滝沢志郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大政奉還前年、開港地横浜の夜道で外国人居留地に住む英国商人が3人連れの武士に殺害された。犯人は闇に紛れ、ついに捕らわれることがなかった。
17年後、明治16年の初夏、銀座煉瓦街で鉄道馬車の馭者が狙撃され、「青い目の子・・・」という言葉を残して逝った。
開化日報社の敏腕記者・片桐と記者志望の幼い相棒・直が、事件の真相を探るべく動き出すとき、歴史の渦に沈んだ17年前の事件が再び世間の耳目を集めることとなる・・・
面白かった~!
人力車と馬車、長屋と煉瓦の家、着物と洋服など、この時代の混沌や、維新を経験した大人たちがそれぞれに抱えた鬱屈、そして新しい時代への期待感、そんな時代背景が軽妙なやり取りの -
Posted by ブクログ
武士による商品開発物語。
これまで”無い”物を創りだすのはとても難しい。
ましてや創るのは生理用品……武士としてのプライドを乗り越え、その先には女性は穢れといった文化や宗教観が立ちはだかる。
商品開発を通して、カタブツ生真面目な武士の思考が、突出してなんか現代人ぽくなっていくのがおもしろい。
そして生理という女性の日常を、歴史という観点から垣間見て、血盆経の信仰も初めて知った。
正しく知識を得ることもだいじだし、
庶民の暮らしの歴史を知ることもおもしろいな。
読みやすくてエンターテイメント性も高いのに、
なんかいろいろ考えさせられる。
うん、すごくいい読書だったと思う。