田渕直也のレビュー一覧
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「リスク」の正しい考え方を学んだ。
リスク=危険、不確実=怖い、と思っていたが、リスク=利益の可能性、のことだった。
経済の話でありながら、諦める=受け入れるといった文脈が禅的でもあり面白かった。
<アンダーライン>
・投資における成功は、相場の行方を正確に予想することよりも、予想外のデキゴトにいかに対処するかにかかっている。
・人はランダムなデキゴトに遭遇しても、それをランダムなものとは感じないようにできている
・人の心理には、モノゴトを一瞬のうちにパターン化して認識し、「明確な結果には明確な理由があるはずだ」と考える傾向が強く備わっているのだ。
・モノゴトはコンセンサスとは違う方向こそ大きく動く性質を持っているのだ。
★予測が当たらないことが問題なのではなく、予測できなことに予測することで対処しようという考え方がそもそも間違っていると考えるべきなのだ。
・人生は「勝率」や「勝ち星」ではなく「総得失点差」を競うもの
★リスクとは利益の可能性のこと
・大きな失敗を避けるためには小さな失敗を許容しなくてはならない -
Posted by ブクログ
金融市場も人の感情の影響を受けて変動している。
不確実性というワードに惹かれて読んでみると、ファイナンスに興味がなかった私も一気に読んでしまうおもしろさ!
本書は「統計学」×「心理学」の側面から株式市場における不確実性について紹介しています。
リーマンショックのような大惨事は統計学上滅多に起きない確率なのに、なぜ起きてしまったのか。→ファットテール、べき分布
シャープ液晶製品への過剰投資→サンクコスト、自己正当化
このような心理学はマーケティングにも通じる点があって、普段読んでいる本に近く親近感を持ちました。読む前まではファイナンスと聞くと、「近寄りがたい世界の話」という印象を持っていましたが、本書を読むことで「ファイナンスも人が作った世界観、人の感情が影響を及ぼすんだ」というイメージへと変化しました。
ファイナンスよく分からない、でも統計学や心理学は好き!という方におすすめの1冊です。 -
Posted by ブクログ
題名の通り不確実性について学ぶ本。
自分に刺さったところを何点か。
自己正当化。人は何かを一旦判断したり、行動したりすると「そうしていなかった場合には決して抱くことがなかったはずの理屈」に囚われてしまう。
→これはその通り。自分のした選択に関して客観的に見れば誤りと思える事でも、ついつい正しい理由、もしくは言い訳を考えて正当化してしまう。
「モノゴトはコンセンサスとは違う方向にこそ大きく動く性質を持っている。」
→反対に行ったときの振れ幅は本当に大きい。これは常に頭に置いておきたい。
勝率を引き上げることで、長期的な総得失点差が犠牲になってしまうことがある。
→失敗は正当化せず、小さいうちに認めて修正すべし。
他にも色々あるけど、興味あれば読んでみてね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレそもそもは仕事の関係でファイナンスの知識が少しでもあったほうが良いと思い、一度体系的に全体像を把握しようと思って読んでみたのがきっかけだった。
M&Aに関連するファイナンス理論を学ぶための本ではないが、株式投資に関連する金融工学やファイナンス理論のこれまでの発展経緯が語られていたが、個人的にはインデックス投資がランダムウォーク理論や効率的市場仮説をバックボーンに考えられた株式投資アプローチであり、一方でバフェットなどの超優良株投資アプローチとは真逆のスタンスをとっていることが改めて整理できてよかった。
また、サブプライムローンがなぜ起きたか、それがどんな意義を持っていたのかについてわかりやすく書かれていたのも参考になった -
Posted by ブクログ
バシュリエのランダムウォーク理論。ブラウン運動からヒントを得た。
将来の価格は予測できないが、確率なら計算できる。
効率的市場仮説=サミュエルソン、ファーマなど。
アノマリーが存在する=小型株効果、割安株効果、モメンタム効果。
バフェットの超長期投資を貫徹することは難しい。
水の温度が下がっていく場合のブラウン運動は、正規分布より両端が引き延ばされた確率分布になる。
株価の分布は、正規分布ではなく安定分布=べき分布になる。=中心部分は正規分布より高く、周辺は低い(中心にいる可能性が高い)。端のほうは正規分布より高い。
中央付近はリスクリバーサル、両端はトレンドが起きる。
タレブのブラックスワン。頻繁に起きる。
JPモルガンは、難局を乗り切った。サブプライムローンの異変に注目した。
普段は負のフィードバックが優勢、ひとたび大きな価格変動が起きると増幅する。正規分布との違いは、市場の本質的な構造。
群衆の知恵=大勢の答えの平均を出すと、政界に近くなる。
市場の本質的な構造は、行動ファイナンスで説明できるか。
プロスペクト理論=損失回避傾向=下落時には売りが売りを呼びやすい。
ファスト&スローシステム=スローシステムは、ファストシステムの言い訳を作るために使われる。論理的であるかのようにつじつまを合わせる。
小型株効果=知っているモノのほうが価値が高く知らないものは価値が低い。大型株より小型株のほうがパフィーマンスが良い理由。
モメンタム効果=バンドワゴン効果。乗り遅れまいとする心理によって、近視眼的な時間非整合割引率=短期をより重視する、で買われる。
ケインズ「市場は投資家が持ちこたえられるよりも長く不合理でいられる」=市場が不合理であっても逆らうな。
短期なら予測できる可能性がある=ルネサンスの例。 -
Posted by ブクログ
確かなものなど何もない、すべては確率論としてとらえるべきである。
ロバート・ルービン
マーケットの本質は、不確実性である。
したがって、優れた投資理論とは、
「マーケットの本質である不確実性にどう対処するか」
自分自身で考え、納得したやり方でないと、いざというときに応用が効かない。
(マハン大佐の教え)
「マーケットは偶然性に完全に支配されることはないが、
しかし、かなり影響を受ける」
マーケットにおける最大の難問
→マーケットでは何が必然で、何が偶然かということがはっきりとはわからない。
☆投資とは、期待リターンの見当をつけ、それを論理的に推定していく作業
☆大切なのは確固たる信念。
投資哲学を持たずして、プラスの期待リターンを追求することはできない。
◎経済学は投資には役に立たないことを示唆する有名な話
「ある男が気球に乗っていたところ、風に流されて知らない土地に来てしまった。
高度を下げ、地上を歩いている男に、『私は今どこにいるか教えていただけませんか』
と聞いたところ、地上の男は『あなたは今、気球の中にいますよ』と答えた。
気球の男は、『彼は経済学者に違いない。言っていることは正しいが、
まったく何の役にも立たない』とつぶやいた。」
ランダムウォーク=相場のブラウン運動
ランダムウォーク理論とは、マーケットの成熟度が高ければ、
相場の変動はブラウン運動に従うという考え方。すべての投資理論の出発点。
ブラウン運動は1827年、イギリスの植物学者ロバート・ブラウンが
花粉の観察中に発見したもの。花粉を砕いた微粒子を水に入れると
不規則な動きを見せる。花粉が水の分子の衝突によって不規則な
ひらひら運動をする現象のこと。
このブラウン運動が相場の動きにも適用されるためには、
次の3つの条件が成り立つことが前提となる。
1.相場を変動させうる情報は、瞬時にマーケットに広がる(情報コストがゼロ)
2.売買に際して、税金や手数料などがかからない(取引コストがゼロ)
3.すべての投資家は、金銭的利益を最大化するように行動する(合理的投資行動)
マーケットがこの条件を満たしていて、その結果、
相場の変動がブラウン運動に従うという考え方を「効率的市場仮説」という。
この仮説上の効率的市場では、次のことが起こる。
ある証券価格を1%上昇させる情報が発生する
↓
瞬く間にマーケットに広がり、1%の値上がり益を得ようと投資家が殺到
↓
その結果、あっという間に価格は1%上昇し、値動きが止まる
↓
この時点からさらに価格が動くのは、それまでの予想に反した情報ができたときか、
あるいはまったく新しい情報が出てきたときで、それが価格を値上がりさせるのか、
値下がりさせるのかは全く予想できない。
新しい情報は水分子、証券価格は花粉粒子
→予測できない不規則な動き、これが「ランダムウォーク」
★ランダムウォークな世界で起こること
○ファンダメンタルズ分析もチャート分析もまったく無意味
○アクティブ運用の期待リターンはパッシブ運用を下回る
→1975年、ボーグルのインデックスファンドが誕生
○サルでもスーパー投資家になれる
→グレアム・ドット村のサルは例外?
◎◎◎ここまでの結論◎◎◎
マーケットの大部分はランダムであり、しかも多くの人が考えるよりはるかに
ランダム性があり、はるかに予測が難しい。
しかしバフェットやソロスやリンチの例もあるように、知性によって収益を獲得する機会、
マーケットの非効率性が存在ことも少なからずある。
つまり、すべての投資理論は、強力なランダムウォーク理論を乗り越えなければならず、
それができて始めて投資理論として意味を持つようになる。
マーケットにわずかに残る“ランダムではない部分”に焦点を当てない限り、
期待リターンを高めることはできない!
マーケットに非効率を発生させうる人間心理の強い偏りを
解き明かすのが『行動ファイナンス』
中心にあるのは、カーネマンの損失回避理論、すなわち「プロスペクト理論」
→人間は損失を回避することを優先する
人間は利益が出ると小心になってすぐに利益を確定しようとする。
損失が出た場合は損失を確定するよりもそのままのポジションを維持しようとする。
損が出た途端に「長期的に見ればいつか上がるだろう」と、
いつのまにか自分を長期投資家に修正してしまう。
投資とは結局のところ「人間の本性との戦い」であり、
その戦いに勝利しない限り持続的な成功は望めない!
→オニール曰く「やりたくないことをたくさんやらなければ勝ち続けられない」
そしてフリーランチ(マーケットにお金が落ちている状態)には貪欲にくらいつく!
●投資に必要な資質
1.マーケットもしくは投資が好きであること
2.数字に強いこと(バフェットは暗算がすごい)
3.信念と柔軟さのバランスがとれていること
4.最終的に自分だけの投資戦略を編み出すこと
マハン大佐の教え
「戦略や戦術は教科書や授業で教わることではない。…
借り物ではなく、自分自身で編み出した作戦原理だけが、応用が効くものである」 -
Posted by ブクログ
ランダムウォークに興味を持って購入。肝心のランダムウォーク自体の話は多くなかったが、行動ファイナンス理論の話は楽しめた。
「投資理論は総合科学である」として、ランダムウォークといった物理学(?)、経済指標の分析といった経済学、投資家心理に関する心理学等々が投資にどのような影響を与えるかということに関する理論が述べられており、必勝法的な話と異なり、投資に関する学問的(?)な奥深さが感じ取れて面白かった。
ただ気になったのが、全て理論の話だけであり、科学にとって本質的な実験的な検証の話が全くないということ。リスクプレミアムや裁定機会の話も理論としては面白いが、それらが測定できないのであれば、理論としての検証もできず、また肝心の投資行動の実践にもつながらないと思われる。
まあ一部の”優れた投資家”は、それらの測定法やそれに基づく確率的にほぼ確実な儲け方の数式を持っているが、それを公開した瞬間に、量子力学のようにそれらはその意味を失うから、書籍のような形で人の目に触れる機会はないのかもしれないが。