高口康太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
筆者が描く、主に民間による個人信用データを活用した社会秩序維持・拡大による「幸福」の向上は、中国の経済成長が順調だった時代には当てはまるのだろう。
筆者は「天理」だか「徳」だかという現代中国に生き残っているかどうかもわからない概念に依存し、ある意味性善説に則り功利主義が全体最適に帰結するかのように説くが、コロナ禍の上海での人権弾圧や筆者も指摘するウイグル族に対する民族浄化、昨今の不動産バブル崩壊に端を発する経済停滞、政府による「国進民退」という民業圧迫、突発的無差別殺人などの社会不安に直面し、観光客が本邦で無作法に我が物顔で振る舞う彼の国に対して、筆者たちは何を書くのだろうか。 -
Posted by ブクログ
そろそろSFが現実になりつつある中、中国が取り組んでいる先進的すぎる取り組みを紹介する本です。
思ったのは、技術が出てきてから実戦投入されるまでの間がとにかく短いということ。これは日本は負けかねない、と危機感を抱きましたが、もはや日本は日本で勝てるフィールドに特化した方が良いのでしょうか…。
しかし、そろそろSFをもっとマジメに読まなきゃかも…と思いました。「1984年」も「すばらしい新世界」も、こういう様々な本で触れるのでざっくりしたイメージが頭の中で生まれつつあるのですが、逆に危険ですね。正直、今のところどちらも大差ないと思っていて、それゆえ本著の「いや、ビッグブラザーじゃないんだよ!」と