代表して1巻のみ、レビューします!
タイトルが「ようこそ実力至上主義の教室へ」という事だけあって、舞台は高度育成高校と呼ばれるクラス単位で協力し合いながら、トップのクラスを目指すことが当たり前とされている高校が舞台である。主人公の綾小路はそんな学校に入学したが、とある理由から平凡な学校生活を送ることが目的であり、あまり興味なさげに生活している。
綾小路のクラスはDクラスでいわゆる「落ちこぼれ」である。確かに在籍する生徒はどこか問題がある生徒ばかり。しかし一芸に秀でたものが多くいるクラスでもあるのである。
クラスのリーダー的な存在の堀北はヒロイン的な立ち位置であると思われるが、色恋沙汰になるようすは全くない。それどころか主人公の実力に感づいているものの、どこか胡散臭く見ている。以外にもその他のキャラクターとの辛みが豊富なのである。これがヒロインといえる人物はいないのかもしれない。そもそも主人公の内面描写が淡白すぎて、恋愛も「普通の高校生ならするからやってみよう」ぐらいの感じである。これは綾小路の過去に大きく要因があるのだろうが、感情がほとんどなさそうな書き方をされている。
主人公視点で進められるが、数多くの登場人物が出てくる。ここまで登場人物が多い作品僕はあまり見たことがないレベルである。しかもしっかりと絡みや、ストーリーに関わってくることが多いため作品のレベルの高さがうかがえる。
ラノベと侮るなかれ。様々な試験はかなり良くできており、読者も頭を使える点、各クラス正攻法で攻めるクラス、絡めて、反則ギリギリを攻めえるクラスと様々な戦いが見られる点でかなり楽しめる。ミステリとはまた違うがそういった内容が好きな方。いわゆる、騙し合いがある頭脳戦好きな方にオススメです。