田渕直也のレビュー一覧
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本書は、確率論的思考(=蓋然的思考)という基軸を持ち出し、不確実な世界をどの様な見方で見るか、という意識改革の本である。
不確実性に満ちた複雑な社会においては、確実に予測することは困難であるため、成功を持続させるためには何事をも絶対視せず、確率論的アプローチ(つまり、起こり得る結果を挙げそれぞれ可能性を勘案しながら対処する方法)が必要とのこと。
不確実性がもたらす不思議な効果は次の通り。
①不確実性は何物にも予測することが出来ない
②不確実性の下では失敗は避けられない
③不確実な世界では必ず確率を伴う。
従い、不確実性のもとでは、
1)多様性の確保
2)失敗の許 -
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ネタバレ「不確実性」とは何か?
本書『「不確実性」超入門』は、金融市場のプロフェッショナルである田渕直也氏によって執筆された、経済や投資における「不確実性」というテーマに真正面から取り組んだ一冊である。筆者はリスクと不確実性を明確に区別し、我々が日常的に用いている「リスク」という言葉の裏にある曖昧さに光を当てている。
経済学やファイナンスの世界では、「リスク」は確率分布が既知であるもの、「不確実性」は確率分布すら不明なものとして定義される。しかし多くの投資家や経済主体が直面しているのは、実際には「不確実性」の方である。田渕氏はこの点に強く着目し、我々がどのようにしてこの不確実な世界に適応し、判断を -
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ここまでかみ砕いてそもそも論から金利について勉強できる本は稀なのではないか。ビジネスの現場で計算はするものの、そもそもの仕組みについて理解が乏しかった。金融ニュースで出てくる専門用語がわからず、わかったフリをして読み飛ばしていた部分を気づかせてくれる。たとえばレポ=Repurhcase agreemen=買戻条件付き債券売買=債権現先取引 など。
金融周辺の各要素(債権・株式・市場・中央銀行等)の相互に関係しあっている。その関係性は、金利を切り口に見ると理解しやすくなる。基礎の部分をこの本で把握できるので、実際に変化が起こったとき、背景の推測もしやすくなるはず。この視座が少しもてたのがうれし -
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「リスク」の正しい考え方を学んだ。
リスク=危険、不確実=怖い、と思っていたが、リスク=利益の可能性、のことだった。
経済の話でありながら、諦める=受け入れるといった文脈が禅的でもあり面白かった。
<アンダーライン>
・投資における成功は、相場の行方を正確に予想することよりも、予想外のデキゴトにいかに対処するかにかかっている。
・人はランダムなデキゴトに遭遇しても、それをランダムなものとは感じないようにできている
・人の心理には、モノゴトを一瞬のうちにパターン化して認識し、「明確な結果には明確な理由があるはずだ」と考える傾向が強く備わっているのだ。
・モノゴトはコンセンサスとは違う方向こそ