花田菜々子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
不思議な縁で付き合うことになった年下彼氏。彼は11歳と8歳の子どもと暮らすシングルファーザーだった。
子どもをほしいと思っていなかった著者が、知らない子どもと出会い、子育てのこと、教育のこと、結婚のこと、親子のことなど否応なしに考えていくこととなる。
悩みの尽きない、眩しくて鮮やかな日々。
よくぞ本にして世に出してくれました、と嬉しい気持ち。
著者の本も2冊目だからか、彼女の生きづらさの正体に触れた思いです。花田さんは生きることの解像度がとても高くて、他の人だったらスルッと流してしまうようなことも目に留まるよう。それが新鮮で輝かしい。
そして目に映るそれらのことを、いわゆる常識的な枠組みで捉えず自分の頭で考える。だから、未知なものに出会う度に立ち止まることになり、これは随分大変だ、と他人事ながら感じたほどです。
もっと力を抜いて、シンプルに考えられたら楽だろうに。それができず、時に本を壁打ちにしながら自身と向き合い続けるその姿勢に、生きづらさの渦中にいる人程勇気づけられることと思います。
紹介されている本も「こんな本があったのか」と興味を惹かれるものが多い。
子育てをする中で、私も日々悩みながら手探りで生きている。「正しく教育する」と「思い通りに育てる」の違いはなんだろう。という問いは、心に残った。
親が良かれとして与えるものが、必ずしも子どもにとっていいとは限らないのが難しい。
子どもに好きな異性がいると知ったり、ちょっと大人びた発言をしたりした際に親が笑ったり冷やかしたりするような場面に対して、「子どもが離れていくことに焦りやさびしさや嫉妬があって、その戸惑いをこんなふうに笑いにして包んでなんとか直視しないようにごまかさなければ受け止められないんだ、ということをこのときはじめて親側の視点から見た。そして笑ったりして自分の優位を保とうとしても無駄だと気づいたとき、子どもが自分の手の中にはもういないことをやっと受け入れられるのだろうか。
誰も自覚していないかもしれないくらいの、ささやかな確執はこんなふうに表出するんだな、と知った瞬間だった。」と記載していて、こんな風に1つ1つのことを丁寧に掬い上げていくことの尊さに打ちのめされた。
「すべての女性を応援する」というコンセプトの書店も気になるし、公私ともに彼女の人生が垣間見れて私の中の何かが癒されるような、力づけられるようなそんな感覚でした。 -
Posted by ブクログ
流れながれた、過ぎた日常のように。重く停滞のないかのように、描かれている。
実際はまだまだ描ききれない(あえて描かなかった)物語や心情があったのだろうなと思う。
綺麗なことばかりじゃなくて、それ言ってること矛盾してない?無理ない?って外野が突っ込める余地を与えてくれるほど、心の揺れをそのまま綴っていると思う。だから、信頼に値するノンフィクション。
自分が今血のつながりのある息子を2人育てていて、その自分を省みることにもなったと思う。
私の“もの”なんかじゃないんだよ、という。
気になったのは、ミナトやマルはこの本に自分が登場することを知っているのかな。
12歳、、、どんな心境なのかなと思った。
変化することを恐れないのは難しいけれど、約束や束縛でとどまるのではなく、前へ進んでいくこと。
直接的にそんな本ではないのだけれど、勇気をもらった。新しい仕事、頑張ってみよう。 -
Posted by ブクログ
p.143 荒井 相互監視的に説明を求める社会というのが、この緊急事態の中で形成されたと思うんです。
「自分が遊びたいから遊ぶ」というわけにはいかず、「経済を回すため」みたいな言い訳が必要になってしまう。でも、マイノリティーって、昔からずっとこうした説明を求められてきたんですよ。なので、鬱陶しい時代ではあるけど、今まで私たちが「当たり前」だと思ってきたことを「当たり前」として生きてこられなかった人たちのことを、こんな感じだったのかなと想像したり、嘘ってみたりすることはできるな、と。もちろん、「同じ気持ち」になるのは難しいでしょうが、でも「同じ方向」は向けると思うんです。
p.249 もそういう「おばちゃん力」の明るさやハッピーさって、一見この「夜が明ける」のシリアスな問題とはつながらないようでいて、意外と答えというか、解決策になっている気がします。
西 うん、これからの時代は「おばちゃんカ」だと思いますよ。
花田勝手に踏み込んでいって勝手に助けるということですね。
西個人的にはもっと人に踏み込んでいいと思ってます。コロナでもう十分に距離は離れていってしまっているから、これからは人と近づくということを本気でやっていきたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ花田菜々子さんの「出会い系サイトで70人と実際に会って、その人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」を読みました。まさにタイトルが全てを表していて、本好きでビレッジバンガードの店長だった主人公が、結婚生活でも仕事でも転機を迎え、タイトル通り出会い系サイトをきっかけにして人に会い、自分が得意とする本に関する知識をもとその人に合った本を紹介して行くというもの。出会い系はどうでもよくて、特定の人と向かい合って話をすること、そして自分の得意分野である本の話をする事で、壊れそうな自分を何とか正常化できたという風に理解しました。向かい合って話すことは受け入れてもらう事だし、自分の得意な話に関心を持ってもらえると行くことは、強く肯定的に受け入れられたということじゃないかと思い、書籍紹介という形を借りたセルフセラピーなのではないかと思いました。ただ、対象が本なので、それはそれで興味津々。巻末にもう少しコメントをつけた解説があるのも嬉しい。タイトルから受ける印象とは違って、とても興味深い作品だと評価しました。