大河内直彦のレビュー一覧

  • 地球の履歴書

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    科学的な記述の中に、ときおり挿入されるエピソードに、心が踊った。例えば、南極の初到達を争った2人の、勇猛さと悲哀。どこを向いても、南がない不思議な地点への人類初到達を、命をかけて目指した。気温はマイナス40度。防寒具なしで人間が外に出たら、血液が凍るレベルだ。1人は、最初北極点に向かっていたが、他の人が到達したニュースを聞き、それならばと南極に向かった。しかも、情報統制のため、南極に向かっていると隊員が知ったのは、南極大陸への着陸直前だったという。それでも、隊員の士気は高かったという。人類未踏の地というものに、みな強い憧れを抱いていたのだろう。
    結局、2人の争いは、途中から南極に向かっていた人

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    2019年08月13日
  • 地球の履歴書

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    学校の授業がこんな切り口だったら、さぞ楽しかっただろうな。
    読み進めるほどに、なんだか自分がすごい発見をしたような興奮を覚える。
    特に、第4章の深海底での巨大な火山活動。
    海底に突如巨大な裂け目が幾つも生じ溶岩が溢れ出す。マグマが尽きることなく100万年にわたって溢れ続けた。。。想像するだけで恐ろしいけれど、神にでもなって見守り続けたい。
    一度は耳にする『白亜期』のすごさも見逃せない。今の私たちの生活は、この白亜期があるからこそ。
    塩のすごさも地球の歴史でよく分かる。

    何度でも読み返したい一冊。

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    2018年09月19日
  • チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る

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    地球温暖化、異常気象という単語は誰もが耳にしたことがあると思います。これらの現象を研究対象とする科学がどのように進歩してきたかを辿る科学ノンフィクションです。
    誇大に危機感を煽るような書き方を一切廃し、気候変動をどのような方法で観測し、研究を積み重ねて来たのかを分かり易い文章で解説しています。取り扱うテーマは非常に広範で、地球の軌道や太陽活動に関する天文学、南極やグリーンランドの氷から過去の気候を研究する気候学、化石などの試料の年代を放射性同位体の性質を利用して特定する分析法、過去の気候を定量的に評価する古気候学などの基本的な考え方や過去の研究者の試行錯誤の様子の人間ドラマも交えて描いています

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    2018年04月07日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    エネルギーを軸に、地球史・人類史を説明した本です。

    著者の専門からはちょっとはずれた内容のようですが、すさまじいほどの博識ぶりを遺憾なく発揮していると思います。
    エネルギーという一貫したテーマで、ここまで大きなことから小さなことまで広く語れる人は、なかなかいないんじゃないでしょうか。

    とくに、石油・石炭などの化石燃料については、いい勉強になりました。

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    2017年11月12日
  • 地球の履歴書

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    地球の成り立ちから、主に海や地殻の事がとても分かりやすくまとめられている。
    例えば、
    その昔(約二万年前)、海面は今よりも130メートルも下にあったようだ。海底で見つかる遺跡のような巨大な石なども、実は当時の人々の営みが海面上昇により沈んだものなのかもしれない。また当時は黒海も干上がっており、その後約9400年ほど前に、海面上昇に伴いボスポラス海峡から黒海に海水が流れ込んで、周辺の人々にとっては恐ろしい洪水となり、これがノアの洪水の起源ではないかという話も、非常に説得力がある。
    他にも、海水はなぜ塩分を含んでいるのか、有馬温泉は火山が無いのになぜ温泉なのか、など、面白そうな話がたくさん出てくる

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    2017年09月20日
  • 地球の履歴書

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    地球について知らないことを丁寧に教えてくれる好著だ.地表の7割を占める海については分かっていないことが非常に多いことを前半で述べている.海底に巨大な火山がある由.白亜紀が現代社会を支える資源を生み出した時代であったと強調しているが,正鵠を射ている.最新情報を含めた知見を分かりやすく解説しているのは,地球に関する著者の理解度が深いからだと感じた.

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    2016年05月11日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    この地球上で人類が生きていく上で、エネルギーの確保について再考させられる本。大河内直彦の本は読みやすく分かりやすく楽しい。

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    2016年03月27日
  • 地球の履歴書

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    ネタバレ

    科学史と歴史から読み解く自然科学。
    地球の成り立ちや自然現象を、日本書紀などの歴史書に書かれているエピソードや科学者たちの発見から読み解いて掘り下げていくという、まことに面白い視点の本でした。
    科学も発展には懐疑的な方だけど、地球を破壊するのも科学の発展なら、破壊から食い止めるのも科学の力なのかもしれない、と感じさせてくれる一冊。

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    2016年02月28日
  • 地球の履歴書

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    この数週間で、「生命の星の条件を探る」(阿部豊著)で数十億年にわたる宇宙の歴史の話を、「地球の履歴書」(大河内直彦著)で数億年前とか、数千万年前のレベルの地球の歴史を、「日本史の謎は「地形」で解ける 」(竹村公太郎著)で数万年前から数百年前の日本列島の話を読んだ。この3冊を買ったのはタマタマだけど、数週間の中で読む組み合わせとしては、すごく良かった。いずれも、わかりやすい文章・構成で、とても面白かった。「地球の履歴書」では、この数十年の調査技術の発展(調査の原理の発展とコンピュータのデータ処理能力の向上)により、とくに海底の細かな地形が詳細に把握できるようになったこと、それを用いてごく最近でも

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    2015年11月14日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    「いいから、読んでみろ」と言いたくなる、圧巻の語り口。エネルギーに関する史実、科学的事実を興味深いエピソードを交えながら書き上げた本書は、今年読んだ中ではいまのところ、最も面白かった。特にエネルギーの変遷について、大きな流れ以外について、一応は専門である私も知らなかったことも紹介されており、網羅的に、しかも、楽しく知ることができる(私もこういう授業や執筆ができるようになりたい…)。同じ著者の「チェンジング・ブルー」も評判がよいのでこれから読むのが楽しみだ。

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    2015年05月06日
  • チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る

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    地球温暖化がCO2の増加だけが影響していると思っている人に読んでもらいたいかな。
    ミランコビッチ・サイクル、海洋深層水の動きや火山の噴火等々、色々な研究結果から地球温暖化について考えさせられる本。

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    2015年02月15日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    大河内さんの新書。

    エネルギーを主軸に人間生活・産業活動の推移を描写。

    控えめながら「あとがき」には科学者論も。

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    2015年01月24日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    まず前提となる地球のエネルギー総量と農耕に頼ると地球の定員は窒素の量であることが書かれいます。
    ハーバー・ボッシュ法の窒素肥料がなければ現在の70億人の人口はなかった。
    石油や石炭などがどのように発見され使われてきたかが書いてあります。

    脱原発は燃料を海外から輸入し続けて公害問題を受け入れて火力発電に頼るか横浜駅と浅草寺を一辺とする正方形の面積のパネルを設置する太陽光発電をするぐらいでないと現在の生活は維持できない。

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    2012年09月24日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    エネルギー問題もさることながら人工窒素の問題もあることを知った。
    あと日本人はアメリカ人に比べておならのメタンの含有量が少ないのでおならが臭いことも知った(゚д゚(  人  ) =3 ブッ

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    2012年09月08日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    地球上の生物の生息に不可欠なエネルギーの本質とは何なのか、ということが本書のテーマである。
    素人にも判りやすい表現になっており、論理的で説得力があった。
    人類の「都市化」という現象がエネルギー連鎖破壊の大きな要因になっていることは興味深い。この問題への解決が今日のエネルギー問題の本質ではないかと感じた。

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    2012年08月30日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    最初の章は、具体的な数字で地球規模でエネルギーの終始を説明してるので、数字が出てくる理科が苦手な人はページをめくる手が止まってしまうかもしれないけど、その後の章では石油・石炭・天然ガス・原子力などについて、エネルギーを生み出す機構や人類の歴史との絡みが分かりやすく書かれてます。

    人類が石炭や石油を大量に使い出したのはここ100~200年くらいだけど、なにがしかの方法で利用したのはかなり古く、先史時代にまでさかのぼるそうで。 このあたりの話は全く知らなかったので興味深く読めました。

    東日本大震災と福島原発事故で国のエネルギー政策が見直しを余儀なくされている昨今、この本で今一度エネルギーについ

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    2012年08月28日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    素晴らしかった.

    今改めて考えないといけないエネルギーの問題の根本について地球科学の立場から書いた本.

    と,書くと堅苦しい感じだが,時代や歴史との交錯がとても面白く,読みやすい.

    是非多くの人に読んでほしい本.

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    2012年08月17日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    むずかしいエネルギーの話を、非常にわかりやすく解説してくれる本である。化学式やイラストを用いた説明、資源活用の歴史など、内容も豊富で最後まで飽きさせない。ジェームズ・ラブロック氏の「ガイア理論」に通じる部分も多いと感じた。

    本作を読んで改めて感じたが、人類が大きなエネルギーを手に入れ、それらを散々使いまくった代償は決して小さくないのだ。美味しいものを食べ過ぎて肥満になったり、テレビやスマホの見すぎで目が悪くなるように、楽しんだ後は必ずツケを払わされる事になるのだ。子孫たちに美しい地球を残すため、今すぐ大きく舵を切るべきである。

    ちなみに本作によると、化学反応とは高温と圧力によって起きる現象

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    2013年12月17日
  • 「地球のからくり」に挑む

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    地球の営みと人間の暮らしがどのような原理で結びついているのかを、エネルギーを軸に、さまざまな時代の出来事にスポットを当てながら考えてみる、という本である。
    とかく専門的になりがちな理数系の話も多いのだが、キャプション入りの写真や図説などが手間を惜しまず適所に挿入されており、ことのほかわかりやすく、かつ面白い。
    石油ストーブを部屋の中で使うことを化学式で表わしたりするのも、言葉だけの説明よりかえって理解しやすいから不思議だ。また、「人生とは連綿と続く一連の化学反応に他ならない」といった見方も、読んでいくうちになるほどと納得してしまう。ちょっと人に話したくなるような雑学ネタもふんだんにちりばめられ

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    2012年07月22日
  • 地球があぶない! 地図で見る気候変動の図鑑

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    温室効果ガスの生まれる過程からその影響、最終的にどうやって個人レベルで環境を守っていくか、をわかりやすい流れで説明してあり、子供でもわかりやすいはず。

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    2025年03月30日