玉田誠のレビュー一覧

  • 世界を売った男

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    ひどい二日酔いとともに車の中で目覚めた主人公は6年間の記憶を失っていた。刑事である自分が追っていた事件と関わりがあるのか…? 何とも魅力的な謎で、かつての島田荘司作品のような疾走感。それもそのはず、第2回島田荘司賞の受賞作品なのだ。個人的には解決編が一捻りくらい多すぎるような印象だけど、まさに本格ミステリ。最後の一文には、思わずニヤリとしてしまった。実に見事!

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    2020年01月02日
  • 世界を売った男

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    よく練られたミステリー。若干無理やりなところはあるが、伏線の張り方・回収が見事で、真相にうならせられる。ラストもグッド。そして翻訳がすばらしい。読みづらさが一切なかった。中国人の名前を覚えるのが若干つらかったがしょうがない。

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    2019年05月23日
  • 世界を売った男

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    香港舞台の小説に関心があったので購入。スピード感があり面白かったが、登場人物の名前がややこしいです。最期の結末はさっと読んだだけではちょっと分かりにくい。

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    2018年12月16日
  • 虚擬街頭漂流記

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    ネタバレ

    仮想空間で産み育てていた死んだ娘が間違って人を殺してしまったという話。縁は仮想であっても義理であっても、血の濃さではなくその人その人の性格・資質によるところが大きいのだろうなあと感じた。

    ギミックとしては、仮想空間で現実の80%の力が出せるというのがやや疑問だった。相対的な制限ではなく絶対的な制限(○○キロ以下)を設けるのが、MITでドクターまで取った研究者なら、やることなのではないかと。それもソフトウェアではなく現実世界のハードウェア側に。ただそこを制限してしまうと殺人事件が起こらなくなってしまうから無理なのかな。まあそこがやや不満だったので☆4です。

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    2016年10月30日
  • 虚擬街頭漂流記

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    ヴァーチャルリアリティと現実世界、過去と現在が交錯して... とややこしそうな設定ではありましたが、それほど難解ではなく分かりやすかったです。読後はスッキリ。なるほど島田荘司っぽいなあと思いました。

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    2010年12月07日
  • 虚擬街頭漂流記

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    ヴァーチャルストリートで起きた殺人事件、現実の都市の過去の姿を模したその仮想都市で実際に何が起こったのか…?凝った設定と緻密な展開、途中一瞬「ああそういうことか、ありきたり」と早とちりしかけましたが、実際にはそんな浅い読みを裏切る“一枚上手”なミステリになってて、非常に面白い。ネットを利用した生活が当たり前になっている世代には読みやすい、SFになりすぎていないリアルさが良い。台湾物ということで普通の海外ミステリとは翻訳の雰囲気も異なりますが、漢字表記にカタカナルビで中華世界の香りがきちんと出ていたのも良かったです。

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    2010年09月14日
  • 炒飯狙撃手

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    イタリアで美味しい炒飯を作る凄腕スナイパーの小艾。
    彼は命を受けてローマに行き、一人の男性を仕留めた。しかし、その後自分の命を狙う誰かに追われる身となる。
    台湾で起きた士官の不審死を捜査する二週間後には定年になる刑事、老伍。
    ローマと台湾で起きた事件が別々に進行しつつ、やがて一つに交わり始める。

    炒飯狙撃手というタイトルだがら、もっと炒飯を作るシーンが出てくるかと思いきや、意外に少ない。
    真剣なストーリーではあるが、設定にギャグ要素が多いのだからもっとふざけてもいいと思うらしい。

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    2025年10月13日
  • 炒飯狙撃手

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    台湾のミステリ、初めて。
    軽やかで、登場人物も魅力的でいい感じ。
    ときどき主語や、発言者がわかりにくいのと、
    見た目の描写があんまりないので、イメージが湧きにくいときがある。
    ときどき風景描写がかっこいいところがあった。

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    2025年08月26日
  • 炒飯狙撃手

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    イタリアの炒飯店店主、実は台湾の工作員である小艾と、台湾で定年退職間近の刑事老伍が主人公。暗殺を成功させた後に命を狙われる小艾と、老伍が追う事件がリンクして…
    奇妙なタイトル(邦題)に惹かれて読んでみた。情報を聞き出そうと侵入した家で炒飯を作ってしまう小艾がとぼけた味を出しているが、内容はシリアスな謀略スリラーである。軍事的な知識がないので最初はイマイチ入り込めなかったが、中盤以降はどんどん話が展開して一気読みだった。
    相変わらず中国の名前はなかなか覚えられず、最初の登場人物紹介があって助かった。

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    2025年08月15日
  • 炒飯狙撃手

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    台湾とヨーロッパを行き来しつつ、テンポよく進んでいきます。台湾の地名や名前に馴染みがなかったけど、それでもとてもおもしろかったです。

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    2025年08月07日
  • 炒飯狙撃手 弐 第3の銃弾

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    炒飯狙撃手シリーズ第2弾。前作と比べてアクション多め。料理の場面が美味しそうだった。老伍が気になる終わり方だった。

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    2025年05月12日
  • 世界を売った男

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    恩田陸のエッセイで、気になって読んでみた。記憶を失うって、全く想像つかないが、不安でしょうがないだろう。世界が変わった感じ。それが冒頭でよく描かれている。
    6年間の記憶を失った顛末、そして事件の真犯人を考えながら注意深く読んだ。
    もう一つうわてだった。

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    2025年03月30日
  • 炒飯狙撃手

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    炒飯の名手にして一流のスナイパーと引退間近の刑事のお話・・・と聞いて興味を持って読んだんですが。
    いうほど炒飯要素は多くない。もっとがっつり物語に絡んでくるくらい炒飯炒飯してるのを期待していたんですが。自分で言っててどんな話なんだよとは思いますが。で、原題は「THE SNIPER」なんですね。

    つまらないというほどでもないけど、ミステリというには謎の所在や手がかりがだんだんと見つかっていく感じが今一つわくわくする感じしないし。アクション的な面白さとしてもちらほら・・くらいで。刑事老伍のハードボイルド小説というわけでもなく、息子とのハートフルな・・というのでもなく。いろんな要素がちょっとずつっ

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    2025年01月23日
  • 炒飯狙撃手

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    日本はもちろん、今まで読んだ米国、英国、仏、香港の各国の警察小説でも、上位組織と現場の確執は不変でした。

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    2024年07月28日
  • 網内人

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    終盤の謎解き、というか真相の説明がなんだか冗長で、驚きもなく、なんだかなーといった感じ。地の文の視点が、章を変えることもなく変わるので少し読みづらかった。

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    2024年03月04日
  • 君のために鐘は鳴る

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    島田荘司推理小説賞受賞で著者はマレーシア人。
    デジタルデトックスのため、孤島に訪れた人々の中で起こる殺人事件。語り手はすべてを見ているが、なぜか他のメンバーには彼の姿が見えないらしく…
    デジタル時代のクローズドサークル。無理やり感もあるが、未来ならではのトリックや認識のちがいなどなかなか面白かった。

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    2024年02月29日
  • 君のために鐘は鳴る

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    最愛の妻を亡くし引退したベストセラー作家が、ある日目を覚ますと、そこは見知らぬ孤島だった。やがてやって来たのは「デジタル·デトックス」ツアーの参加者たち。メンバー相互の会話や、視線を合わせること、読書や音楽を聴くこと、メモを取ることまで禁じられ、殺生も厳禁という環境の中でひたすら己と向き合うのだという。しかしそこで殺人事件が発生した。作家はすべてを目撃するが、何故かメンバーの目には彼の姿は映らない…。
    島田荘司推理小説賞受賞作とのことで、推薦文にも《21世紀の十角館!》と書いてあり期待大で読んだ作品でした。
    設定は面白かったのですが、これはSFなのでは?期待していただけに残念でした…。

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    2023年11月25日
  • 台北野球倶楽部の殺人

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    第六回金車・島田荘司推理小説賞受賞作。台湾を中心としたグローバルなミステリー賞に日本人の作家の名を冠した賞があることに驚き。日本でこのジャンルの黎明期は、エドガー・アラン・ポーをもじった江戸川乱歩がパイオニアとして切り開き、戦後はエラリークインズミステリーマガジンという舞台で揺籃されてきたイメージがあり、常に米英の作家を仰ぎ見て育ってきたカルチャーだと思い込んでいましたが、東アジアでは日本の作家がポーやクイーンみたいな存在になっている?みたいな感じで、なんだかうれしくなりました。本作の著者は相当、松本清張を読み込まれていると思いました。松本清張が単なる謎解きではなく時代に翻弄される庶民の人生が

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    2022年10月25日
  • 台北野球倶楽部の殺人

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    広島が誇る島田荘司氏の華文推理賞の作品。(過去に錚々たる作品がある)
    昭和13年の台湾を舞台にしたミステリ。オーソドックスで読み始めてすぐに松本清張の世界を連想させた。社会が犯罪を産んでいた世界を。

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    2022年09月17日
  • 網内人

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    「自己犠牲を理由とした自殺(自死)」がもたらすものは……。

    「私はみんなには不要なんだ…」「私が死んだ方がみんなのためになる…」
    湊かなえや辻村深月の“本”によく出てくるタイプで、他人から見て自分はどう見えるかばかり意識していること、これは究極のジコチュウ、「他人を思いやる」ことの勘違い。

    この物語では、バットマンのようなダークヒーローが香港の社会問題とITの闇を闇の中で成敗していく。珍しくはないが、描かれた謎解きや登場人物の心理解説、伏線の構成には驚くばかりで、作者がただものではないことはよく分かる。
    ただ…
    法律や公序など無視して次々IT技術や最新機器を駆使して謎を暴き、復讐する姿に、

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    2021年11月17日