森史朗のレビュー一覧

  • 司馬遼太郎に日本人を学ぶ
    歴史小説の大家、司馬遼太郎の膨大な作品群を通して、司馬遼太郎の本質に鋭く迫ったブックガイド。

    司馬遼太郎の担当者であった著者が、維新史に関する司馬作品の読む順番や司馬作品の魅力、司馬遼太郎が昭和前期の戦争を描かなかった背景などを書いています。

    司馬遼太郎の作品を読みたいが、どれから読めばいいのか...続きを読む
  • ミッドウェー海戦―第二部 運命の日―
    日米の人事の差も大きく感じる海戦の結果となった。
    山本五十六→南雲忠一&草鹿龍之介へ作戦の目的・趣旨が正確に伝達されていなかった。
    太平洋戦争開戦以来の戦勝気分からぬけておらず、またその後の敗戦の研究もされなかった。
    少しでも研究分析をしていれば、この後の戦闘も幾分違ったはずである。
    また、艦艇の沈...続きを読む
  • 松本清張への召集令状
    清張の兵隊へのとられ方は、大岡昇平のそれとよく似ている。30歳代、妻子持ち。恣意的であることをうかがわせる人選。生きて還ることが期待できず、遺された家族の苦痛や苦労がまじまじと想起される状況。絶望の大きさは計り知れない。
    ひとの欲にまみれた描写の多い社会派作品を今に読むとき、清張の軍隊経験やサラリー...続きを読む
  • 暁の珊瑚海
    <ガダルカナルとは>

    ラバウルからガダルカナルまでは、東京から下関くらいの距離がある。

    <薄暮攻撃(夕方に攻撃出発)の緊張感>

    レーダー、GPSがない当時、母艦に戻るのも一苦労である。限られた燃料で、母艦を探すのも一苦労、ましてや夜の闇の中では・・・・。

    母艦が見つからない場合、海中の藻屑と...続きを読む
  • 司馬遼太郎に日本人を学ぶ
    日本陸軍の不条理に立ち向かい、指揮命令した参謀の非道さを糾弾する司馬さんの小説が読みたい。

    とりあえず「この国のかたち」を読もうと。
  • 司馬遼太郎に日本人を学ぶ
    司馬さんの事が書かれている。深く日本と日本人の事を司馬さんが考えていた事に真摯に感動した。今サラリーマンとして働いてるが働く人も歴史を考えながら未来を考えながら働いていかないとダメではないか?教養がサラリーマンも大切だなと、それが働く姿勢に繋がる事に自分で実感しつつある事に、自分で気付いた事に少しだ...続きを読む
  • 松本清張への召集令状
     清張という人の本や映画を同時代で読んだり見たりした人間と、かつての有名な作家として読む人の差は、司馬遼太郎等々他の人気作家の作品以上に落差が大きいように思う。
     同時代に生きた読者にとっての清張の本の不気味さは主人公そっくりな人間が気が付いたら読者の身の回りのあちこちにいたというところにあり、また...続きを読む
  • ミッドウェー海戦―第一部 知略と驕慢―
    戦争は人間がするものであり、人間がするからこそ、そこには過誤がつきもので、それが実際の戦闘では勝敗を分ける決定的な要素として作用してしまうこともあるということがよく分かる。
    大規模な作戦になればなるほど、実際の戦闘に至るまでの戦略的要素は重要で、人事を含めたいかにも日本的な処置は、この海戦が負けるべ...続きを読む
  • 暁の珊瑚海
    すぐれた戦記です。この本を読んで、井上成美に興味を持ちました。
    珊瑚海海戦について思ったこと。
    米艦は既に対空レーダーを装備していた。実際に5月7日の夜、日本機が旋回して消えた、すなわち着艦までが見えていた。
    米艦隊は輪型陣を組み艦攻の進入が困難であったが、日本艦隊は、空母と重巡が数キロも離れていた...続きを読む
  • 暁の珊瑚海
    太平洋戦争中の珊瑚海海戦の一部始終がよくわかる戦記。
    限られた情報の中で、人間がどのように判断し、行動するのかということが丁寧に描かれている。
  • 特攻とは何か
    世に名高い神風特別攻撃隊の創設・命令者側にスポットを当てた作品。巷間では大西瀧治郎海軍中将が航空兵力が潰滅したフィリッピン戦線で苦肉の策として命じ、関行雄海軍大尉が志願してその先陣を承ったというのが特攻神話の始まりとされているが、事実は昭和17〜18年の激戦期において海軍中枢(陸軍でも同様)にて計画...続きを読む
  • ミッドウェー海戦―第一部 知略と驕慢―
    ミッドウェー海戦の双方攻撃開始直前まで。 なんとも日本軍の情けないことか。 この時点ですでに勝てない海戦だったことがわかります。 結果から言えることでもあるのですが、すべてが甘すぎました。こんな状況では長い戦争に勝てるわけがありません。 映画「ミッドウェイ」を見てから読みました。
  • 司馬遼太郎に日本人を学ぶ
    2017/7/1流し読み。一番「燃えよ剣(土方)」だそうな。「坂の上の雲」のイントロになるか。★4の下
  • 司馬遼太郎に日本人を学ぶ
    司馬遼太郎の作品は長編・短編あわせて67篇におよぶ。さらにエッセイ・評論などを加えると無限に近い。
    しかも一つの長編は文庫本にすると3巻~10巻ものボリュームがある。
    かなり以前に司馬作品を100冊読破したので、もう読む作品も少ないだろうと思って調べたら、読んでいない作品がまだまだあったのに驚いた記...続きを読む
  • 暁の珊瑚海
    珊瑚海海戦を井上成美の第四艦隊赴任から丁寧に追った力作。歴史上初の空母海戦において繰り返された錯誤とミスの応酬。
    真珠湾攻撃をせずに最初から艦隊戦で雌雄を決していた方が良かったはず論が的外れなのもよく理解出来る。日本海軍は航空戦で全然米国の先いけてなかった。
  • ミッドウェー海戦―第二部 運命の日―
    この選書シリーズには珍しいノンフィクション小説。いよいよ後編にあたる本書では、具体的な戦闘の内容に入る。米軍機襲来がもう五分遅ければ、戦闘機の準備が整えられて適切な反撃も出来たとする「運命の五分間」という俗説を暗に全否定。そして戦後処理の「甘さ」を痛烈に批判している。いずれも共感できるところが多く、...続きを読む
  • ミッドウェー海戦―第一部 知略と驕慢―
    この選書シリーズには珍しいノンフィクション小説。日米双方の主だった将兵たちの人物像にも迫る内容は興味深い。日本海軍は戦う前から勝った気になっていて、暗号解読されていることすら気づかず、軍事機密保持の意識も希薄だったらしい。さらに「どうせ米軍空母なんて来ない」という根拠ゼロの思い込みから、索敵も粗雑な...続きを読む
  • ミッドウェー海戦―第二部 運命の日―
    歴史は繰り返されるのだと改めて思った。ミッドウェー海戦は今から70年前の惨劇であった。この海戦敗北の事実を公表するかどうかで三日三晩対策にあけくれ、その結果大本営発表は虚偽に満ちたものになった。以降もミッドウェー海戦敗北の真相は軍関係者達によって、意図的かつ徹底的に隠蔽され続けたのである。同じことが...続きを読む
  • ミッドウェー海戦―第一部 知略と驕慢―
    正確な情報もなしに憶測だけで、よく戦争を遂行したものと呆れてしまう。さらに、機密保持の緊張感も薄れていたのだ。これでは天祐を待つしか勝利は不可能だ。
  • 零戦の誕生
    本書は零戦の誕生を描いている。 
    零戦については華々しい話が多い。かつて日本という国が一瞬とはいえ世界を凌駕した事は誇れる事であろう。 

    しかし、本書を読むと、戦争の愚かさにも気付かされる。宣戦布告なき戦争により日本は中国との泥沼のような戦いを続ける。そこに大義はない。日本には勝利する力はなか...続きを読む