渡邉義浩のレビュー一覧

  • 「三国志」軍師34選

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    三国志に登場する軍師34人について、演義と正史のエピソードを交えて紹介する本です。

    軍師についての総論の後、国別に一人一人紹介していくわけですが、一番面白いのは実は総論でした。

    一般的には、軍師というのは、文官のイメージが強いと思います。しかし、中国では平時には文官、戦時には武官どちらともなれる存在であることを主張します。

    そして、何より、軍師になるような人物は、名士と呼ばれる中国内の有名人ネットワークを駆使しており、そのネットワークには派閥があったと語っています。そして、三国時代とは、名士の派閥間、および名士と主君の主導権争いの歴史であったことが示されます。

    派閥間の競争は、

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    2012年10月02日
  • 「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち

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    三国志を名士の存在から読みとく。名士の影響力をうまく活用させた曹操の卓見、名士に暴君の烙印を押された孫酷など。

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    2012年09月14日
  • 「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち

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    正史のほうから見た三国志。「演義」をフィクションと切り捨てるのでなく、楽しく見るために正史も読もうよ、という気持ちになる本。

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    2012年09月05日
  • 魏志倭人伝の謎を解く 三国志から見る邪馬台国

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    最近、邪馬台国=岩手説というのを耳にしたので、なんとなく読んでみた。

    魏志倭人伝を用い、その記述の背景を考察しながら邪馬台国の場所を推定されていく。魏志倭人伝が史書であるがゆえに、その記述が正しいわけではなく、当時の世界観、著者の立場が事実に邪魔をする。

    ただし、使者の報告(事実)と理念をどう区別すればいいのか。読み解く際には注意が必要か。

    邪馬台国がどこにあったかという結論よりは、その読み解く工程がすばらしかった。

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    2012年07月10日
  • 魏志倭人伝の謎を解く 三国志から見る邪馬台国

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    三国志の成り立ちから邪馬台国へのアプローチはとても興味深い。なぜ邪馬台国の位置があのようになったのかの考察は素晴らしい。と同時に当時の歴史家の著述スタイルなどもわかり、多面的な面白さを感じた本でした。

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    2012年06月01日
  • 三国志 演義から正史、そして史実へ

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     昔から広く読まれ,今も小説(吉川英治),漫画(横山光輝),ゲーム(?)で大人気の三国志。曹操,関羽,諸葛亮の三人を中心に,『演義』と正史(含裴注)がどう描くか見比べながら読む。
     まず三国志のテキストがどう変遷していくのかを確認。西晋の陳寿が著した『三国志』に,劉宋の裴松之が注をつけた。そしてこの正史や口伝をもとに,明の羅貫中が虚構を取り混ぜた『三国志演義』としてまとめて,これが普及した。『演義』も様々にテキストが変わっていく。羅貫中の作は散逸してしまっていて,たくさんの異本が残っている。20世紀の日本では,明の李卓吾本が,吉川英治の小説を通して受容されたが,中国では,李卓吾本から派生した清

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    2011年11月24日
  • 「三国志」軍師34選

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    著者は三国時代は名士の時代だという。その影響力は強く、政権を安定させるためには、名士の協力が必要であった。実は諸葛亮と劉備の関係も単純なものではなく牽制を伴う関係であったとの分析は面白い。

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    2011年09月19日
  • 三国志 演義から正史、そして史実へ

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    本書は一般に親しまれている演義を入り口に正史の記述を検討。そして史実へと誘う三国志の本である。
    我々に馴染みのあるのは、演義の世界である事は知っていたが、何処までが史実で何処までが創作なのか、その境界がわからなかった。二袁の真実(袁術と袁紹)や董卓の意外な美点。名士と君主の責めぎあいなど新たな視点が面白い。

    久しぶりに光栄の三国志をやりたくなりました。

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    2011年09月25日
  • 三国志 演義から正史、そして史実へ

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    力がある。おそらくこの方の名著。文学と歴史のはざま。こう、『演義』好きでたまらんけど中公に書くならできるだけ客観的にいかねば、でもやっぱり書いちゃう、みたいな筆致が萌える。おそらくこの方はネラーでもあると思う。

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    2020年06月15日
  • 三国志 演義から正史、そして史実へ

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    面白かったです。
    「演義」を読んでいるだけだと見えてこない部分や、不自然だなと思っていた部分の謎が解けた気がします。
    特に、劉備と諸葛亮のせめぎあいの話は新鮮でした。
    3兄弟が何によって結びついたのか。呂布や公孫瓚は強大な軍事力を持っていたにも関わらずなぜ滅んだのか。逆に名門の袁術・袁紹が敗北したのは何故か。関羽が神格化してゆく過程には何があったのか。荀彧は何故死ななければならなかったのか。果断な曹操を迷わせた後継ぎ問題とは。ますます色々な三国志本に手を出してしまいそうです・・

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    2011年07月06日
  • 三国志 演義から正史、そして史実へ

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    正史である三国志と、三国志演技の違いから、史実はどうだったのかと解こうとする。
    とにかく面白い演技の世界にも、そうせしめた時代背景があるはずだ。
    曹操と関羽、孔明の描き方の特徴から、それぞれの思想的な背景、時代背景を解く。
    めちゃくちゃに面白かった吉川英治の三国志に惹かれて、中国の歴史に興味を持ったが、最近出てきた宮城谷三国志は正史に近い作品だろう。
    これらを理解した上で、様々な三国志を読み返すと、その面白さが一層際立ってくる。

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    2011年05月08日
  • 「三国志」軍師34選

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    てっきり「最強の武将10選」的な羅列ものかと思ってたけど、名士層という切り口から系統立てて後漢時代を切り取った一冊。これまでの三国志もので抜けてた視点が補完されて、今までなんとなくスルーしてたことでその意味と流れを知ることもあったりして、なかなか興味深い内容だった。なにげに最近読んだ三国志ものの中では一番。



    例えば


    ・陳羣が荀?に推挙されたこと。

    ・陳羣が曹操の後継者争いでは曹丕についたこと

    ・陳羣が九品中正制度を制定したこと

    などは陳羣のプロフィールとして知ってても、それがどういう流れでつながるのかはピンと来てなかった。



    官位が売買されるようになった後漢時代に、学問(≒

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    2009年10月04日
  • 「三国志」軍師34選

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    大きな字でややライトな読み心地ですが、本貫による軍師たちの派閥や信頼し合っているようで油断もヘッタクレもない君主との力関係に着目していて面白いです。

    あと呉質や孔融のような、あまり良く言われない人物に対して好意的なのもポイントですね。

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    2009年10月04日
  • 眠れなくなるほど面白い 図解 始皇帝の話

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    非常に読みやすく、図解もあるので導入にはよい。
    キングダムで興味持ってひらいてみました。
    残念なのはちょいちょい右と左で同じ話のせてる点。図解の方はもうひと掘りしても良いと思う。なにはともあれ、ふだんこういった本を読まない自分でも読み切れたので上手に作ってあるのだと思う

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    2025年10月24日
  • 眠れなくなるほど面白い 図解 三国志

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    中国の歴史、三国志の図解本。もちろんだが、三国志に興味がある方なら読んでも面白い。が、三国志ファンには物足りなさもあり、且つ、三国志初心者には読みにくい。武将の名前や地名は漢字で読みづらく、初登場こそルビがふられているが、再登場の時は『何て読むんだっけ?』という状況になりがち。物語だけでなく、図を含む土地の説明、官職の説明、正史、演義の説明も記載されているので、何度も読み返したり、一旦戻って確認することで理解することができる。日本史、世界史もそうだが、興味のある人しか入って行きづらいため、そもそも敷居が高い。その中ではかなり読みやすい方。

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    2025年05月09日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 三国志 正史の英雄たち

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    「三国志」を好む日本人は沢山いる。
    だが、それは間違っていると本書は言う。
    多くの日本人が好むのは「三国志演義」なのだ。

    「三国志」と「三国志演義」とは何が違うのか?
    「三国志」は3世紀、晋の時代に作られた正史だ。
    (正史は、正しい歴史ではない。正統な歴史)
    「三国志演義」は14世紀に書かれた小説。
    ただ、本書によれば、事実7割、フィクション3割だと言う。
    だから、「三国志演義」は、司馬遼太郎の作品のようなものだ、と考えるのが正しい理解だろう。
    だが、司馬遼太郎作品のように登場人物が生き生きとしていて魅力的だ。

    どの英雄を好むか、と「100分de名著」のテレビ番組で問うていた。
    回答は、三

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    2025年03月14日
  • 世界史のリテラシー 「中国」は、いかにして統一されたか 始皇帝の六国平定

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    秦・漢については何冊も読んでるため目新しさはなかったが、秦から漢その後の中国への影響について分かりやすく理解できた。

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    2024年12月09日
  • 1日1テーマ30日でわかる三国志

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    呂布が一番強いとは知らなんだ~正史と演義の違い・スピンオフ・日中の違い~呂布って最初に出て来て間もなく退場しちゃうから残ってないんだけど。30日も掛ける内容じゃないね

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    2024年10月29日
  • 始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎

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    ネタバレ

    キングダムを絡めた発想は良かったと思うが、タイトルの「キングダムで解く」ほど内容がリンクしているとは感じられなかった。
    そもそも、著者の熱意が伝わってこない感じを受けた。
    秦の行った体制の変革は特異な物で、その後の2000年以上(著者によれば現代でも)にわたって中国を支配したものであり、秦による統一がなければ、中国は南北で分かれていた可能性すらあることをもっと強く(熱く)語っても良いのではないかと思った。

    記載されている内容は高校世界史の枠を出ない内容で、知識として真新しい物は一切無いと言ってよく、また、支配制度に関しても、「後続の漢王朝により継承され、洗練・周知されたことが大きい」という当

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    2024年03月04日
  • 始皇帝 中華統一の思想 『キングダム』で解く中国大陸の謎

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    中国は国土が広大かつご存知の通り人口14億を抱える巨大な国だ。清の乾隆帝の時代がその最も広い版図になり1470万㎢にも達する。日本ではインスタントラーメンのコマーシャルで中国4000年の歴史というのが定着してしまったが、夏王朝の時代さらに、それ以前に在ったと言われる、三皇五帝(さんこうごてい)時代(古代中国の神話伝説時代で8人の帝王がいたと言われる神話時代)を足すと中国には4600年の歴史 =凡そ5000年前の話になる。だから実際には5000年の歴史を持つと言われる所以だ。その後、西周や春秋戦国の時代、秦、漢などの様々な国が誕生し、世界史を勉強した人なら中国の王朝の流れを漢字で追いかけると同じ

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    2023年12月15日