安澄加奈のレビュー一覧
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水沢文具店。
スカイツリーの見える下町の商店街にあるが、店主は若く、輸入物のノートや筆記具なども多く置かれ、センスよく並べられている。
店主・水沢龍臣は黒縁の眼鏡を掛け、ぶっきらぼうであるが、店はなぜか近所の子供たちのたまり場になっており、「たつ兄」と、親しまれている。
ノートとペンを買えば、その人だけの物語を書いてくれる。
水沢という名前から想起されるイメージは、水色。
みずみずしく透明感にあふれている。
雨上がりの水たまり。
そこに映る、虹、水の中の世界のような。
『明日町こんぺいとう商店街』というアンソロジーがとても素敵で、三冊出ているのを全部読んでいた。
それで、タイトルを見てすぐ、「あ、あれに載っていたお話の続きだ!」とうれしくなって手に取りました。
誰かの笑顔を取り戻していくお話。
不器用で自信の無い人が、一生懸命生きるお話。
大人も子供も、明日のことはわからない。
でもそれは、誰にでも真っ白のノートのような明日が用意されているということ。
そこには好きな言葉を選んで、物語をを綴っていけばいい。
好きな色を選んで、かたちを描いていけばいい。
とても素敵でした。
しかし、
なんと。
アンソロジーの続編は、この前にももう一冊あったらしいです!
う~ん…
どうりで、「あれ?いつのまにそうなった?」ということがあったのですね。
もちろん、すぐに読みます!
灯りともす野帳――蓮
万華鏡クレヨン――絵茉
ヒーローの消しゴム――貴哉
名前のない色インク――詠司
オリジナル物語帳――栞と龍臣 -
Posted by ブクログ
面白かった。日本最古の物語といわれる『竹取物語』を、現代の若者向けにテンポよくアレンジしてある。特にかぐや姫が五人の公達にリクエストした五つの品を、それぞれ真実を映したり雷を操ったりできる神の力が宿った宝に見立てたところがよかった。中でも蓬萊の玉の枝は秀逸。月の満ち欠けにあわせて熟す白き果実ーーそれをひとかけ口にすれば、この世の知恵を望むだけわがものにできる。そしてその力を使った藤原不比等が右大臣として君臨したという設定もまことしやかで痛快だ。が、肝心の月守りカップルがかぐや姫と皇子というのはやや出来過ぎで安直感あり。あとラストの2行は蛇足だと思う。
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Posted by ブクログ
こんぺいとう商店街2弾目は、前作よりも胸の奥がチクリとしたり、ひりひりしたり、しんみりしたりするお話が多かった。
けれどやっぱり、この商店街のお店はどこも居心地が良いのです。
おまち堂のひじきにはちょっと泣けた。
栄養と思いやりたっぷりの料理には体だけでなく心も満たしてくれる力がある、はず。
水沢文具店もいいなぁ。
落ち込んだ時に元気の出るお話を書いてもらいたい。
欲しい言葉をくれる、といえば鳥吉のキヨちゃん。
こういう優しさ・友情に弱いのです。
人生の迷い道。行き止まりに見える時には益のあるアドヴァイスよりも、一緒に怒ったり泣いたり笑ったりしてくれる、ただそれだけのほうがいい。
そして一番気になるのは、カフェ・スルスのりゅんちゃんを巡る恋模様(笑)
第三弾が待ち遠しい♪ -
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◼️ 安澄加奈「はるか遠く、彼方の君へ」
高校生たちのタイムスリップ源平合戦。歴史は、どう変わった?
家庭環境に恵まれず人らしい感情を失っている桐谷夕鷹(ゆたか)、幼い頃夕鷹の隣に住んでいた活発な女子高校生・阿南華月(かづき)、医師一族に生まれ自らも医学部を目指している遠矢宗一。静岡、長野、東京と違う地域の高校に通う3人が修学旅行の京都国立博物館で三種の神器の剣を見て、同時に源平合戦の時代にタイムスリップ、源義経に拾われ、庇護される。元の時代に帰るには、剣が必要と考える。それは義経が探しているものでもあったー。
タイムスリップ、時代のギャップに別れの切なさ。パターンとしてはよくあるライトノベル風のもの。でもなるほどうまく作ってるな、と感心する。
エリアの違う高校生を集めるには修学旅行の京都であり、三種の神器は壇ノ浦の戦いで海中に没したものを源氏方が必死で探した史実から共通のポイントとなり得るし、高校生のうち1人を医師志望にしたのは病気や傷への知識をさりげなく使うため、などなど気が利いている点が目につく。何より歴史的大転換点の源平の争いと伝説を上手に絡ませているからおもしろい。
華月が弓を習う那須与一への憧れの心、さらに宗一と、平家から来た美弥姫と宗一との恋、さらに夕鷹は・・と高校生ものらしく一途で初々しい色もついている。
夕鷹たちは武術や馬の鍛錬をし、対立する梶原景時も含め義経方の人間関係の中にいて、一ノ谷から壇ノ浦までの戦いを体験し、それぞれ変わっていく。現代に帰ってからのエピローグ篇も収録されていて、満足感がある。
言ってみれば永遠のパターンを踏んでいる物語。しかしそういったものは他にもたくさんある。要は史実をどう読み解くか、物語をどのように肉付けしていくか、にかかっているかなと思う。
結局、芯の謎が弱いなという感想ではある。でも歴史をなぞり直しながら楽しく読めて爽快感があった。願わくばこの書評が、著者本人が望む続編出版に向けてささやかな力を添えますように。 -
購入済み
シリーズ第2弾。スカイツリーを見上げる下町の片隅に、ひっそりと息づく商店街を舞台に人間ドラマ。ひとつの商店街を舞台に6人の人気作家が紡ぐ、ほっこりおいしいアンソロジー。