玉田誠のレビュー一覧
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ネタバレ仮想空間で産み育てていた死んだ娘が間違って人を殺してしまったという話。縁は仮想であっても義理であっても、血の濃さではなくその人その人の性格・資質によるところが大きいのだろうなあと感じた。
ギミックとしては、仮想空間で現実の80%の力が出せるというのがやや疑問だった。相対的な制限ではなく絶対的な制限(○○キロ以下)を設けるのが、MITでドクターまで取った研究者なら、やることなのではないかと。それもソフトウェアではなく現実世界のハードウェア側に。ただそこを制限してしまうと殺人事件が起こらなくなってしまうから無理なのかな。まあそこがやや不満だったので☆4です。 -
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炒飯の名手にして一流のスナイパーと引退間近の刑事のお話・・・と聞いて興味を持って読んだんですが。
いうほど炒飯要素は多くない。もっとがっつり物語に絡んでくるくらい炒飯炒飯してるのを期待していたんですが。自分で言っててどんな話なんだよとは思いますが。で、原題は「THE SNIPER」なんですね。
つまらないというほどでもないけど、ミステリというには謎の所在や手がかりがだんだんと見つかっていく感じが今一つわくわくする感じしないし。アクション的な面白さとしてもちらほら・・くらいで。刑事老伍のハードボイルド小説というわけでもなく、息子とのハートフルな・・というのでもなく。いろんな要素がちょっとずつっ -
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最愛の妻を亡くし引退したベストセラー作家が、ある日目を覚ますと、そこは見知らぬ孤島だった。やがてやって来たのは「デジタル·デトックス」ツアーの参加者たち。メンバー相互の会話や、視線を合わせること、読書や音楽を聴くこと、メモを取ることまで禁じられ、殺生も厳禁という環境の中でひたすら己と向き合うのだという。しかしそこで殺人事件が発生した。作家はすべてを目撃するが、何故かメンバーの目には彼の姿は映らない…。
島田荘司推理小説賞受賞作とのことで、推薦文にも《21世紀の十角館!》と書いてあり期待大で読んだ作品でした。
設定は面白かったのですが、これはSFなのでは?期待していただけに残念でした…。 -
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第六回金車・島田荘司推理小説賞受賞作。台湾を中心としたグローバルなミステリー賞に日本人の作家の名を冠した賞があることに驚き。日本でこのジャンルの黎明期は、エドガー・アラン・ポーをもじった江戸川乱歩がパイオニアとして切り開き、戦後はエラリークインズミステリーマガジンという舞台で揺籃されてきたイメージがあり、常に米英の作家を仰ぎ見て育ってきたカルチャーだと思い込んでいましたが、東アジアでは日本の作家がポーやクイーンみたいな存在になっている?みたいな感じで、なんだかうれしくなりました。本作の著者は相当、松本清張を読み込まれていると思いました。松本清張が単なる謎解きではなく時代に翻弄される庶民の人生が
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「自己犠牲を理由とした自殺(自死)」がもたらすものは……。
「私はみんなには不要なんだ…」「私が死んだ方がみんなのためになる…」
湊かなえや辻村深月の“本”によく出てくるタイプで、他人から見て自分はどう見えるかばかり意識していること、これは究極のジコチュウ、「他人を思いやる」ことの勘違い。
この物語では、バットマンのようなダークヒーローが香港の社会問題とITの闇を闇の中で成敗していく。珍しくはないが、描かれた謎解きや登場人物の心理解説、伏線の構成には驚くばかりで、作者がただものではないことはよく分かる。
ただ…
法律や公序など無視して次々IT技術や最新機器を駆使して謎を暴き、復讐する姿に、