ホルヘ・ルイス・ボルヘスのレビュー一覧
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作品紹介・あらすじ
神の訪れ、王の夢、
魂と夢と現実、死の宣告・・・。
ギルガメシュの物語、聖書、
紅桜夢、ニーチェ、カフカなど、
世界の夢から選ばれた
113の断章
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ボルヘスが編集した古今東西の夢にまつわる断章を集めたアンソロジー。
内容も形式も多様で、夢の描写から夢の分析まで網羅されている。
聖書や神話、小説や詩、研究文献などから引用されているが、宗教関連の内容が比較的多い印象を受けた。その宗教関連の断章は言い回しが独特でなかなかスムーズに読み進めることができず、もどかしさを覚える場面もあった。
「なるほどね」と面白味を感じることができる断章もあれば、「なんだかよくわから -
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ボルヘス好きなのだが、うーんこれは面白……みを感じづらかったな。
というのも、パズラー式に情報の提供と解明が行われるわけでもなく、依頼人がダラダラと喋りまくり、パロディが推理、というよりは「説明」していく。
申し訳ない、ほとんど流し読みになってしまった。
「簡潔なご説明をお願いできますか」
「はい、一切の隠喩を差し挟むことなく直截な表現を試みてまいりますが、私のごとき描写の才に欠けた者の見聞きしたことで本当にお眼鏡にかなうものでしょうか、ところでウェルギリウスの同伴者でもあったかの才に長けた作者の言葉を借りれば」云々、
みたいなお喋りキーワードが時々出ていて、そこを探すのが面白かった。
解説 -
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大作家2人の共作、しかもミステリーということでワクワクしながら読んだのですが、割と難解で読むのに時間がかかってしまいました。
身に覚えのない殺人の罪で服役中のドン・イシドロ・パロディのもとに様々な依頼人がやってきて話をし、彼が独房から出ることなく事件を解決していく連作短編集。
とにかく相談者たちがみんな饒舌。大袈裟な話し方をしたり、見栄を張ったり、脱線しまくったりで、肝心の事件の全貌が分かりづらいのです。各短編は事件編と解決編に分かれているものの、事件を解決するのを楽しむというよりかは彼らのお喋りをどれだけ楽しめるか(耐えられるか)、みたいな感じの作品でした。
収録されいる中では電車の話 -
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Posted by ブクログ
20世紀ラテンアメリカの作家ボルヘス(1899-1986)最晩年の短篇集、1983年。
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自己への拘泥という依存からの解放を、精神からも肉体からも解放されるということを、精神と肉体から抜け出る秘密の抜け道としての何かを、求めていた。自己がどこともなく解消されて、喪失すべきものが実ははじめから喪失してしまっていたということになれば、喪失の前提条件が予め解消されてしまっていたということになれば、そもそも迷子になる布置そのものがなくなってしまっている、ということになる。
主/客、自/他、有/無、同一/差異、区別/混沌、、現/夢、生/死、実/虚、能動/受動、自由/運命、、始/終、先/後、因/果 -
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ホルヘ・ルイヒ・ボルヘスとアドルフォ・ビオイ=ハサーレスが、古今東西の書物からが収集した幻想的な物語。
河出文庫さんが斉藤壮馬さん(※読書家で有名な声優)とコラボフェアをやっていた際に購入した1冊。タイトルにボルヘスの名が入っていますが、ボルヘスの作品集というわけではなく、彼が様々な物語から収集した掌編・あるいは断片を収めたアンソロジーのようなものです。
有名な作品の欠片や、古今東西の神話や故事、伝説。出典ジャンルは様々で、実はしれっとボルヘスかハサーレスの自身の創作物も混じっているそう。
日本人的に比較的なじみ深い収録物語で言うと、例えば荘子の『胡蝶の夢』。授業などで漢文で見たことがあり -
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「書淫」ことボルヘスらが選ぶ、珠玉の超短篇92!
どれだけ長くなっても、見開き3ページほどしかありません。しかし、短いからとてすぐに読みおわるわけではないのだなぁ…。ひとつの超短編に5分以上費して考えこともざらにあります。いい意味では深奥な趣がありますが、不親切な部分があるといえなくもないです(まぁ、それが真骨頂なのですけれど)。と言うのも、抜き取りの脈絡性があまりに薄いので、パッと呼んだだけでは「ン!?」となるような場合が多い。何作か知っている作品からの抜粋もありましたが、いかんせん全然違うニュアンスの話にも見えてきて、これがまた不思議で面白い。バロウズ『裸のランチ』を思い出しました。
『 -
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ボルヘスとビオイ=カサーレスが選りすぐった
古今東西の奇妙な断章、92編。
表題に「怪奇譚」とあるが、読んでみると怪奇色は薄い。
むしろ小さく笑ってしまうシュールで滑稽な情景が並ぶ。
次々にページを繰って短い物語に触れ続けると、
まるで夢の入れ子に囚われたような感覚に陥る。
以前どこかで読んだはずの断章もあるのだが、
詳細を思い出せずモヤモヤしながら、
敢えて確認せずに「心地いい居心地の悪さ」を愉しんで
ムズムズするのも一興かと。
英語版からの重訳で、日本語訳は柳瀬尚紀先生。
ちなみに、解説によると、
世界中から掻き集めたお話の中に、
ちゃっかり偽書=ボルヘスの創作が紛れ込んでいるとか。