田渕直也のレビュー一覧
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・FOMCは年8回会合を開催し、短期市場金利であるフェデラルファンド金利に誘導目標を設定する。
・日銀は無担保コール翌日物の取引金利に誘導目標を設定及び、日銀当座勘定を調整することで短期金利をコントロール。加えて世界的に珍しい事例ではあるが、10年物国債利回りに概ね0%の誘導目標を設定することで、長期金利のコントロールもしている。(無制限に国債を購入することで対応)このように長短双方の金利をコントロールすることをイールドカーブコントロールと呼ぶ。
3-3
・債券市場と株式市場を合わせて、キャピタルマーケットと呼ぶ。キャピタルマーケットは発行体が新規で資金を調達する発行市場(プライマリ -
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現代ファイナンス理論は正しいのか?そして投資家に役立つのか?前者への答えは、「ある程度までは正しい」。後者への答えは、「イエス」。
紹介されるのは、ランダムウォーク理論、効率的市場仮説、デリバティブ価格理論、モダンポートフォリオ理論、リスクの計量化など、現代ファイナンス理論の骨格。
理論への批判として、ブラックスワンの存在と、人間の非合理性を明らかにする行動ファイナンス(または行動経済学)のあらまし。
最後にヘッジファンドの確率論的投資手法、人工知能の活用など。
研究と実践のせめぎ合いの中で、ファイナンス理論は発展してきた。不確実性の支配する市場で、いかに利益を上げ続けることができるか。人 -
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金融業界で生まれた多くの主要理論のエッセンスを、時系列で理論同士の関係性も含めて解説している。市場で起こったイベントと理論の発展には相関性があるので、時系列で追っていくとすっきり頭に入ってくる。また、多くの名著を紹介していて、次に読みたい本が芋蔓式に見つかる。個別の理論を勉強する前に一度目を通しておくべき良著と思った。
「理論を絶対視することはナンセンスである。一方で、それを無視することも得策ではない。理論からは多くのことを学ぶことができる。もちろん、理論と現実にはずれがある。しかし、そのずれこそが宝の山なのだ。宝の山がどこにあるかを知るためにも、理論について知る必要があるだろう。」
フ -
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評価が低いが…
本書で耳タコレベルで何度も言っているように不確実性に対してそれ以上もそれ以下もなくて、常にそれはランダムなのだから“自分が”いかにそれに対処するかでしかない。
もっと深いことを知りたいなどと評している人はたぶん投資でガチで聖杯を探している人だと思う。
私はそんなものはないというスタンスなのでこれ以上そうした方々へはなし。
本書の感想としてはトレーダーならば必読の書だと思う。
十人十色リスク値が違う以上、万人にフィットするものなど存在するわけがない。
だからこうした“基礎レベル”を耳タコで解説している書籍が重要となってくる。
これ以上説明しようのない事象に対して正解を求める -
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ネタバレ手元に置いて、何度も読み返したい本です。
装丁は、一見すると教科書のようですが、文章が固くないのでとても読みやすいです。
内容は、しっかりとした金融の教科書です。
金融の基本を押さえたい方にも向いていますし、さらに実践的な内容を求めている方にも、お勧めできます。
なぜ、いまこうなっているのか、と疑問を呈して説明をするから、読者は引きこまれていきます。
構成もユニークで、一般的な金融の総論より興味をそそると思います。冒頭に金融の世界史から入ります。債券の章は、説明が具体的で丁寧で、債券についてこれほど分かりやすい説明を見たことがないと言い切れるほどです。
理論と実務上の事実を、読者が結び付 -
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●超要約:市場は読み切れないものさ。市場は”信用”という捉えどころのないものに支配されいるから。
●所感:パート1〜8は再読価値あり。
●メモ
・心理バイアスによって市場は非合理的に動く。で、心理バイアスの変異を予測はできないので、結局市場を読み切ることは困難。
・ファットリバーサルとはリーマンショックのような正規分布から逸脱した以上な事象が起きることであり、これを効率的市場仮設では説明できないのです。
・バフェットの成果は確率的には激レア。市場のボラティリティを20%として50年平均で15%以上の収益率を達成する確率を計算するとゼロ。宇宙の歴史138億年でみても発生確率はほぼゼロのまま。
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ネタバレ第1章 世界は不確実性に満ちている。
第2章 歴史と不確実性(中国や日本の戦国時代、ヨーロッパの歴史と不確実性について述べている)
第3章 市場と不確実性(主に株式市場について)
第4章 科学と不確実性(主に量子力学について)
第5章 確率論的思考(真に必要な意識改革)
不確実な世界で必要なもの
・多様性(多様な人材、手法、観点、才能)
・失敗は避けられないので避けようとするのではなく
柔軟に対応できるよう仕組みを整える。
失敗から学んで修正する。
・長期的視点にたつ
破滅を避ける方法
・小さな失敗をする
・ばくちを避け勝てる戦いをする
・致命的な失敗を防ぐために利益を犠牲にする
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