オー・ヘンリーのレビュー一覧
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ネタバレ
世相へのシニカルな視点を保ちつつ、温かみを決して失わない語り口が絶妙。どの作品も面白く、オチの付け方が天才的だった。
南部に生まれ、中米での逃亡生活やニューヨークでの都会暮らし等、様々な経験をして「人生の滋味」を会得した作者の作品は見事。アメリカ文学の新境地を切り開いたといっても過言ではない。
個人的には、「献立表の春」「甦った改心」「幻の混合酒」「靴」「警官と賛美歌」「賢者の贈り物」が好き。(「賢者の贈り物」がダントツだが、、)
以下、それぞれの作品に対するメモ書き。
・多忙な株式仲買人のロマンス
忙しすぎる金融街で働くサラリーマンを、コミカルに描く作品。ウルフ・オブ・ウォールストリー -
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ネタバレ最後のひと葉
不器用だが優しい心を持ったベアマンの命懸けの最高傑作。心温まる。
二十年後
時が経てば人も変わる。旧友を想った切ない話。
救われた改心
宿敵であった刑事の優しさにほっこり。
犠牲打
自分の人生を犠牲にしてでも作品を掲載したかったのに皮肉な話。全てが計算通りいくわけではない。
魔女のパン
切ない恋の話。恋にはコミュニケーションが必要。善意がお節介でありがた迷惑なこともある。
水車のある教会
行方不明の娘との奇跡の再会。心優しいエイブラムに相応しい結末。
運命の衝撃
ホームレスだった男が急に大金を手にできると思うと不安でどうしようもなくなるが、得られないことが分かると喜ぶ -
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安定した面白さ。と言うか、面白い作品を集めているようなので、当然かも。
収録作は、
最後のひと葉
二十年後
救われた改心
魔女のパン
水車のある教会
運命の衝撃
ラッパの響き
ジェフ・ピーターズの人間磁気
運命の道
都市通信
赤い酋長の身代金
最初の「最後のひと葉」は、よく知られた作品。秋の終わり、ジョンジーが重い肺炎にかかり、窓の外のツタの葉が落ちていくのを見ながら、「最後の一枚が落ちるとき、わたしも死ぬ」と言いだすが、嵐になっても最後の1枚は残り、ジョンジーは回復する。一方、同じ建物の1階に住む、画家のベアマンが嵐の翌日から肺炎に罹り亡くなると言う、心を震わせる作品。
最後の「赤い酋 -
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オー・ヘンリーの作品の特徴は、ユーモアと皮肉が入り交じり、最後にどんでん返しかある作品が多いかな。
結果「心あたたまる」作品だけでなく、残酷といったことばで評したほうがよい結末のものが多いことになるが、どれも人間観察の鋭さと深さゆえに、豊かな人間味を味わえる。
・警官と賛美歌 貧しさ故、寝るところも食べるものもないため、犯罪をして留置所に入りたいといろいろ手をつくすが…
・賢者の贈り物 代表作と言われるだけあって、印象深く読めた。貧しい夫婦のお互いを思いやる愛を描くが、甘い雰囲気はなく、少し突き放したところがあり、どことなく照れたような作者の視線が感じられる作品だ。
・忙しい株式仲買人のロマ -
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「最後の葉が落ちるとき、わたしも死ぬ」の場面で有名な表題作をはじめ、ユーモアあふれる作品からバカミス、最後にひっくり返る掌編から童話調のものまで12編を収録。→
オー・ヘンリーといえば表題作が有名なので文学的な作品が多いのかな、と思っていたら、めちゃくちゃミステリが多くてホクホク。
ニヤニヤしながら読めちゃう「ジェフ・ピーターズの人間磁気」や「赤い酋長の身代金」
ラストに衝撃のある「二十年後」や「犠牲打」
やさしい「水車のある教会」も良いし
読後にゾクリとしちゃう「魔女のパン」や「運命の道」も素晴らしい。
いろんな種類のお話が詰め込まれていてとても楽しかった!
各話の冒頭に簡単なあらすじ -
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伝えたいメッセージを話に乗せるというよりは、思いついた面白い話を一つ一つ形にしている感じの作風だったな。見栄を張った主人公が複数の話で登場していたけど、結末に一貫性はなくて、ある時はハッピーエンドだけど、ある時は失敗する話だったし。
比喩やイメージの結び付け方が独特。説明に使われる表現が結構飛んでるから、数秒してからああそういうことかってなる部分が結構あった。あんなのよく思いつくなぁ。世界観が面白い。
短い中にストーリーが凝縮されているから飽きずに読めるし、緩急がしっかりあるから読んでいて心地よかった。言い回しも結末も皮肉調なこともあるけど、結構ロマンチックなことも多い。ただの悲劇って -
購入済み
賢者の贈り物
12月、Xmasの季節になるとこの「賢者の贈り物」が読みたくなります。
映像が浮かぶような描写も好きですし、ここに描かれている
思いやり、愛情に心うたれます。 -
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ネタバレ「賢者の贈り物」 2016/2/16
日々の暮らしにも事欠くほどの貧しい家庭の夫婦が、お互いにクリスマスプレゼントをするために自分の一番大事で高価な代物を犠牲に、愛するパートナーへの贈り物を買った。その贈り物はお互いの犠牲によって何の意味も価値もないものになってしまったが、本当にそうなのだろうか。その価値のない贈り物をし合った二人を筆者は、聖書に出てくる3人の東方の賢者に例えるほど、彼らを「賢者」であると言っている。彼は何故彼らを「賢者」であるといったのか。「賢者」とはいったい何なのだろうか。
物語中に「年100万ドルの収入のものと週20ドルの収入の違いとは何であろうか」という問題提起があ