渡邉義浩のレビュー一覧
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ネタバレ漫画『キングダム』を題材にした秦による中華統一の謎に迫った書籍。法家の思想や当時の情勢、その後の歴史などが解説されている。
秦は法家の思想を取り入れ信賞必罰の原則によって国を運営していた。しかし、これは画期的なことであった。なぜなら、当時の常識と言えば封建制社会であり、また、血縁関係によって支配する氏族制社会だったためである。実力はあっても要職に就くことができない社会と実力があれば成り上がれる社会。どちらが強い国になるかは明らかだった。結果、秦は中華を史上初めて統一するに至った。(ただ、秦はその苛烈な法制度から民の不満を増大させすぐに崩壊してしまうのだが…)
キングダムをより深く楽しむこと -
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「漢字」「漢民族」という言葉に表れるように、漢帝国は後世の中国にとっていわば「古典中国」として原点とされ続けた「儒教国家」である。
いかにして「古典中国」が築かれていったかを概観する一冊。
そのため、通史に沿って最低限の政治史・外交史は触れられるものの、どちらかと言えば思想や文化史の側面が強い。
儒教という一本の筋を通して漢の歴史を読んだのは初めてであり、大変勉強になった。
(以下は備忘録)
前漢成立初期(文帝の頃)までは、秦の法家思想や中央集権を引継ぎながらも、その峻厳すぎた反省を生かして、国政としては郡国制を採り、思想的には無為自然に代表される黄老思想が重要視され、皇帝の柔軟な政策判断を -
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渡邊義浩 「 三国志 」三国志演義 と 正史の違いから政治的意図を紐解いた本
三国志 正史とは 「正しい歴史」という意味でなく、国の「正統な歴史」という意味。事実か否かでなく→漢の正統を引き継ぐ国はどこか→その国の歴史が正史 という論理。歴史は勝者の記録である ことを再認識
諸葛亮と劉備の活躍は 正史でも演義でも吉川三国志でも見れるが、曹操の功績は正史でしか見れない。とても面白かった。関羽が義の極みとして神格化していることを初めて知った。
三国志の正史と演義の違い
*正史の正統=曹魏=曹操
*演義の正統=蜀漢=諸葛亮
*曹操を正史は悪者としないが、演義は悪者とする
*関羽を 演義 -
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曹操は、『三国志』に登場する中で最も興味深い人物である。日本では諸葛亮が好まれるようであるが、実に先見性を持って時代を動かしたのは曹操なのである。その人物に特化してその事績を追ったのが本書である、と思って手に取って読み進めた。途中で、ふと題名を見ると、「はじめての三国志」となっているではないか。えー!初級者用の本?と驚き、あとがきを見ると「本書は、「三国志」に興味を持った中学生・高校生のために書きました」と書かれているではないか。さらに本書を読み進めたが、どうして、どうして、この本の内容は、初心者向けでも、中高生向けでも無く、かなり高度なものを含んでいる。評者は著者の講義を何度か聴いているが、
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「三国志」と「三国志演義」から“戦い”を選びCG化して解説。
・5分で総覧!三国時代
第一章 漢末の動乱-黄巾の乱から官渡の戦いまで
・三国時代の戦い方(基本篇)三国時代の武器・防具・戦術を知る!
第二章 三国の成立-赤壁の戦いから夷陵の戦いまで
第三章 三国時代の終焉-街亭の戦いから晋の統一まで
・三国時代の戦い方(応用篇)三国時代の実戦を極める!
各章に関連年表有り。参考文献有り。CG画像、地図等あり。
三国時代の戦乱はどのようなものであったのか?
「三国志」と「三国志演義」にある“戦い”をCGで再現してます。
双方に、或いは片方に(主に演義)ある戦いで、その違いも記述。
各戦いには出典も