ハンナ・アーレントのレビュー一覧
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国家は権威・忠誠を与える根源的な場(共同体)であり、個人はその外部においては無意味である。ジョヴァンニ・ジェンティーレGentile(1875-1944)
全体主義。階級社会が崩壊して、根無し草の大衆が生まれた。量が多く、政治的に無関心・中立、階級意識を持たない、組織化されておらずバラバラ。公的な領域で他者と連帯して活動をしないで、孤立している。全体主義はこれら大衆を上手く動員した。全体主義は自由な行為の空間を限りなく減らして孤立している大衆をさらに孤立させ、それっぽい観念・イデオロギーを強制させる。大衆は自分で考える力を無くしてしまう。全体主義体制は大衆によって支えられている。▼全体主義の -
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エルサレムでのアイヒマンの裁判ー元ナチ親衛隊中佐でユダヤ人移住局長であったアイヒマンのユダヤ人強制移送を裁く裁判ーの取材報告。
著者は心理学者アーレント。アイヒマンと同い年でナチ政権発足後にアメリカに亡命した人物だ。
アイヒマンの犯した罪は、出世欲の強い人物の思考停止、想像力欠如が生んだとアーレントは指摘している。
たとえその背景に全体主義的統治、あるいは官僚制が人間を「行政装置の中の単なる歯車」に変える実態があったとしても、その罪は赦されるものではないとも書いている。
アイヒマンは裁判中、口元を不自然に歪めていたそうだ。恐らく神経症状ではないだろうか。
それで官僚制的日本企業に勤めていた -
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ナチス親衛隊の中佐として、アウシュビッツを始めとする各収容所へのユダヤ人移送責任者として、ホロコーストの最高責任者とされたアドルフ・アイヒマンは、1961年に潜伏先にアルゼンチンでイスラエルの秘密部隊モサドにより捕らえられ、イスラエルでの裁判の結果死刑となる。
「ドイツ万歳。アルゼンチン万歳。オーストリア万歳。この3つの国は私が最も親しく結びついていた国々です。これからも忘れることはありません。妻、家族、そして友人たちに挨拶を送ります。私は戦争と軍旗の掟に従わなくてはならなかった。覚悟はできています。」と語って絞首台に向かったアイヒマンとこの裁判について、20世紀を代表する政治思想家であるハ -
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[ 内容 ]
ベトナム戦争、プラハの春、学生運動…1960年代後半から70年代初頭にかけて全世界的な広がりをみせた騒然たる動向を、著者は亡命の地・アメリカ合衆国でどのように考えていたか。
「国防総省秘密報告書」を手がかりに嘘と現実(リアリティ)とのあり方を論じた「政治における嘘」、暴力と権力との相違をテーマにした「暴力について」、さらに「市民的不服従」など、本書は、情況への鋭い発言のかたちをとりながら、われわれとわれわれを取りまく世界への根本的な問いを投げかけている。
「政治とは何か」をもっとも明快かつ具体的に論じた書ともいえよう。
[ 目次 ]
政治における嘘―国防総省秘密報告書についての -
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「ナチVS哲学」というセンセーショナルなひと言でまとめると非常に興味深く感じられるよね
もちろんひと言ではまとめられんのよ
はい、わいの大好きな哲学の先生、國分功一郎さんの著作にも度々登場する20世紀を代表する政治哲学者ハンナ・アーレントが、ホロコーストにおいてユダヤ人の絶滅収容所への移送の責任者だったアドルフ・アイヒマンのエルサレムで行われた裁判の記録と考察を記した『エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』です
ナチと哲学、うーんまさに興味津々の組み合わせ、きっとユッキーも興味あると思われたので、まずは師たるわいが読んでみた
結論から言うと「おすすめ!」とは言い切れないかな -
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誰もがアイヒマン状態になるのか?自分の出世を考え、自分はユダヤ人の専門家であることを誇りに思っていた。どこで間違った道に進んでいたのか?
単なる歯車ではなかったとアーレントは言う。上からの命令を無視してまでして実行する。
そして結果として六百万を越えるユダヤ人の死者が出る。色んな国からユダヤ人を鉄道に乗せ移送する、ただこれだけのことをして直接には手を下していない。
また、ユダヤ人の国民国家イスラエルでの裁判でもあった。アイヒマンが生贄となってユダヤ人が連帯感を持ったようにも思える。
本書の大半は報告書になっていて事実関係の羅列になっている。そして、あまり面白くない。最後のエピローグと追