渡邉義浩のレビュー一覧
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最近、邪馬台国=岩手説というのを耳にしたので、なんとなく読んでみた。
魏志倭人伝を用い、その記述の背景を考察しながら邪馬台国の場所を推定されていく。魏志倭人伝が史書であるがゆえに、その記述が正しいわけではなく、当時の世界観、著者の立場が事実に邪魔をする。
ただし、使者の報告(事実)と理念をどう区...続きを読むPosted by ブクログ -
三国志の成り立ちから邪馬台国へのアプローチはとても興味深い。なぜ邪馬台国の位置があのようになったのかの考察は素晴らしい。と同時に当時の歴史家の著述スタイルなどもわかり、多面的な面白さを感じた本でした。Posted by ブクログ
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昔から広く読まれ,今も小説(吉川英治),漫画(横山光輝),ゲーム(?)で大人気の三国志。曹操,関羽,諸葛亮の三人を中心に,『演義』と正史(含裴注)がどう描くか見比べながら読む。
まず三国志のテキストがどう変遷していくのかを確認。西晋の陳寿が著した『三国志』に,劉宋の裴松之が注をつけた。そしてこの...続きを読むPosted by ブクログ -
著者は三国時代は名士の時代だという。その影響力は強く、政権を安定させるためには、名士の協力が必要であった。実は諸葛亮と劉備の関係も単純なものではなく牽制を伴う関係であったとの分析は面白い。Posted by ブクログ
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本書は一般に親しまれている演義を入り口に正史の記述を検討。そして史実へと誘う三国志の本である。
我々に馴染みのあるのは、演義の世界である事は知っていたが、何処までが史実で何処までが創作なのか、その境界がわからなかった。二袁の真実(袁術と袁紹)や董卓の意外な美点。名士と君主の責めぎあいなど新たな視点...続きを読むPosted by ブクログ -
力がある。おそらくこの方の名著。文学と歴史のはざま。こう、『演義』好きでたまらんけど中公に書くならできるだけ客観的にいかねば、でもやっぱり書いちゃう、みたいな筆致が萌える。おそらくこの方はネラーでもあると思う。Posted by ブクログ
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面白かったです。
「演義」を読んでいるだけだと見えてこない部分や、不自然だなと思っていた部分の謎が解けた気がします。
特に、劉備と諸葛亮のせめぎあいの話は新鮮でした。
3兄弟が何によって結びついたのか。呂布や公孫瓚は強大な軍事力を持っていたにも関わらずなぜ滅んだのか。逆に名門の袁術・袁紹が敗北したの...続きを読むPosted by ブクログ -
正史である三国志と、三国志演技の違いから、史実はどうだったのかと解こうとする。
とにかく面白い演技の世界にも、そうせしめた時代背景があるはずだ。
曹操と関羽、孔明の描き方の特徴から、それぞれの思想的な背景、時代背景を解く。
めちゃくちゃに面白かった吉川英治の三国志に惹かれて、中国の歴史に興味を持った...続きを読むPosted by ブクログ -
てっきり「最強の武将10選」的な羅列ものかと思ってたけど、名士層という切り口から系統立てて後漢時代を切り取った一冊。これまでの三国志もので抜けてた視点が補完されて、今までなんとなくスルーしてたことでその意味と流れを知ることもあったりして、なかなか興味深い内容だった。なにげに最近読んだ三国志ものの中で...続きを読むPosted by ブクログ
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大きな字でややライトな読み心地ですが、本貫による軍師たちの派閥や信頼し合っているようで油断もヘッタクレもない君主との力関係に着目していて面白いです。
あと呉質や孔融のような、あまり良く言われない人物に対して好意的なのもポイントですね。Posted by ブクログ -
キングダムを絡めた発想は良かったと思うが、タイトルの「キングダムで解く」ほど内容がリンクしているとは感じられなかった。
そもそも、著者の熱意が伝わってこない感じを受けた。
秦の行った体制の変革は特異な物で、その後の2000年以上(著者によれば現代でも)にわたって中国を支配したものであり、秦による統一...続きを読むPosted by ブクログ -
中国は国土が広大かつご存知の通り人口14億を抱える巨大な国だ。清の乾隆帝の時代がその最も広い版図になり1470万㎢にも達する。日本ではインスタントラーメンのコマーシャルで中国4000年の歴史というのが定着してしまったが、夏王朝の時代さらに、それ以前に在ったと言われる、三皇五帝(さんこうごてい)時代(...続きを読むPosted by ブクログ
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漢の詳細がわかる新書。
董仲舒が司馬遷の師匠だったり、法家、黄老思想が時代をリードしていて、儒教は後漢になるまでメインではなかったり、王莽は国の簒奪を正当化するため必死だったりとと面白いエピソードが沢山あった。Posted by ブクログ -
三国志演義のストーリーをマンガで楽しみつつ、演義と正史とわかりやすく比較解説しているので、三国志に初めて触れる人向けの本である。自分自身、三国志のことを知りたいけど、どこから手をつけていいかわからないという状態だったので、三国志の導入としてはこの本を最初に読んだのは当りだった。魏呉蜀とそれぞれ魅力的...続きを読むPosted by ブクログ
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孔子の言行を記録したとされる『論語』というテクストが、どのような経過をたどって成立し、こんにちにまで伝えられてきたのかということを解説している本です。
「はじめに」には、「本書は、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、早稲田大学のオンライン授業のために用意した原稿をまとめたものである」と書かれて...続きを読むPosted by ブクログ -
中国「漢」王朝の通史。後世の中国において規範となる「古典中国」の形成・完成という視点から、儒教と国家の関係の変容を軸に叙述している。社会が思想を規定するというより、思想による体制への規制力を重んじているように読める(体制はいかに恣意的な政治行為であっても儒教による正当化理論を要し、なおかつそれに拘...続きを読むPosted by ブクログ
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「三国志の智慧」からの流れで購入した。
三国志における主要な冬樹人物について解説されている。改めて三国志演義や吉川英治の三国志を読むべきだと思う。三国志のような歴史ものは、どのようなスタンスで著者が書いたのか、意識して読むことが肝心なんですね。Posted by ブクログ -
曹操の視点で三国志とその周辺を見ていく内容。
三国志の内容を隅々は覚えていないので、
また、中国の人の名前が覚えられないのとで
ちょっと入ってこないところがありました。
でも三国志の内容で朧気ながら知っていることについて
曹操からの視点での解説は新鮮な部分もありました。Posted by ブクログ