歴代東大合格者ゼロの無名校でビリ、その後2浪して東大合格をつかんだという、現役東大生の著者。
2浪の崖っぷちを救ったのは、読解力と思考力を鍛えたからだったという。
東大こと東京大学では、授業で本の感想をディスカッションしたり、授業以外でも、本の内容について話題になることもしばしば。
そのためには、課題として出される本はもちろん、みんなが読んでいる本、その分野の他の本も多読する生徒も多い。
もちろん、本は全く読まないという生徒もいるようだが、これまでに印象に残った本というのはあって、インタビューすると誰もが楽しそうに本について語る。読書を楽しんでいるように感じる。
この『東大生の本棚』では、小学生、中学生、高校生と年代に分けて、おすすめの本が紹介されていて、マンガやライトノベル、小説や参考書等もあり、ジャンルは多岐にわたっている。
紹介されてある本の中には、読んだことのある本も含まれていたけど、読んでみたいと思うような解説つきで、実際に何冊か注文し、積ん読が増えた。
一冊を通して繰り返してある読み方や本の選び方は、多くの登場人物の視点にたって読むこと、また、立場によって違う考え方が表現されている本を選ぶこと。
単純に善と悪ではなく、悪と悪であってもどちらにも言い分があったり、善と善でもお互いには否定しあっていたり、自分の知らない分野、思考力を広げてくれそうな分野に挑戦するのとを勧めている。
実際、本を読むと、自分では体験することもないようなことを疑似体験したり、先人の知識を吸収したり、小説の異空間を漂ったりと、人一人の人生では味わうことのできない経験と思いを巡らすことができる。本を読むことで、頭が良くなるということではなく、自分の世界が広がり、語彙が増え、言葉での表現力が増し、人の気持ちを察する感覚が育ち、人間として分厚くしてくれる。その根底には、読書を楽しむという娯楽要素があるのは言うまでもない。