オー・ヘンリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カバー紹介文にある通り『短編の名手』の14選。オー・ヘンリーというと、本書のタイトルになっている『最後のひと葉』、そして収録作品『賢者の贈り物』辺りが有名だろう。実際『賢者の贈り物』を目当てに読んだのだが、うろ覚えのあらすじとは大分印象が違った(生来のブロンドは伸びるまで年月を要すると知ったこともあるだろうが)。内容は記憶通りだったが、細に入った描写等、華々しい形容が、ともすれば軽薄な「深イイ話」に終わってしまいそうなストーリーと絶妙にバランスをとって独特の満足感が得られた。収録作品はこうした良い話に留まらず、ちょっとした不条理劇や、オチのつくユーモア作品もあるのだが、そちらでもこのバランス感は発揮されており、不思議な新鮮さを満喫した。
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編ながらとても面白い作品ばかりでよかったです。
個人的には代表作もおもしろいがハッピーエンドで終わった春の献立表が好き。
何作品かは、あまりよく理解できなかったけど、次作も読んでみようと思いました。
カバーのゴッホ:夜のカフェテラスが素敵だなと思いました!
・警官と賛美歌
気持ちを入れ替えた時には時すでに遅しって印象でした。
・賢者の贈り物
お互いの大事なものを売ってお金を作り、その売ってしまったものに関するプレゼントをもらうという話。
・忙しい株式仲買人のロマンス
結末のそこまでになってしまうとは驚き。
・洒落男の失敗
見栄を張ったばっかりにすれ違ってしまう話。
・御者台から
結末がちょっと無理やりな気がした。
・第九十九分署の外交方針
うーん、ちょっと理解があまりできなかった。言葉の冗談があるけど、あまり理解できないのと日本軍の話があるので、そちらに意識がいってしまった。
・金のかかる恋人
思い込みとか固定観念とかで縁を逃してしまうお話。
・桃源郷のはかなき客
マダムは、実は百貨店の靴下売り場の人。1年間のお給料を1週間の「レディ」生活を過ごして見たかった。相手も理由は同じ感じ。実はドレス屋の集金係。
・ハーグレイヴズのふたつの顔
役者さんと少佐の話
・アイキー・シェーンスタインの惚れ薬
駆け落ちがすんなり行くよう薬が欲しいと言われ、失敗になるよう渡したらその薬を協力者の父の方に使われ駆け落ちは成功してしまったという話。
・富の神とキューピッド
裕福な息子の見初めた彼女は渡欧寸前で求婚に踏み切れなかった。
最後の逢瀬の時間、渋滞などがあって、時間ができ求婚成功。
裏では実は父親が渋滞にお金をかけていた。
・緑のドア
歯科の前でカードを配っていて、自分には「緑のドア」と配られる。「緑のドア」の前に行くと彼女との出会いが。実は、歯科の目の前でやっている劇場の演目が「緑のドア」
・マックの救出代
友人マックが若い娘と結婚すると聞いた。恋に取り憑かれたマックを救うため1計を案じるが、実は、マックは牧師の代わりの司式だった。
・振り子
妻の不安をよそにゲームに出かける夫。帰ると妻は母の見舞いに行くという手紙を見て、妻がいないことに不安を覚える。帰ってきたら埋め合わせしよう。そう心に決めるが、妻が母は大したことなかったようで帰ってくる。
歯車は音をたてず元通りになり、最初のやり取りへ。
・自動車を待たせて
見栄の話とちょっと近い。お互いがお互いのその職業などを名乗ってしまい、実は・・という話。
・春の献立表
タイプライターで再会する話。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短篇23編。O・ヘンリーはやっぱりいい。「最後の一葉」「賢者の贈り物」ばかりが有名だけど他の作品も知られてほしい。
「献立表の春」…可愛くて甘酸っぱいラブロマンス
。可愛いの一言に尽きる。いつ読んでもほんわかする。
「甦った改心」…個人的NO.1。金庫破りの恋。
「十月と六月」…印象的な文章が多かった。
「警官と賛美歌」…刑務所のほうがマシというのは今も昔もあまり変わらない。
「ミス・マーサのパン」…女性のささやかな思い込みがもたらす悲しい結末。タイトルとしては「魔女のパン」のほうが好き。
全タイトル
多忙な株式仲買人のロマンス
献立表の春
犠牲打
赤い族長(レッド・チーフ)の身代金
千ドル
伯爵と婚礼の客
しみったれな恋人
1ドルの価値
臆病な幽霊
甦った改心
十月と六月
幻の混合酒(ブレンド)
楽園の短期滞在客
サボテン
意中の人
靴
心と手
水車のある教会
ミス・マーサのパン
二十年後
最後の一葉
警官と賛美歌
賢者の贈り物 -
Posted by ブクログ
貧しくとも、夫のジムに特別なクリスマスプレゼントを贈りたい。デラはある決意をする。しかし、ジムからのプレゼントは……(賢者の贈り物) どんな金庫でもたちまちの内に開けてしまう大泥棒・ジミーは恋に堕ち、過去を捨てるけれど……(よみがえった改心) 一日だけ大金持ちの振りをしてとびきりのおしゃれと贅沢を楽しむチャンドラーは、貧しそうな身なりの娘を助けて、つい…(おしゃれさんの失敗) 二回も偶然にもらった「緑のドア」と書かれたカード。ルドルフの冒険心が疼いて…(緑のドア) 窓から見えるツタの最後の一枚が落ちた時、自分の命も消える。そう生きる気力を失っていたジョンジー。けれどその一枚は、どんな風にも雨にも耐えて…(最後のひと葉) 短編の名手として世界中で読み継がれているオー・ヘンリーの珠玉の名作がつばさ文庫に登場です。
むかし、講談社から出てたメルヘンを集めた短編集のうちで、多分一番読んだのがこの「賢者の贈り物」でした。挿絵が綺麗だったからなんだけど、やっぱりそれぞれ自分の大事なものをお金に変えて、相手の素敵なものの為に贈り物を贈る、その素敵なものは既に失われていたけれど…と言う愛の形に幼い私が純粋に感動したんだと思います。文章の方は結構投げやり(愚か、とか書いてるし)ではあるんですけど、そのそっけなさが逆にデラとジムの暖かで尊い愛情を引き立てていると思います。あと「賢者の贈り物」ってタイトル昔から謎だったんですけど、イエスに贈り物を贈った東方の三賢者のことを言ってるんですね。最後のくだりの文章がすごく好きです。
で、オーヘンリーはずっとこの賢者の贈り物しかしらなくて、最後の一葉は概要だけ知ってるけどちゃんと読んだことは無い。短編の名手ということも全く知らなくて、読む作品のほとんどが初見でした。日本で言うと、ジャンルは違うけど星新一っぽい感じがしますねー。「よみがえった改心」にくい終わり方ですねえ~好きです。「警官と讃美歌」は最後でこれかよ~って苦笑しちゃってちょっと虚しいんですけど、一応話の中に救いがあっていいですよね。刑務所から出て来たらきっとソーピーはまっとうに生きていこうとするだろうし。これ落語にあっても面白そうだなー。「ハーグレイヴスの二役」もおおっ、と驚く終わりだし(これもまたニクイのだ)「お金の神さまと恋の神さま」はツンデレ乙って感じでやはりニクイ。「おしゃれさんの失敗」は日本のそれこそ落語とかに類似作品がありそうだなあー。ででで、私が一番好きなのは「緑のドア」ですねー!これすごく不思議だしほっこりするし、運命と言うか偶然のいたずらというか、縁といいますか。「水車のある教会」は多分そうなんだろうな~と思いつつもクライマックスで不覚にも泣いてしまいましたわ。そして有名な「最後のひと葉」はまさか百合(おい)だとは……概要は知ってたんですが女の子同士だったとは知らなかったのですよ。死にたいなんて思うのはいけないこと、うん、うん… ああ感動いたしました。これも日本人好きそうな話ですね。自己犠牲の憐みがある。
他にもオーヘンリー読んでみたいなあ、と思ったのだけどつばさ文庫で続刊はあるかなあ。二大代表作を冠にしちゃったしなあ…でも読みたいなーなんかいいのないかなっ -
Posted by ブクログ
23編収録の短編集。
これは日本人男性作家じゃ書けなかった作品だな、とそれぞれの短編を読んでいて思いました。アメリカの様々な姿を舞台にしている、というのもその一因ではありますが、一番の理由は話の内容です。短編という制約があるからかもしれないですが、一切の迷いや、ややこしい表現もなく、ストレートにハッピーでロマンティックなエンディングを用意、男女の愛の成就を描く点です。
イメージですが日本の恋愛ものは、一直線に愛の成就を描くのではなく、良くも悪くもうじうじした男女が右往左往し、言外にメッセージを込めつつ恋愛を成立させる、というイメージがあります。O・ヘンリーの作品たちはいい意味で非常に分かりやすく恋愛に向かっていきます。それがロマンティックさの理由のように思います。
そうしたロマンティックさのイメージと裏腹なシニカルな短編も何編か選出しているあたりも、この短編集の良さだと思います。作品集の最後に近づくにつれ「また幸せな結末だろうな」と油断しながら読んでいて見事に転ばされたことが何度かありました(笑)
しかし、それを最後の『賢者の贈り物』でチャラにするどころか、見事にロマンティックさを取り戻します。これは作品の並び順も結構計算されているのかな、と考えてしまいますね。
このロマンティックさは、有川浩さんファンの方が読んだら案外はまるんじゃないでしょうか? 一編一編のページ数も少なめでとっつきやすいと思うので、いろんな女性層に読んでもらってときめいてほしいな、と思いました。