清水晶子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレトランス男性/女性という言葉自体、ジェンダーのカテゴリーは2つだけしかないという考えに異をとなえる人からすると不適。
今日におけるトランスジェンダー問題とは、シスがトランスとの共存の中で発生する問題であり、トランスが直面している問題ではない。
家庭内暴力のシェルターは深刻なまでにジェンダー化されており、トランスを念頭に置いていないため、ホームレスや殺人事件につながっている。
暴力の脅威があるせいで、多くのトランスが自分の外見を変えるか、公共喰うy間を通る仕方を変えるか、どちらかを選ぶように強いられていると感じている。
不遇にある人々から、ラディカルで怒りっぽく、品が悪い人々によって運動が奪われる。そして、その運動は今度は卑劣なアクティビストによって売名のためにダメにさせられる。
人々をセックスワークに突き動かしているそもそもの制度的な原因、とりわけトランスの人々を動かしている原因に対処することなしにセックスワークを犯罪化することは、すでに存在している不平等な取引をより強固なものにする。結果、ワーカーはますます危険に身を置くようになる。)
トランスジェンダーは誤解によって、同性愛者からもフェミニズムからも敵視される部分がある。 -
Posted by ブクログ
男性ですが、フェミニズムに興味を持ち、リサーチして本を選びこの本で言うフェミニズム第二波の米国女性の本をまず読んでみました。ですが、翻訳と言うことも時代背景もかなり違う事もあるのか、テーマが大きすぎ捉えきれませんでした。そこにふと、本屋で見かけたフェミニズムという文字に導かれこの本を手に取りました。各世代のフェミニズムが整理されて、自力でもやもやしていたことがクリアに見えてくるのが痛快でした。当たり前ですが、なるべく近い環境で現行で研究されている専門家を探すことが理解への近道と言うことを思い知りました。勿論、フェミニズムと言うテーマには終わりなどあるわけで無く、こういった視点で議論や改善が行われる事がフェミニズムなんだと言う気づきを得られる良書と感じました。どんな人にも、無関係でないこの話、読みやすくイメージの湧きやすい事例も豊富です。
-
Posted by ブクログ
【なぜ読んだか】
「フェミニズム」という考え方にTwitterを通じて数年前に初めて触れた。その後ネットニュースやコメントを見てその観点から論じる、批判する人の「都合よさ」を感じており、「女性の生をよくするためには手段を選ばない」嫌悪感があった。しかし同時にそんな理解でいる自分に危うさを覚えており、本当に嫌うべき考え方なのか、きちんと理解しておきたいと考えたため。
【感想】
フェミニズムについての理解を「女性の生の可能性の拡大を求める思想や営み」と改めた。
第一波、二波、三波と男性優位の社会に異を唱え、権利を獲得してきた歴史を知り、嫌悪感は無くなった。
私が嫌悪感を覚えたネット上でのフェミニズム的発信は、本書の中で「短絡的」で無理な「単純化」をしており、建設的でなく、無益だと断じていた。
主題をフェミニズムに置きつつ、性と生殖について、セックスワーク、結婚の不都合な真実、アメリカでホットになっている中絶など社会的に議論が必要な内容についても述べられており、自分の考え方や固定概念を解きほぐし、哲学的な思索に導く良書だと思う。
フェミニズムにもいろんな立場があり、1つのフェミニズムの意見をフェミニズムを代表していると考えず、多様な立場がいるのだと考えることにする。
分厚い本ではないが、腰を据えて読まなければ右から左へ抜けていってしまうような少し難解な本で読み応えがあった。興味深く、満足。読んで良かった。
【マイナス点】
中絶のところで愛知県の20歳女性が中絶に配偶者の同意が必要だったのに、男性が逃げたため手術できず、公園のトイレで産んで遺棄した事件について、日本の制度を批判し、女性の権利侵害について批判されていたが、調べたところ厚労省から未婚の場合は同意書は不要と見解が示されていた。この批判は的外れだと思う。 -
Posted by ブクログ
女性間の分断から目を逸らさず、一部のフェミニストから攻撃され周縁化され続けているマイノリティ女性を排除することなく書かれた、安心して最後まで読めるフェミニズム入門。J・K・ローリングのトランス女性に対する一連のヘイトスピーチの根源にあるのはインターセクショナルな視点の欠如だと指摘されている(p77)箇所は、これまで目にしてきたローリングへの批判のなかで一番腑におちました。家族のあり方が多様化していく現在・未来における人と人との関わり方を考察する最終章(「16 誰も完全には自立していない−オルタナティブな『家族』のあり方と依存の受容。」)も希望が持てて良いです。
-
Posted by ブクログ
最近祖父が亡くなり、色々と手続きに追われる親を見ていて死後のことって大変なんだなと感じたこと、もし自分なら…?と考えたことがきっかけで読んだ。
親が亡くなるのは、まだまだ先のことだと思いたい。
でもいつかやってくるのが現実だし、そのときにバタバタしないためにも今できることを知りたいと思った。
とても現実的な内容で、参考になることがたくさんあった。
介護、葬式、お金、相続のことなど…。
今すぐにでも親に会って話しておかないとと思うこともたくさんで。
難しい話をすごく分かりやすく噛み砕いて書いてくれていて、理解しやすかった。
なるほどと思うことも多かった。
とは言え親の死なんてまだまだ目の前に迫ったこととは思いたくないけど、いつかそのときが来るまでに、この本に書いてあることを少しずつ実践していきたい。
第三者の視点で話題を持ち出すこと、は使えそうな手だなと思った。 -
Posted by ブクログ
は~時間かかった…
・UKはトランスフォビックが激しい。NHSの問題もあいまって治療にすごく時間がかかる
・トランスフォビックなフェミニストが政治的に反中絶などの右派的な人と組むことがある
・トランスヘイトの世界的な高まり
・刑務所廃止主義というのがあるのははじめて知った。性犯罪の厳罰化は賛成だが、安い労働力としてこき使われているのも事実
・”プライド”はブランド化され企業のイメージ戦略に使われてるだけじゃない?というのはそう思った。
ややこしいことを持ち出しているというのはそうだし、大掛かりな手術をしてでも性別を変えたいというのはなかなか想像しづらいが、もし自分がそうだとしたらどれほどつらいだろうな。トイレや風呂は一部のクソ野郎のせいで不自由だし。
オトコはみんなレイプ魔でオンナはみんなバカだって?落ち着きなよ。 -
Posted by ブクログ
LGBTQ差別、障害者差別、外国人差別の3つの差別からポリティカル・コレクトネスを考える本。
鼎談と三人の著者それぞれの執筆章を交互に挟んだ形式なので、とても分かりやすかった。
特に障害者差別について知らないことが多かったので飯野由里子さんの章は勉強になった。「個人モデル」と「社会モデル」という言葉も初めて知ったが、障害者個人に障壁があるのではなく、健常者の使い勝手しか考えない社会こそが障壁であるという考え方は、本当に大事だと深く納得した。
ハン・トンヒョンさんの章で、ポリコレを「社会的な望ましさ」と定義し論じている内容もとてもよく理解できた。
憲法学者の志田陽子さんのポリコレに対する定義「マイノリティ側にも対等な言論の自由、表現の自由を保障する」という意図で「マジョリティ側の無自覚な差別に対しての気づきを迫る対抗言論を積極的に承認するもの」を引いているが、まさにそうだなと思う。
ポリコレ棒などと呼ばれ揶揄されるように、ポリコレが日本では配慮の行き過ぎや言葉狩りと捉えられていることが多いのが残念。
配慮が行き過ぎているどころか大分遅れているのに、バックラッシュが巻き起こっているというのも深刻な問題だと思う。海外では、差別があることについてどうするか?という議論なのに、日本では、そもそも差別は存在しないという話になって、差別があると認めさせることから議論を始めなくてはいけない、という話も深刻な問題だと思った。また、マジョリティの特権性について話すと、マジョリティ側を傷つけないように配慮してほしいという話になる、と…そこは配慮する必要あるのかな、と思ってしまうが…。
全体を通して、清水さんがポリコレにリスクを感じているということが、どうにもよく理解できなかった。性的な自由さ(反道徳的なもの)とポリコレとは別に相反するものではないと思うのだが…(ハンさんもポリコレはその点も包摂していると言っているが)。