あらすじ
20名のゲストと名物書店員が語り尽くす!
ドラマ化されて大反響をよんだ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』の著者で、「蟹ブックス」を経営する名物書店員の花田菜々子氏が20名のゲストを招き、さまざまなテーマについて語り尽くした対談集。いまを生きる私たちの羅針盤となり、心の処方箋となってくれる必読の一冊。
<お話をしたゲストたち>
*ヨシタケシンスケ 「大人だって完璧じゃない」
*窪美澄 「子持ちの恋愛」
*山崎ナオコーラ 「家事と生産性」
*ブレイディみかこ 「エンパシーの鍛え方」
*荒井裕樹 「マイノリティーと人権」
*岸政彦 「『聞く』ってむずかしい」
*ひらりさ 「推しとお金と私」
*東畑開人 「心を守るには」
*西加奈子 「助けを求める」
*ジェーン・スー 「おばさんを楽しむ」
*ツレヅレハナコ 「コロナ禍と食」
*永井玲衣 「手のひらサイズの哲学」
*宇多丸 「人生相談に正解はない」
その他
メレ山メレ子/田房永子/植本一子/大前粟生/吉田貴司/岩田徹/飯間浩明
文芸誌『STORY BOX』の人気連載が待望の書籍化!
(底本 2023年11月発売作品)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いろんな切り口から、さまざまなことを考えるヒントになるような金言がたくさん飛び出す対談集。
対談する方々は、みんな花田さんが著書を読んで面白いと思った方なので、ブックガイドにもなっている。
対談相手はもちろん、花田さんの言語化に唸らされる部分も多い。
以下、ごく一部だけど、印象に残った箇所の引用。
〈山崎ナオコーラ〉
・(花田菜々子)コロナ禍収束後も企業は当然利益を出すことを掲げるとは思うんですが、社員の人たちは前みたいにそこに乗っていけるのかな、って。他人事みたいですが、もう売上や利益にモチベーションを持てなくなってしまうかも、と思っています。歩みを止めたり、ゆっくりすごしたりと、何かを消費すること以外の良さを知ってしまって。
・逆にスマホゲームって素晴らしいんじゃないかって思えてきました。なんでそこまで、というくらい大勢の人がやっているわけだから、ほんとうは人間に必要なんじゃないかって気がします。
・ありがとう、という言葉は言われるほうはもちろんうれしいけど、ありがとうを言う回数が多いのに言われることは少ないという人もいるわけで、自分だけが一方的に「ありがとう」を言い続けることは、それは負担なんじゃないかと思うときもあって。
〈メレ山メレ子〉
・(花田)男らしさや女らしさを期待されることのかわりに、今度は無害でまっとうな善人であることを期待されているような圧はたしかにあるかも。
〈田房永子〉
・人って多分、どんな小さなことにでも、実は常にショックを受けてる。
・娘からふくよかな体型の女性タレントに似ているとよく言われることにショックを受けていて、でも最初は自分でショックだと気づいていなくて。「かわいくていいじゃない、ありがとう」ってポジティブに受け止めようとしていると自分のショックがわからなくなる。
・ちゃんとショックを受けるということと、何にショックを受けているのか、自分の内面を探すこと。
〈西加奈子〉
・やっぱりしんどいときって、大きなことより、身近な「自分より頑張っていない人」を憎む方がラクですよね。
Posted by ブクログ
窪美澄 『ははのれんあい』でも、妻子を残して浮気相手の元に走った智久が悪い、という感想がすごく多くて。智久はたしかに悪いのだけど、そもそも恋って仕方がないものなんじゃないかな、っていうのが大前提としてあって。子育て中の大変な時期でも、人を好きになってしまう瞬間が人生の中にはあるんじゃないかなと思います。
花田 他人が家族に入っていくことで風通しがよくなったらいいですよね。
メレ山メレ子『こいわずらわしい』
花田 まだ買ってないし見てもないのにキャンセル不可とは、っておもっちゃいますよね。
里親もですが、シングルマザーで子どもを産みたいっていう人にはすごく覚悟を問うのに、結婚している男女にはそんなふうに覚悟を問わないじゃないですか。
離婚率は上がっているし、既婚男性の育児放棄は当たり前のように起きているのに、そこに対してはすごく無責任に、子どもを持つっていいことだよとか、結婚したんだから次は子どもだね、っていうのは謎だなって。その人たちにも同じくらい覚悟を問いなさいよって思うんですよね。
ブレイディみかこ『他人の靴を履く』
日本のテレビに出演したとき、イギリスの場合は休業補償がちゃんとでてますし、と言った後日本はまだ出てないらしいですねって言ったら音声がなぜか消えたんですよ。次にその局の別の番組に出たときに笑い話としてプロデューサーに話したら、すごく真顔で「それたぶん偶然じゃないですよって。ほんとうに今の日本って北朝鮮みたいになってしまったのかと思ってゾクっとした。
「こんな社会、組織だめだ、私が私を生きられない」と思ったら逃げていいと思う。これは大事ですよね。
花田 女の子たちは大人になってもどうしてもあの愛想笑いがベースになってしまっていて、嫌なことを言われても、体調が悪くてつらいなと思っても、苦笑い、愛想笑いでなんとか済ませてしまう。上からくる理不尽な要求に、真顔で「は?」と返す練習が必要だと思います。
ひらりさ 誰かを推していることがアイデンティティ
Posted by ブクログ
花田菜々子さんの『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』が面白くて、そこからずっと気になっていた本。
花田さんの対談相手に対するリスペクトを端々に感じる。だけど聞き役に徹するのではなく、花田さんらしい切り口で展開していく対談が心地良かった。バランス感覚が抜群で頭の良い人なんだろうなぁ。
一番好きだったのは飯間浩明さんとの対談。
日本語を正しく使おうとするあまり、自分が本当に伝えたいことを伝えられなくなっているのはもったいない!という話。待ち合わせ場所に行くのに服装や持ち物の事ばかり気にしてなかなか出かけられないようなもの、という例えもわかりやすい。
確かに日本語って「正しい」「誤り」で判断されがち。
自分自身も、他人の言葉に「その日本語使い方間違ってない?」という目を向けてしまいがちな事に気がついた。
他人に向けている厳しい目はいつの間にか自分のことも苦しめていて、「この日本語であってるかな?」「失礼だと思われていないかな」「バカにされてないかな」と余計な事ばかり考えてしまって、結局面倒くさくなって伝えること自体をやめてしまったりすることもある。
正しい日本語ではなくても、素直な言葉で気持ちを伝えてもらえる方が嬉しいって頭ではわかってるのになぁ。
この対談を読んで、もっと気楽に自由に言葉を選んで人に伝えられるようになりたいと思った。
「日本語はこわくない」も絶対読む。
Posted by ブクログ
ハッとする言葉が散りばめられている本でした。
ヨシタケシンスケさんのそれしかないわけないでしょう
親が子どもにできることは選択肢を沢山教えてあげること
あの子目がふたつしかなくて背中が見られないみたいだけど、かわいそうだからその話はしないであげようね。
窪 美澄さん
「仕事する」人は誰かに家事をやってもらえる前提になってしまってる
Posted by ブクログ
花田奈々子さんの本はこれが初めてでしたが、とても良い、そして豪華な顔ぶれの対談集でした。
読みたくなった本がたくさん。
装丁もかわいい。
続編希望です。
Posted by ブクログ
花田菜々子が面白いと思った本について、その著者と語り合う対談集。
一冊の本(テーマ)をベースにお互いの価値観について語り合う、という内容で、テーマが多岐にわたり、読み応えがある。自分はどういう価値観を持っているだろうか、と考えながら読んだ。
それにしても、花田菜々子の読解力と表現力はすごい。著者を目の前にして、自分の解釈や意見をきちんと表現されている。
紹介されている本はほとんど読んだことがなく(ヨシタケシンスケの『あんなにあんなに』だけか?)魅力的で読みたくなるし、読んだらまたこの対談集を読み返したい。そして、誰とも会わずに過ごしたお盆休みに読んだため、誰かとこんな風に自分の思っていることについて語り合ってみたい!と思った一冊だった。
Posted by ブクログ
対談相手を選んだ基準がいい。
好きな人たちの話はもちろん良かったけど、しらなかった方の話も抜群に良くて感動した。
ヨシタケシンスケ︰人間、好きな気持ちはコロコロ変わるけど、何かを嫌いだと思う気持ちって長くその人を律し続ける
Posted by ブクログ
好きな作家さんが多くて読んでいて楽しかった。そして花田さんが好きな本、全部読んでみたくなった!
自分が直接経験できないコトを学びたいなと思って読書しているので、実際作家さんがどんな経験/思いからその本を書いたのか、がわかるのはすごく学びになった。
Posted by ブクログ
色んな人との対談を通して、こころの中にある色んなモヤモヤが解消される感覚が心地良かった。当たり前だけど、価値観って多様だし、こういう対話から得られる知見ってもっと知られでいいと思った。
Posted by ブクログ
読み応えじゅうぶん。
対談相手の人選が絶妙にいい。(私好み)
窪美澄、西加奈子、ブレイディみかこ、ヨシタケシンスケ、
ツレヅレハナコ、そしてこの本で知った岸政彦、東畑開人、
ひらり等々。
そりゃあ素晴らしい名著に出会ったらその著者にも会いたくなるよね。
そしてすべての対談の内容が濃い!
ここかた波及してまた読みたい本が倍増!
Posted by ブクログ
自分の中にある日々の疑問というか、引っ掛ってるけど上手く考えがまとまらないというような世の中のことへのヒントがいくつもあった。人生の先輩方から色々な生き方、考え方を聞けた気がする。人権問題、言葉、哲学のようなことから恋愛、推し、人生相談まで様々な内容なんだけど不思議と全部共通しているように感じた。どれも人と人の関わりと向き合い方に尽きるという当たり前のことに改めて考えさせられた
Posted by ブクログ
本の厚さを見ればわかるけれど、対談数が多くて豪華な顔ぶれで、一冊でこの人たちの話が見れるというところがまず良きポイントです。著書を軸に対談を展開していくのですが、ベースがあるからそれぞれの方々との話のテーマも結構明確で読みやすかった。皆さん正直に誠実に答えていて色々な立場で考えも異なる方々の話なのに、ごちゃごちゃ混乱しない感じも読んでいてよかった。明らかに私の中になかった見方が複数読めて、色々な人と話すことの大切さを改めて感じる読書でした(話しているのは本の筆者だけど)。グッとくる文章も結構見つかりました〜
Posted by ブクログ
全員は読めていないが、ジェーン・スーさん、西加奈子さん、窪美澄さん、ヨシタケシンスケさんなど気になる人を読んだ。
気になる作品も増えたので、少しずつ読んでいこうと思う。
Posted by ブクログ
花田菜々子さんと、彼女が純粋に面白いと思った本の著者をゲストとして迎えた対談集。総勢なんと20名!
ヨシタケシンスケ、窪美澄、田房永子、ひらりさ、大前粟生、ジェーン・スー、永井玲衣、飯間浩明——私が愛読している方も、著作が気になっていた方もずらっと名を連ねていてテンションが上がりました。なんというか、痒いところに手が届く人選というか。
初めてお名前を知る方も含み、花田菜々子さんが聞き手としてさまざまなトークを引き出しているので、ボリュームたっぷりの一冊を最後まで興味深く読み切ることができた。
新たに惹かれる本も増えたので、この熱が冷めないうちにさっそく読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
p101「私自身は若いときから「自分の好きなことしか仕事にできない」「一般企業でOL的に働くことは自分には無理だ」というこのふたつがはっきりしていました。(中略)自分の行きたい業界ではお金をたくさん稼ぐのは無理だから「人生はお金じゃない。お金は幸せとは関係ない」と考えるしかなかった。でも突き詰めて考えたら、リッチな生活はできなくてもいいけど、自分が生活できる額は稼ぎたいし、誰かに生殺与奪の権を譲り渡したくないなっていうことだとわかったんです」
Posted by ブクログ
さすが各分野で名のある方々がずらりと並んでいるだけあって、それぞれの対談に金言がこれでもかと言わんばかりに詰め込まれていて、そのつど驚き、考え、困惑し、さらに考えてぼんやりとした自分なりの意見が見えてくるという苦しくも楽しい体験をたくさん
させてもらうことができて、自分の選書眼を自信を
持てて自己肯定感が上がったようないい読後感でした
Posted by ブクログ
過去の著作はまだ読んだことがないものの、以前から面白そうな人だなと花田さんに興味があったので読んでみたら、とても面白かった!読みたい本が増えました。
私は特に、飯間浩明さんとの言葉の話が興味深かった。確かに自分的に好きじゃない言葉のセンスってあるし、言葉をファッションのように考えるという視点が面白い。まずは「日本語は怖くない」を読もう。
あと、花田さんの著作もマッチングアプリのやつから読むぞ。
Posted by ブクログ
【目次】
ヨシタケシンスケ:大人だって完璧じゃない
窪美澄:子持ちの恋愛
山崎ナオコーラ:家事と生産性
メレ山メレ子:恋愛の教科書がない時代に
田房永子:家族という呪縛
ブレイディみかこ:エンパシーの鍛え方
荒井裕樹:マイノリティーと人権
岸政彦:「聞く」って難しい
ひらりさ:推しとお金と私
東畑開人:心を守るには
西加奈子:助けを求める
植本一子:家族について書くということ
大前粟生:そもそも恋愛って何?
ジェーン・スー:おばさんを楽しむ
吉田貴司:男と女のすれ違い
岩田徹:小さな書店が生き残るには
ツレヅレハナコ:コロナ禍と食
永井玲衣:手のひらサイズの哲学
飯間浩明:言葉を楽しもう
ライムスター宇多丸:人生相談に正解はない
Posted by ブクログ
蟹ブックスの店主の花田さんと蟹ブックスにある本の著者たちの対談。山崎ナオコーラ、永井玲衣、ヨシタケシンスケ、ジェーンスー、などなど好きな方ばかりの対談が気になり購入。対談なので分厚いが気楽に読めた。書き手はそんなふうに考えながらこの本を作っていたんだ、とわかって読んだ本はより一層好きになったし、まだ手にしてない本に関しては読んでみたくなった。なにより花田さんの名インタビュアーっぷりが絶妙でお見事だった。
読むことでまた自分の視野が一つひろがった。
Posted by ブクログ
かの有名書店員花田菜々子と「彼女が面白いと思った本の著者」との対談集
当然花田が聞くスタイルなのだが、その相手も「世の中の誰か」に話を聞くことで本を書いてる人が多く、話をどう聞くのかという視点がそれぞれ面白かった
もっと一人ひとり長くてもよかったな
Posted by ブクログ
物書きの人はやはりそれぞれの理論があり
〜はおかしいと思うみたいな会話をずっと読んでいると、すこし酔う、、でもモヤ対談だからそれでいいのか、、
1番毒があるのか?と思っていたライムスター宇多丸さんが1番柔軟で優しい印象を受けたのが意外だった。
Posted by ブクログ
面白かった。
著者が好きな本を書いた人との対談集。
私が普段手にとらない分野の本が多く興味がわいた。
どの対談も読みやすいのに深い。こういう考え方もあるんだ。こういう視点もあるんだ。読んでみたい本が増えた。
オタクのお金の使い方とか一万円選書とか手のひらサイズの哲学とか気になる。
Posted by ブクログ
読み応えのある一冊だった。対談者の中には初めてお名前を知る方も何人かいて、この方の作品、今度読んでみよう…とまた新たに読みたくなる本も増えた。
対談内容は真面目に多岐にわたっていて、心に残る言葉やフレーズがたくさんあった。
Posted by ブクログ
花田菜々子さんと対談面白かった。ヨシタケシンスケさん、ジェーン・スーさん、岩田徹さんのところを読んだ。特に岩田さんとの対談で、選書し合うというのがよかった。
Posted by ブクログ
現役書店員と著名人(20人)の対談集。著者の反応が良く、各々の話に気づき発見。特に岸政彦(社会学者)、永井玲衣(哲学研究者)、飯間浩明(国語辞典編集者)の話に唸る。