渡邉義浩のレビュー一覧
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横山光輝先生の読み込みと解釈、そして読者に分かるようにする表現が素晴らしい事が渡邉先生の解説により分かった。歴史でなく話としてもカリスマ的存在たる始皇帝が死んでから乱を経て項羽と劉邦という2人の英傑が激突するというのが面白い。戦の強さであれば項羽の方が上だろうが本書でも書いてある通り亜父范増の献策を受け入れなかったのが痛かった。それにやり方が覇道過ぎた。
対する劉邦だが実に捉え所のない人物で蕭何、陳平、韓信といった歴史に残る逸材に使われている様で使っている。渡邉先生が指摘する様に韓信に対する胆力も凄い。何より凄いのが自分の間違いを指摘されたら気づき献策を受け入れる度量だろう。
後、始皇帝の財宝 -
Posted by ブクログ
中国史に造詣が深い著者の本なので勉強になる。本書にある様な統一の維持という点では漢帝国が歴史で実現しているが天下統一してからのオリジナリティについて始皇帝を上回る人は僅少ではなかろうか。領土の統一だけで無く単位のの統一という政治以外の面でも独自性有り。朕や皇帝という名称を考案しているところからもこの人の性格が現れている気もする。
皇帝というと重臣達に戴かれて安楽にしてれば良い様なイメージもあるが、寧ろ仕事量的に最も働いている様に見える。優秀ゆえに人に仕事を上手く振れていないところがあったのではないか。その辺が劉邦との違いといえる。
法科主義すぎて国はダメになったが韓非子の書籍を見て感激している -
購入済み
今も日本で一番人気がある中国の時代といえば三国志の時代でしょう。ただ我々が需要している三国志は何なのかというのはあまり顧みられず、実はそこには本家中国とは違う日本的な偏りがあるようです。
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勝ちやすいやり方、パターンがある。
敵味方は、どちらがそのやり方に則っているか。
こちらが有利なのであれば、戦う(勝てる)
そうでないなら負けるから、戦わない。
敵を知り己を知るだけでなく、
定石をしり、敵と己を比較する、なのかもしれない。
状況は、刻々変わるので、情報をとる。
相手が自滅するように仕向ける。
利益を与えて、とりにいかざるをえなくする、など。
兵は詭道なり。
曹操は、なぜ、孫子の注釈をつけたのだろう。
自分の思考回路を示したかったのではないか。
自分と同じ思考ができる人間が増えれば、
それだけ仕事が進む。
でも、他国には渡したくないものだったのではないか。 -
Posted by ブクログ
初めて三国志を読んだのは中学生の頃だった。桃園の誓い、三顧の礼、赤壁の戦いに心躍らせ一気に最後まで読んだのを記憶してる。当時KOEIのゲームが流行ったこともあり、50万円もするシャープのx68000というパソコンを父に買ってもらったことを覚えてる。毎晩毎晩友人を家に招いて夜通し三国志をやっていた懐かしい記憶だ。
歴史は書かれた時期や筆者の背景、当時の世間の評判などが反映されるものだ。描く人間の心情が現れるのは致し方ない。三国志も色々な系譜を経て真実とはかけ離れた点も多くあることだろう。我々がよく触れる「演技」などは事実にフィクションを効果的に加える事で中国の四大奇書として今なお世界中で読まれて