを作る会社があるなんて知らなかった。というよりも、考えたことがなかった。普通にその製品を作った会社が作っているものかと思っていたし、コンペもあるなんて。
作中ではシェアオフィスのゴミの張り紙、AED、ベビーカー、トイドローンの説明書を作成していく。図を見てみると、確かに改訂前より改訂後の方が圧倒的に読みやすい。デザイナー目線で見ると当たり前のように見えることもあるけれど。
さくらはすぐ泣くし、うじうじしているやつだと思っていたけれど、作中を通して成長していくのが気持ちいい。意外にコミュ力も高い。会社のメンバーもいい人ばかりだし、ライバルになりそうな子はほとんど出てこなかったので、続きを意識してるのかな?次回作があったら読んでみたい。
Posted by ブクログ
お仕事小説とテクニカルライティングの実用書が合体したような珍しい本。主人公の目線になって、工夫するだけで驚くほど読みやすい説明書ができるという体験ができる。ライバルやバディといった熱い人間関係も良い。
Posted by ブクログ
爽やかで読みやすいお仕事小説。テクニカルライターは誰にとっても身近な職業だから万人受けしそう。登場人物のキャラ付けが漫画チックで展開もうまくいきすぎだけどドラマ化はできそう。
Posted by ブクログ
これは、確実にドラマ化される予感!
「テクニカルライター」というお仕事を初めて知りました。取扱説明書を作るお仕事です。
確かに、分かりにくい文章というのは日々目にします。私が特に分かりにくいと思っているのは回覧板で回ってくる町会長の文章(^_^;)最近、町会長が替わったのですが、やる気満々のようで色々な改革をしてくれるのです。それはありがたいのだけど、文章が長くて途中で飽きてきてしまい最後まで読んだためしがない(´Д`)
人に読んでもえる文章、要点を押さえた文章ってこういうことなんだなと、とても勉強になる1冊でした。
そして、お仕事小説って好きだな。お仕事ドラマも面白いよな。
本書も爽やかなお仕事小説で、主人公咲良の成長も良かったし、小さい子どもを育てながらの仕事の大変さや、ライバルに仕事を取られた時の悔しさなど、様々な要素が盛り込まれていて読み応えたっぷりでした。
夢中になれる仕事に巡り合えた咲良は幸せです。
…あ、あと、職場のあの人のメールも要点が掴みづらいよなぁと思った1冊(^_^;)
Posted by ブクログ
序章を読んで、毎日モヤモヤしている貼り紙を愚痴りたくなった。
うちの職場のエアコンの貼り紙。
「26度以下に下げないこと!」
本部の社員が貼っていったもの。どうしてそうなる!?しかもラミネートされている。
これを見た従業員の対応は3種類。
27度にする人。
26度にする人。
貼り紙は無視で25度にする人。
Geminiとgrokに何度がokなのか聞いてみたら、2人とも26度はokと言う。「26度以下」 に26度も含まれるから駄目では、と追及すると、2人とも間違っていたと訂正してくる。27度が最低温度ですと。AIにも難しい文章!
こういう貼り紙は、するなじゃなくてしろって言ってほしい。
「27度以上にすること!」
ただし、して欲しかった温度が27度かは不明。26度の可能性もあるよね…
モヤ〜〜
さて、本の内容について。
私は隅々まで説明書を読む方なのだが、年々理解力の衰えを感じている。説明書が分かりやすくなるとありがたい。テクニカルライターさんこれからもよろしくお願いします。AIに奪われる仕事かもしれない。けど。誰かに分かってもらいたい、伝えたい、説明したい、は、人間ずっと思うことじゃないかな。
星3だな〜って読んでいたけど、第四話で星4になった。ドローンのお話。王道が好き。
「人に伝える」とは…
相手に説明して理解してもうための工夫が、わかりやすく書かれている。説明時や文章作成時には「やさしい日本語」を使用するなど日々工夫しているが、まだまだ工夫が足りないと考えさせられる作品。
Posted by ブクログ
専門家の言葉を、一般の人に「わかりやすく、正確に」伝える事
そのための技術を身につけた「職人」がテクニカルライター
それを具体的にわかりやすく、興味深く小説にしてくれました
例えば、「救命の連鎖」の章では、
AED(自動体外式除細動器)の救命マニュアルを作る依頼の話でした
名前くらいしか知らなかった、AEDの正しい知識を
小説だからこそ、よく理解できました
作者は、テクニカルライターの仕事をしていたのだそうです!
Posted by ブクログ
ビジネス書かな?と思って手に取った。読んでみると、とても読みやすくお仕事小説として面白かった。テクニカルライターという職業はこの本を読むまでは知らなかった。社会人になると、メールや文書作成をする機会があるので役に立つと思う。どの職業でも、相手のことを考えて仕事をするのは同じだと思った。
Posted by ブクログ
テクニカルライターという仕事のお話。この本を読むまでこんな仕事があるの知らなかった!マニュアル作成や分かりやすい文にするという仕事でもあって、本の中にもマニュアルが書かれている箇所があり、興味深く読めた。少し手を加えるだけで、文章ってこんなに読みやすくなるんだなと思った。
Posted by ブクログ
テクニカルライターなる職業について描かれている本書。
文章表現の勉強になった◎。
ライトノベル風でキャラ設定が魅力的。
新入社員の主人公が憧れの先輩と協力して、テクニカルライターとして才能を発揮していく。
シリーズ化や映画化もありかも? 中学校の国語の授業で使ったら斬新?
本作だけでは、物足りなく感じたので☆3
Posted by ブクログ
書店で見かけた際、ラノベ仕立てのロジカルライティングの本という印象があった。
本書を読み始め、テクニカルライティングという仕事を知った。
読み手の関心に依らず、商品またはサービスの説明をする文書の専門家がいることにまず驚いた。
仕事で当然求められる程度の読み手を意識した文章を書くこと自体が仕事となる点について。
社会人歴を積み重ねた自身の理解は最低限の義務ではなく、むしろ付加価値のだという切り口にも驚きがある。
伏線回収はまだまだあるので、売れ行き次第ではメディアミックスやシリーズ化に対する野心があるであろうストーリー仕立ての実用書。
Posted by ブクログ
たくさん本を読んでいるとストーリーが際立っておもしろい小説もあれば、表現に磨きがかかっている小説もあり、ホントに様々だなと思う。
この本はストーリーや表現と言うよりも、実務を学ばさせてくれる小説だった。今までなんとなく見てきたマニュアルだけど、こんなに奥が深かったのか、と目からウロコ。知らない世界の存在があるという、知的好奇心への刺激剤に溢れていた。
知的好奇心を起点とした【興味】がページをめくる主動力になっていたのだけど、それだけではなく、魅力的な登場人物のキャラクターがこの本を実用書ではなく小説として成立させていたと思う。楽しく読めた本でした。
Posted by ブクログ
取説を作る仕事のお話。最近取説を見て何かを触ることってめっきり減ってしまった気がするが、こんな取説だったら読んでしまうかもと思えた。最近は製品の差別化としてナラティブを付加価値とする商品があるが、取説も付加価値になるのかなと思いながら読んだ。テクニカルライターがAIとどう共存するのか、という余計な興味まで湧いてしまった。