緑慎也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10年以上前に発行された本なので、技術的には今はもっと進展していると思うけど、なんとなくiPS細胞やES細胞の特徴と、iPS細胞の将来展望が理解できた。すごくわかりやすい例えで説明されており、医学の素人でもなんとなーく理解できた。
実力や努力だけじゃなく、運や、政治的な働きも必要な世界なんだなと、山中さんはタフなかただなと感じた。
時々垣間見えるプライドの高さも、大学の先生という感じでリアルでよかった。
最後に語られた志の高さに涙が出そうになった。
以下、わたしの理解。違うかもしれんけど。
ES細胞:
増殖力が高く、簡単に増やせる。分化多能性といって、神経細胞や筋肉細胞など体を構成する全ての細胞を作り出せる。ただし、必要な材料である"胚"(受精卵が細胞分裂し、着床準備を始めた段階)は子宮から取り出して入手することになる。さらにES細胞にするためには、胚をバラバラにして培養する。倫理的に人に適用できない。
iPS細胞:
胚を使わず、皮膚や血液など簡単に採取できる細胞から作られた、ES細胞(=色んな細胞に分化できる細胞)に似た細胞。ただし、皮膚には皮膚、血液には血液としてのDNAがプログラムされているので、ES細胞化するには"初期化"する必要がある。その初期化に必要な遺伝子を発見し、初期化された細胞(=iPS細胞)を再現性良く作成できることを論文投稿し、ノーベル賞を受賞した。
患者本人の皮膚からiPS細胞を作成できれば、免疫拒絶問題も解決できる。そこがES細胞とは異なる特徴。
再生医療や、新薬創造の分野での活用が期待できる。
本棚で保管 -
Posted by ブクログ
私が小学生だったころ、NASAが打ち上げたボイジャー2号が木星、土星の観測を実施し、送信されてきた美しい鮮明な映像(静止画)に「凄い!」とときめいた事は今でも印象に残っています。NASAは1990年代以降も木星にはガリレオ、ジュノー、土星にはカッシーニという大型の探査機を送り込みました。カッシーニは最大の衛星タイタンに着陸機も送り込み、タイタンの地表の撮影にも成功しています。
これらの外惑星の領域では当初は生命の存在する可能性はほとんどないと思われていたのですが、実は地熱や潮汐力による摩擦熱などにより、衛星の地表面から深い領域では生命の存在の可能性まで十分考えられる環境であることが判明しています。
本書は上記のような成果について、NHKがBSで放映している「コズミックフロント」の制作班が分かりやすく紹介しています。本書では木星、土星だけではなく、水星、火星、金星や天王星、そして数年前に観測が実現した冥王星にまで言及しています。
ボイジャーが映像を送ってきた時には、ほぼリアルタイムでNHKが特集番組を放映していて、それを食い入るように見ていた記憶があります。ボイジャーよりも精細な画像や、より科学的に深い事実が発見されているのに、それを紹介するマスメディアが少ないのが残念です。「有人」の宇宙活動は、まだまだ月でも精いっぱいというのが現状ですが、無人探査となれば、人類は太陽系のかなり外縁まで探査の目と腕を伸ばしつつあることが実感できる1冊です。欲を言えば、本の値段が高くなってもカラーの画像などももう少し掲載してもらえれば良かったのに、と思いました。 -
Posted by ブクログ
芦田愛菜さんがおすすめしていたので読んでみました。
あの偉大なノーベル賞受賞者の山中伸弥先生がもともとはジャマナカって呼ばれるような人だったとは、とても驚きました\(°o°)/
研究の内容は、私には少し難しく理解するのにだいぶ時間がかかりました。。。
人間万事塞翁が馬(何か良いことがあったら、それは今度悪いことが起こる前触れなのかもしれない。何か悪いことがあったら、それは今度良いことが起こる前触れなのかもしれない。)という言葉が好きです。悪いことがあってもその分また良いことがある、そういう考え方がいいと思いました(. ❛ ᴗ ❛.)
おすすめの一冊です!! -
Posted by ブクログ
iPS細胞の発見に至った山中先生の話。
実際に何度か講演を聞いたことがあり、その時の印象と同じだった。
「自分は運が良かったんだ」と謙遜しながらも、陰ですごい努力をされている。
さまざまな苦難があり、それでも負けずに進んだからこそ今がある。
そんな山中先生がグラッドストーン研究所に留学中に心に響いた言葉が以下。
「人生で大切なのはVWだ」
Vはvision
Wはwork hard
一生懸命やるだけでも、長期的なビジョンを掲げるだけでも足りない。
両方があってはじめて形になるのだと感じた。
果たして自分はwork hardできているのだろうか… -
Posted by ブクログ
NHKの特集番組のメイキングという体でわかりやすい。
なぜ新型インフルエンザが恐ろしいのか、なぜ防げないのか、パンデミックや大被害を防ぐためにどのような研究や努力がなされているのか、ということについてよく理解できた。
政治も科学も重要だ。直接関わらない我々にできることは少ない。
ところで自分はインフルエンザの予防接種には2つほど疑問があってあまり積極的には受けてないんだけど、1つ目の、なんで何回も同じものを毎年受けないといけないの? 免疫って1度付いたらある程度の期間は有効のはずだよね、って疑問についてはだいたい理解できたつもり。
もう1つの、そのワクチン、ほんとにこれから流行る型に有効なの? って疑問はまだ解けない。 -
Posted by ブクログ
世界的な交通網の発達や、医療の進歩で人類の寿命が伸びたことで、人類の脅威として常に注目を浴びるウイルス感染症。ここに焦点をあてたNHKの番組の書籍版です。
当初番組ではジカ熱に焦点を当てようとしていたとのことですが、取材を進めるにつれより重大な脅威として浮かび上がってきたのはインフルエンザウイルスであり、それを柱に据えた一冊になっています。
病原性の高さなど、インフルエンザウイルスが注目される理由はいくつかありますが、その最大の理由として「インフルエンザが最大の人獣共通感染症」であるという点があげられています。インフルエンザウイルスは、よく知られているヒト、鳥、豚だけではなく、犬、猫、馬、虎、アザラシ、クジラなどにも感染するのです。
こうなってくると、仮に人類の間でインフルエンザウイルスを撲滅させても意味はなく、あらゆる動物のなかでそのウイルスは生き残り、進化し、また人類を宿主とすることを繰り返すことになります。
つまり、ウイルスは撲滅するのではなく、どう付き合っていくかを考える必要があるということです。
これを本書では「ウイルスとわれわれヒトは仲間であり、敵でもある。その関係は、哺乳類誕生に遡るほど古く、だからこそウイルスと、その対策のイタチごっこが果てしなく続くことを、私たちは覚悟しなければならない。」と表現しています。
ここまで読んだとき、最相葉月がその著書「未来への周遊券」で仰っていた次の言葉を思い出しました。
「ウイルスは三十億年前に誕生し、過去に動植物を絶滅させた例はない。動植物の絶滅はウイルス自身の絶滅をも意味するからだ。未来は、ウイルスと共存してきた歴史の知恵を必要としている。」
そう、対策ではなく共存のための知恵が求められているのが現代だと改めて気づかせてくれた一冊です。