ホルヘ・ルイス・ボルヘスのレビュー一覧

  • 幻獣辞典

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    「ちんばのウーフニック」が「足萎えのウーフニック」になってゐる他は、別に前の奴と一応同じ。スズキコージ大先生のチェシャ猫とか商羊、アルゼンチンの怪物はなんか来るのでそれもよかったのだが、スクォンクの絵他、増補改訂版な図像が入ってるので買ってしまった。
     フランツ・カフカの書く生き物が結構あるのがなんか気になる。

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    2018年03月26日
  • 幻獣辞典

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    ネタバレ

    ボルヘスが古今東西の、架空の生物に関する話をまとめた本。
    とぼけた・・・というのとも少し違うか、解説で再現もされている独特の筆致が小気味いい。
    もちろん書かれている幻獣たちも興味深いけど。ありライオンとか。こういうのなのかミュルメコレオン。そんで誕生の逸話も。

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    2015年07月24日
  • 夢の本

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    作品紹介・あらすじ

    神の訪れ、王の夢、
    魂と夢と現実、死の宣告・・・。
    ギルガメシュの物語、聖書、
    紅桜夢、ニーチェ、カフカなど、
    世界の夢から選ばれた
    113の断章

    *****

    ボルヘスが編集した古今東西の夢にまつわる断章を集めたアンソロジー。
    内容も形式も多様で、夢の描写から夢の分析まで網羅されている。
    聖書や神話、小説や詩、研究文献などから引用されているが、宗教関連の内容が比較的多い印象を受けた。その宗教関連の断章は言い回しが独特でなかなかスムーズに読み進めることができず、もどかしさを覚える場面もあった。
    「なるほどね」と面白味を感じることができる断章もあれば、「なんだかよくわから

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    2025年09月15日
  • 幻獣辞典

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    ・世界各国、古今東西の幻獣を紹介する無駄で豊かな事典。
    ・一編がかなり短くて、ぶつ切りで終わることが多い。謎を残して置いてきぼりにされるみたいで魅力的。
    ・日本からは地震の鯰と八岐大蛇が選ばれてる。妖怪も入れたらすごい数になりそうだ。
    ・幻獣を学ぶためというよりは、幻獣についての記述の断片を読むための本だったな。
    ・巻末の解説がボルヘス愛に満ちていてとても素敵。

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    2025年03月18日
  • ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件

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    ボルヘス好きなのだが、うーんこれは面白……みを感じづらかったな。
    というのも、パズラー式に情報の提供と解明が行われるわけでもなく、依頼人がダラダラと喋りまくり、パロディが推理、というよりは「説明」していく。
    申し訳ない、ほとんど流し読みになってしまった。
    「簡潔なご説明をお願いできますか」
    「はい、一切の隠喩を差し挟むことなく直截な表現を試みてまいりますが、私のごとき描写の才に欠けた者の見聞きしたことで本当にお眼鏡にかなうものでしょうか、ところでウェルギリウスの同伴者でもあったかの才に長けた作者の言葉を借りれば」云々、
    みたいなお喋りキーワードが時々出ていて、そこを探すのが面白かった。

    解説

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    2024年12月28日
  • ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件

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    大作家2人の共作、しかもミステリーということでワクワクしながら読んだのですが、割と難解で読むのに時間がかかってしまいました。

    身に覚えのない殺人の罪で服役中のドン・イシドロ・パロディのもとに様々な依頼人がやってきて話をし、彼が独房から出ることなく事件を解決していく連作短編集。

    とにかく相談者たちがみんな饒舌。大袈裟な話し方をしたり、見栄を張ったり、脱線しまくったりで、肝心の事件の全貌が分かりづらいのです。各短編は事件編と解決編に分かれているものの、事件を解決するのを楽しむというよりかは彼らのお喋りをどれだけ楽しめるか(耐えられるか)、みたいな感じの作品でした。

    収録されいる中では電車の話

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    2024年12月18日
  • シェイクスピアの記憶

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    静謐な短編集。
    ラテンアメリカの色やにおい、温度や湿度はほとんど感じない。
    晩年の作品であり、死への近さがそうさせるのか。

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    2024年07月01日
  • シェイクスピアの記憶

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    20世紀ラテンアメリカの作家ボルヘス(1899-1986)最晩年の短篇集、1983年。



    自己への拘泥という依存からの解放を、精神からも肉体からも解放されるということを、精神と肉体から抜け出る秘密の抜け道としての何かを、求めていた。自己がどこともなく解消されて、喪失すべきものが実ははじめから喪失してしまっていたということになれば、喪失の前提条件が予め解消されてしまっていたということになれば、そもそも迷子になる布置そのものがなくなってしまっている、ということになる。

    主/客、自/他、有/無、同一/差異、区別/混沌、、現/夢、生/死、実/虚、能動/受動、自由/運命、、始/終、先/後、因/果

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    2024年04月21日
  • シェイクスピアの記憶

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    マジック・リアリズムと呼ばれるが、ガルシア・マルケスとはまた違う。日本文学より語り切る感じだが、シンプルな中に読み手に委ねてあるところが多く面白い。

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    2024年04月14日
  • シェイクスピアの記憶

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    ボルヘスの遺作が本邦初訳なのがびっくり。良くも悪くも枯れた感じは、昔からかも知れないが、渇き具合が一段と上がっている感じはする。懇切丁寧な解説が助かる。

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    2023年12月28日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    ホルヘ・ルイヒ・ボルヘスとアドルフォ・ビオイ=ハサーレスが、古今東西の書物からが収集した幻想的な物語。

    河出文庫さんが斉藤壮馬さん(※読書家で有名な声優)とコラボフェアをやっていた際に購入した1冊。タイトルにボルヘスの名が入っていますが、ボルヘスの作品集というわけではなく、彼が様々な物語から収集した掌編・あるいは断片を収めたアンソロジーのようなものです。

    有名な作品の欠片や、古今東西の神話や故事、伝説。出典ジャンルは様々で、実はしれっとボルヘスかハサーレスの自身の創作物も混じっているそう。
    日本人的に比較的なじみ深い収録物語で言うと、例えば荘子の『胡蝶の夢』。授業などで漢文で見たことがあり

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    2023年04月11日
  • ボルヘス怪奇譚集

    購入済み

    期待しすぎ

    レビューが結構良かったので期待しすぎたみたいで、それほど面白いとか初めて気がついた、なんていう感動はありませんでした。短いお話なのに、主語が誰かわからないような訳で残念でした。

    #シュール

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    2023年01月06日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    「書淫」ことボルヘスらが選ぶ、珠玉の超短篇92!
    どれだけ長くなっても、見開き3ページほどしかありません。しかし、短いからとてすぐに読みおわるわけではないのだなぁ…。ひとつの超短編に5分以上費して考えこともざらにあります。いい意味では深奥な趣がありますが、不親切な部分があるといえなくもないです(まぁ、それが真骨頂なのですけれど)。と言うのも、抜き取りの脈絡性があまりに薄いので、パッと呼んだだけでは「ン!?」となるような場合が多い。何作か知っている作品からの抜粋もありましたが、いかんせん全然違うニュアンスの話にも見えてきて、これがまた不思議で面白い。バロウズ『裸のランチ』を思い出しました。

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    2022年08月12日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    大半が理解できないものばかり。けれどそれはわたしの読書経験値によるものだろうと早々に白旗を振り、理解せぬまま空気だけ読み取るように読んだ。もしや冬の夜にぴったりの読み物だったかもしれない。

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    2020年12月28日
  • 夢の本

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    神話、聖書、小説、詩などなど。西洋から東洋まで。古今東西の「夢」をテーマに編まれた113篇のアンソロジー集。各作品の一部が抜粋されているため、ダイジェスト集のようにも見えました。以前から「ギルガメシュ叙事詩」を読んでみたいと思っており、この本で部分的に内容を確認できたのは幸いでした。好みは分かれそうですが、この本くらいでしか触れることができなそうな作品も読める個性的な一冊でした。

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    2020年09月18日
  • ボルヘス怪奇譚集

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    ボルヘスとビオイ=カサーレスが選りすぐった
    古今東西の奇妙な断章、92編。
    表題に「怪奇譚」とあるが、読んでみると怪奇色は薄い。
    むしろ小さく笑ってしまうシュールで滑稽な情景が並ぶ。
    次々にページを繰って短い物語に触れ続けると、
    まるで夢の入れ子に囚われたような感覚に陥る。

    以前どこかで読んだはずの断章もあるのだが、
    詳細を思い出せずモヤモヤしながら、
    敢えて確認せずに「心地いい居心地の悪さ」を愉しんで
    ムズムズするのも一興かと。

    英語版からの重訳で、日本語訳は柳瀬尚紀先生。

    ちなみに、解説によると、
    世界中から掻き集めたお話の中に、
    ちゃっかり偽書=ボルヘスの創作が紛れ込んでいるとか。

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    2018年10月15日
  • 幻獣辞典

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    絶版のを読んだことはあったけど、新しい表紙が好みで買ってしまった。
    物語の種であるボルヘスの、さらにその種という感じ。彼の編む怪奇譚集系に共通する、あの感じです。

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    2018年06月10日
  • 幻獣辞典

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    再読。
    国内のこの手の本だと、ゲームに出てきそうなキャラクターしか載っていないことが多いのですが、さすがに古典というか、世界中から幅広くキャラクターを集めてきています。
    名前のない幻獣も載っているのが特徴的。
    事典としては収録数が少ないため役に立つかどうかはわかりませんが、愉しめる本でした。

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    2016年08月24日
  • 幻獣辞典

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    ボルヘス入門に手に取ってみた。
    辞典と言えど体系的な解説がある訳ではなく、古今の文献からの引用で構成されるのでよくわからないものもしばしば。それでもゲームや小説でお馴染みの空想上の生物の由来がわかって面白く読めた。
    かなりの頻度で引かれる、名前だけは知っていたプリニウスの科学的に誤謬だらけの説明には失笑。

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    2016年05月10日
  • 幻獣辞典

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    名前は知ってたけど何となく手を出してなかった。文庫化ってちょうどいいタイミング。
    これだけ簡単にネットで何でも調べられるようになると、博識とか売りになりにくい。そうなると後は取捨選択に力量が問われるわけで、そう思って読むと、世の中不条理というか、神話とか伝説って因果応報とか倫理的にはできてないんだなぁ、としみじみと。だからおもろい、ってところももちろんあるんだけれども。

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    2015年06月29日