ホルヘ・ルイス・ボルヘスのレビュー一覧

  • 幻獣辞典

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    河出文庫とヒグチユウコさんがコラボされていて、
    ヒグチユウコさん直々に選定されたベストオブベストの中からこちらを読んでみました。
    幻獣である「ユニコ―ン」や「ゴーレム」、「スフィンクス」などの概要が載っていてすごく面白いです。

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    2025年10月30日
  • シェイクスピアの記憶

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    ネタバレ

    「一九八三年八月二十五日」
    唐突に読み終わって、あまりに痺れた。
    自分で自分に対面し、未来を知り、今が終わり、唐突に次が開く?!。なんという物語だ。

    「青い虎」
    うわぁ!!!!ハッピーエンドじゃない。ハッピーそうで、この世の条理を背負う不条理がある。

    「パラケルススの薔薇」
    科学の失礼さ。物語の必定さ。楽しさ。
    なんかこういうの読むとすごすぎてため息が出るわ。

    「シェイクスピアの記憶」
    そこまでして求めたものをそんな風に投げやりに明け渡してしまうのか。

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    2025年07月02日
  • 幻獣辞典

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    空想上の生き物が好きな変人にはもってこいの本。しかもボルヘスの選んだとっておきの幻獣、とくれば面白くないわけがない。
    変な言い方だけど幻獣選びにもセンスを感じる笑
    中国はもちろん、日本の言い伝えや文献からも何種類か、日本産幻獣が出てきて嬉しい!ヤマタノオロチ、数多ある世界の幻獣たちにも負けてへんくらい、強そうやし、日本ていう国を文字通り背中に背負ってるやん。
    それにしてもずっと子供の頃から私、思ってましたけども。ギリシャ神話ってなんでこんな罪深い肉欲話が好きなの笑 この教訓からいろいろ歪んだ宗教観が産まれたり、人間への変な戒めとかの元になってんちゃうん?と思った笑

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    2025年06月21日
  • 幻獣辞典

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    人間の想像力ってすげー!
    古今東西のめくるめく幻想の世界へどっぷりと浸れる沼のような一冊、《1957年版序》に曰く「神話伝説の動物園」(p14)。捲るたびに次から次へと『幻獣』、得体の知れない生物や霊的なものの類が飛び出してくるので、読者の我々は絶えず脳を回転させてその姿や挙動をつかみ取り続けないとあっという間に沈没してしまいます。

    創作に携わる方にとっても一読の価値はあるんじゃないでしょうか。

    120項目を収録。
    以下、気になったものを。

    《スクォンク(溶ける涙体)》…挿絵がせつなくてかわいい。ペンシルヴァニア州の栂の森にいるらしい。「スクォンクは非常に引込みがちな性質があって、ふつう

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    2025年05月17日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    ・もやもやして不安になる、よくわからない物語の詰め合わせ。
    ・短い物語に唐突なオチがつくので何度も置いてきぼり感を味わう。一気に読むと頭変になりそう。
    ・難解だけど訳が平易なので読みやすい。
    ・はじめの「諸言」と最後の「訳者あとがき」と「解説」のすべてが素敵。この3つを含めて本として完成されてる。
    ・なんの学びにもならないし、共感もできないし、考察しても意味を理解できない物語だらけ。読みながら「なんだこれ...」って呆気にとられるだけの読書時間、最高に贅沢。

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    2023年01月09日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    「汽車」という4ページの作品がある。「死者の百科事典」を読んだ時と同じものを感じた。完璧だと思う。でも、サンチャゴダボベとは誰だろう。それから、須賀敦子の本棚というチラシが入っていた。読みたいけれど、高くて買えない。

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    2018年06月22日
  • 幻獣辞典

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    ネタバレ

    辞典というよりエッセイの趣が強い。メジャーどころの『幻獣』はもちろん、そもそも名前がないようなのも沢山紹介されていて楽しくはあるけれど、如何せん情報が多くて脳みそが置いてけぼりになりがちだった。
    何種類か出てきたカフカの想像上の生き物がどれも悲哀と滑稽と愛らしさが同居していて好き。

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    2025年02月10日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    「夢十夜」みたいな本がもっと読みたいと思ってたどり着いた本。
    伝奇集はかなり難解だったけどこっちは夢十夜のテンションで読める。
    ピリッとしていて短いのが良い。

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    2024年08月23日
  • シェイクスピアの記憶

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    ネタバレ

    160ページくらいの薄い本で、しかも3分の1は解説。
    宮崎駿「君たちはどう生きるか」の感想で、セルフオマージュみたいでマンネリ、というものがあったが、
    いやむしろ追い続けたモチーフがまたも登場することに業を見出して嬉しくなってしまった者としては、
    最後の短篇集にまで「いつものあれら」が出てくるのは嬉しい限り。

    一九八三年八月二十五日
    青い虎
    パラケルススの薔薇
    シェイクスピアの記憶

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    2024年06月03日
  • 幻獣辞典

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    本書の初邦訳は1974年。さる新聞のコラムで存在を知って購入。
    日本を含む世界の空想上の動物たちが有名どころ(ガルーダ、バハムート等)から良く分からないもの(ある雑種、球体の動物等)まで幅広く紹介されている。絵はあまりなく、自分で想像を膨らませることが好きな方向け。
    読むというより、永く本棚において時々ページを繰る、という楽しみをするのが良いと思う。

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    2022年06月07日
  • 幻獣辞典

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    神話から小説まで、世界中の幻獣たちを120項目取上げて一冊にまとめた有名な辞典。一気に読むというよりも、時々開いてぱらぱら読むのがちょうど良い。例えばトロールが時代と共に、また地域によってどう変わったかといった例を語り、イプセンが「ペールギュント」で描いた愛国主義者のトロールは都合の悪いものを見せないためにペールの目をくり抜こうとするといった話も付け加わる。ボルヘスの仕事ぶりには恐れ入る

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    2022年04月20日
  • 幻獣辞典

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    小説家、詩人であるボルヘスが、様々な本を渉猟して集めた想像上の生き物をまとめた本。現在ではゲーム、特にファンタジー関連で登場するモンスターなどが、そもそもどのような歴史と原形を持っていたのか、知ることができる。自分の知識に深みを持たせたいなら。

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    2020年05月12日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    「したがって本書は、ボルヘスのすべての作品と同じく、あらゆる意味において《cryptic》である。すなわち、そっけなくて、ぶっきらぼうでさえあり、それでいて簡潔で、むろん謎を秘めている。そのような話や断片は奇妙にわれわれの知的興奮をかきたてる。」(役者あとがき)

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    2020年03月22日
  • 夢の本

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    読書家のボルヘスおじさんが古今東西の夢にまつわる話を集めたアンソロジー。
    最初は聖書からの引用と古代ギリシャローマが続き、単調ですこし辛かったが、途中の『病める騎士の最後の訪問』あたりからぐっとバリエーション豊かになる。合間に挟まる程度の分量だと聖書の引用もくどくない。
    ゆっくりとかみ砕き文そのものを愉しみつつ、前の話・次の話とのコントラスト、「ここにそれを挟むか~」という選集だからこその楽しさも。
    枕元に置いておき、子どもが寝物語をせがむように少しずつ読みたい。

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    2020年02月16日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    甘く見ていた。すぐ読み終わるかと思いきや。
    ひとつひとつが短いのに、理解するのに立ち止まったりして、想像したよりも読み終わるのに時間がかかった。
    中国の話が好みのものが多かった。
    短いのに。短いからこそあれこれ考えながら読んでしまう本。

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    2020年02月15日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    「汽車」というストーリーがとても面白い。

    ボルヘスを読むと眠れなくなるというけど、わたしは眠りに落ちやすくなる。解かれるひつようのない神秘にそのまま身を任せて、気持ち良くなって。夢を見れる。

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    2019年09月18日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    20世紀ラテンアメリカの作家ボルヘス(1899-1986)が編んだ、古今東西の書物から引かれた幻想的な掌編のアンソロジー。

    「文学が与える数多い楽しみのひとつは、物語の楽しみである。・・・。物語の精髄は本書の小品のうちにある、とわれわれは自負する」



    解説によると、ボルヘスの編むアンソロジーに収められた小品の中には、その典拠の存在が確認できないものもあり、実はボルヘスが創作したものを紛れ込ませている可能性があるらしい。何とも愉快なことだと思う。別の作品の中でこんなことを言っている。

    「書物に署名するのはおかしなこと。剽窃の観念は存在しない。すなわち、あらゆる作品が非時間で無名の唯一の

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    2019年06月16日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    ボルヘスが世界中から集めた92の掌編・短編が収録されている。怪奇というより幻想小説っぽいのが多いが、どれもとても面白い。とくに「汽車」か物語としても構成・文体としてもすごくよかった。
    ちなみに、各話に典拠となる書名とその作者が明記されているが、それらがすべて本当かどうかは疑わしいらしい。どんなに調べても書名や作者名がここ以外で見つからないものがるそうで、もしかしたらボルヘス自身が書いたオリジナルかもしれないと。世界中から掌編・短編をあつめた、というそのこと自体がフィクションかもしれないわけで、いかにもボルヘスらしい感じがする。

    なお、北村薫の短編「水に眠る」の元ネタと思しき短編をこの本で見つ

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    2018年10月06日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    こんな話あったけ?とか、で、その続きは??ってなってしまうような逸話やらを並べられてしまった。。。
    『古今東西の書物から選びぬいた…』とかあれば、元書が気になるし、自分の記憶も気になったりするが、最後に解説を読んで…Σ(゚д゚lll)ガーン

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    2018年07月23日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    ボルヘスとヒゴオイ=カサーレスの二人が、古今東西の書物から短い物語(やその一部)を抜き出したアンソロジー。必ずしも怪奇という感じではないが、広い意味での幻想文学集になっている。古典も多いため、文体の関係で、短いくせに読み肉いものもあるが、全体としてはなかなか面白かった。それ自体を完成された文学として味わうというより、現代の様々な物語の原型を楽しむべき作品。

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    2018年07月12日