大河内直彦のレビュー一覧
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自然科学の視点から、悠久の時の流れと地球環境の変化中で私たちが生きていることを、分かりやすく、時には詩的な物語のように教えてくれる本。序文で科学者がこのような一般書を書くことのジレンマが書かれているが、それを乗り越えてこのような一般層へのアウトリーチをしてくれたことに対して著者の大河内さんに感謝したい。
海底火山の上に成長する珊瑚礁がプレートと共に動きながら冷えていくプレート自身の厚みで沈んでいき削り取られた珊瑚礁の部分が地上の石灰岩の地層になる。白亜紀。
オントン・ジャワ海台を形成した超巨大海底火山の噴火によって気候が変動し、海の流れが止まり、海洋無酸素事変が起きた。海で分解されずに堆積し -
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正直な所、環境問題に対して意識無かったのだが、若い世代のSDGs熱を感じつつ、満ち足りた世代の興味が行く先で、自分には関係無いとさえ思っていたが、最近読んだイーロンマスクの本で、彼が猛烈に環境問題への意識が高くて更にビジネスとして成立させている様をみて、環境に関する本をあたってみるかと検索してこの本を手に取ってみた。
読み始めると海の底に降り積もったプランクトンの死骸(有孔虫の殻)の成分に含まれる酸素同位体の比率から大昔の気温を調べるアイデアまで一気に述べられる。水温と殻に含まれる酸素同位体には実験の結果相関がある事が突き止められて、大昔に水温の大きく変動した時代が存在する事が証明されたと… -
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ネタバレ観測が出来得るまでの範囲で古気候の変遷を解き明かしていくことで、
地球の気候システムのメカニズムに迫ることができる。
ここ100年くらいの間で、
気候の科学分野で業績を積んできた数々の科学者たちのストーリーを辿りながら、
この本が書かれた2007年までで最先端の、
気候についての知見を知っていく内容になっています。
とてもおもしろく、かつ、学べます。
ここ一年くらいでもっともお薦めしたい本でした。
現在は完新世と呼ばれる、氷河期を抜けた温暖な間氷期です。
10万年周期で移り変わるという説があり、
ミランコビッチ・フォーシングという理論がもとになっている。
この理論は、地球の公転するわずかな -
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地球の成り立ちや活動のおはなし。おもしろい…浪漫があります。
自然現象の解説本かなと思ったら、いや、それだけでも十分「へぇ、そうなんだ」と読み進めてしまうのですが、歴史や文化、時代背景のことも書かれていたり、用語などもわかりやすく説明する内容が本文中に書かれていて「この本を書いてる方はどれだけ頭がいいんだろう…」と感動しきりでした。パタパタとドミノが気持ちよく倒れるように、こうで、こうで、こうだからこっちとつながってという様に「おぉぉぉぉなるほど」と笑みがこぼれました。
地球史(本の帯にそう書かれていたので)好きな方にとって情報量などが良いのかはわかりませんが、全くの素人、せいぜい聞きかじり