【感想・ネタバレ】人事の三国志 変革期の人脈・人材登用・立身出世のレビュー

あらすじ

「唯才主義」の曹操、「情義と志」の劉備、「地縁血縁」の孫権。なぜ、魏が勝ち、蜀は敗れ、呉は自滅したのか? 国のかたち、制度、社会が大きく変わるなかで、時に熱く、時に冷酷な三国時代の人事。乱世を生きた英雄たちの、変革期の「身のふり方」に迫る。

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三国志には以前より興味があり、簡単な入門書は読み終えてます。現在途中ではありますが、そのうえで
この『人事の三国志』は非常に面白い!官僚がどのようにして登用されるのか?人脈により推挙される理由等、詳しく書いてある為、某三国志ゲームをより深く楽しむこともできる。
通常とは違った切り口から当時の時代背景を深く切り込んでいる為、三国志ライトユーザーには当時の武将が『こういう事を思い描いて・・・』と思いを馳せることが出来る!おススメです!

#アツい #タメになる

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2022年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

名士層の確率の説明
孝廉、僻召、徴召といった制度の説明
曹魏:曹操は漢王朝簒奪のために儒教の相対化を図り、新たな価値観として文学を重視。曹丕は名士層を代表する荀彧の後を継ぐ陳羣とのせめぎ合いの中で、九品官人法により儒教的価値観を制度内に抱え込むことになる。
蜀漢:劉備集団ははじめ義兄弟的な個人的情義に基づき名士を軽視していたが、荊州名士閥に属する諸葛亮を登用することで名士層の支持を取り付ける。ただし、その後も関羽張飛の重用は変わらず。益州入り後、蜀漢政権は荊州層がトップに立ちながら地元益州層との融和を図り政権を運営。調整力に欠ける姜維の指導で政権は分裂していく。
孫呉:孫堅ははじめ情義軍事集団として台頭、孫策は江東名士層と対立したが、孫権の代で融和を図る。魯粛の画した天下三分の計によって江南に政権確立後、江南を一天下とする小中華思想によって正統性を主張し後の六朝に続く地位を築いた。
西晋:曹魏を襲った司馬氏は、司馬懿が名士層を代弁することで支持を確立。また司馬炎より後は婚姻する家を名族に限定する身分的内婚制と、五等爵制によって名士層を皇帝が秩序づける政策により、名士層を皇帝を頂点とする貴族制度を築き上げ名士層を取り込み相対化した。

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2020年12月31日

Posted by ブクログ

 三国志を、人事や社会背景の面から分析した本書。

 新鮮で面白かった。

 特に、当時の「名士」という特定階級が如何に勢力を誇っていたのか、を初めて理解した。

 三国志序盤の袁紹・袁術の強大さも、その後の曹操の勃興も、更には司馬懿の簒奪も、一本の筋・流れが見事に通る。

 もし、「名士」が「名士」として残っていたのなら、その後の専制帝国制は大いに異なったものになっただろう。

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2019年09月17日

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