渡邉義浩のレビュー一覧
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「三国志」と「三国志演義」の違いについて分かりやすく書かれており、凄く勉強になった。また、曹操の文学奨励は儒教価値観に対抗する新たな価値観形成のため、孫子の注釈を行ったのは自分が不在の戦場でも部下と戦術を共有するため、天下三分の計は諸葛孔明ではなく魯粛の発案であった事等々、目から鱗。劉備が臨終の際に孔明に劉禅を託すと同時に暗愚であれば簒奪しても良いと言ったのは孔明に対する牽制というのも、豊臣秀吉が臨終の際に豊臣家の守護を徳川家康に託した後に滅亡させられた事を考えると納得できる考察である。また、九品中正法等の制度についても中身を理解できた。渡邉義浩さんの本は(専門書は当然難しいんだろうが)分かり
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Posted by ブクログ
魏武(曹操)の注釈した『孫子』で岩波文庫版も同様であるが本書は三国志研究で有名な方の解説により『孫子』と三国志の関わりが分かるという一冊で二度美味しい本となっている。
曹操というと赤壁の戦いで敗れた事により天下統一に失敗した奸雄というイメージになるが命懸けの戦争の合間にこんな注釈まで入れて己の戦争に活かしていたとなると話は変わる。本書ではそんな美点だけでなく数々の失敗も含めて解説してあるので客観的に見ても役立つ内容と思われる。
それにしても自分が居なくても武将達に本を渡していたという事をアッサリと読み飛ばしがちだが1800年位前にマニュアル本という概念を編み出しているのが尋常では無い。普通なら -
Posted by ブクログ
本書では横山『三国志』の名場面が挿絵として挿入され、漫画の世界に浸りながら三国志の歴史を学ぶこと事になります。漫画だけでなく写真や図版も豊富に掲載されているので現地の様子がイメージしやすいです。
また、横山『三国志』と他の『三国志』の違いも語られるのでここも非常に興味深いです。横山光輝先生の意図やその素晴らしい演出ぶりがよくわかるのでこれは面白いです。やはりあの漫画はとてつもない傑作だったのだと改めてうならされることになります。あぁ、また読みたくなってきてしまいました。
中国史は国や都市、人物名が大量に出てくるので混乱してしまいがちですが、やはりそこに漫画というビジュアル要素が加わってくる