玉田誠のレビュー一覧

  • 炒飯狙撃手

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    イタリアの小さな炒飯店で腕を振るう台湾の潜伏工作員、小艾はある日命令を受け、ローマで標的の東洋人を射殺する。だが根城に戻ったところを何者かに襲撃され、命を狙われる身に。一方、定年退職を12日後に控えた刑事老伍は、台湾で発生した海軍士官と陸軍士官の連続不審死を追っていた。やがて遺体に彫られた“家”という刺青が二つの事件をつなげ――。背後に蠢く巨大な陰謀とは!?

    スリラーとしての面白さ以上に、出てくる食べ物の描写で読ませる。昨日の夕飯は炒飯でした。

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    2024年04月20日
  • 炒飯狙撃手

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    炒飯の名手というスナイパーと定年退職目前の刑事が対峙するようになっていく話なのだけど、とにかくお腹が空く小説。炒飯から始まりサンドイッチから餃子からとにかくお腹いっぱいになりそうになる。そう書くと何やらユーモア小説風なのだけど、手に汗握る攻防戦である。スナイパー訓練時代の話なかなか興味深く、サイドストーリー的に進んでいくのかと思いきや後の話に繋がっていく。何故台湾のスナイパーがヨーロッパで潜伏しながら活動するのか、刑事は定年前に事件を解決できるのか最後まで目が離せない。続編が既に(台湾より先に)フランスで刊行されているとのことで、今後も楽しみ。

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    2024年04月13日
  • 炒飯狙撃手

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    本文中に時折り出てくる、小艾がつくる炒飯やその他の飲食物が物語の中でいいアクセントになってる。アクション物でありながら、不思議な余韻が感じられる作品。

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    2024年03月31日
  • 君のために鐘は鳴る

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    「第7回 金車・島田荘司推理小説賞」受賞作。作者は中華系マレーシア女性作家とのこと。
    クローズドサークルの状況下で発生する連続密室殺人。お互いが疑心暗鬼になっていく様や伏線張りが丁寧に描かれていますし、デジタル要素が加わった前代未聞なロジックで解決するところは目を見張るものがありますが、同時についていけない部分もあったのも事実で、良く出来ている割に手放して褒められない感が拭えませんでした。

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    2023年11月12日
  • 君のために鐘は鳴る

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    ネタバレ

    21世紀の十角館
    文字通り受け取ることはできないが、AIによる物語というパターンは初めて味わった

    これはこれでアリなんじゃないかな
    今後もし誰かの作品で同じギミックを使われたら、二番煎じとして低評価は不可避だけど、個人的には初回祝儀という評価

    フルAIによるミステリーで溢れかえる時代が来るのかもしれない。今という時代の転換点にしか出せない小説、その意味では先駆けとして後年評価される、かも

    ドアの取手の真相は良かった
    タッチ式の自動ドアの前で立ち止まってしまうのも似て非なるモノか

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    2023年10月17日
  • 世界を売った男

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    恩田陸さんのエッセイ集で知り読んでみた。
    舞台が台湾なので地名や街の構造がわからないのだけど、Googleマップで調べながら読み進めたりしてたのしい。
    すべてがわかったときに脳みその情報が上書きされて認識していたなにもかもが一瞬で変わるのがいい。

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    2023年03月20日
  • 世界を売った男

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     最後の最後で駆け上がり急展開を迎え、誰が誰だか嘘をついているのか本当なのか混乱しながら読み終えました。最後の1行がわからず終えてしまったので他の方のレビューをみながら再読しようと思います。
     個人的には13・67より断然面白かったです。

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    2023年02月02日
  • おはしさま 連鎖する怪談

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    ネタバレ

    三津田さんの新作と聞いてみたら、まさかの海外の作家とのリレー小説。
    翻訳本が苦手だったのでかなり読むのに苦労しましたが、第四章で話の構造が分かり始めてからはスラスラ読めるようになりました。読んでいるときは第五章の展開が好きになれませんでしたが、あとがきを読んでリレー小説で苦労したことが分かると好きになれました。

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    2022年08月07日
  • おはしさま 連鎖する怪談

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    三津田信三先生のTwitterで知る。
    サイン本は買えなかった!

    これがきっかけで台湾、香港の翻訳小説を初めて読んだ。宗教や土俗的なところは似ているところが多く、想像しやすい。歴史や名前が出てくるところは新鮮だけど。

    和製のじっとり忍び寄る怖い話、人の感情を繊細に描写して人間ドラマも楽しめる話、サスペンス、ミステリーの要素があって誰が黒幕かとハラハラする話、神様がしっかり登場する冒険劇のような話と、色んな要素を楽しめる。箸をキーワードにしたリレー小説で、前の小説を読んで次の作者が書くので少しずつつなぎ合わさっていくワクワクもある。

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    2022年01月16日
  • 世界を売った男

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    こういう構造のミステリーと文章の相性がとても良くて引き込まれているうちになんとなくの結末まで予想しはじめるがそれ以上のところに決着がついて大満足。

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    2021年11月28日
  • 網内人

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    最初は設定を頭に入れるのが大変でしたが割り切って速読鬼となり、そこからはドライブ感含めて楽しめました。終盤でここに決着するだろうと予測していたところから大きく伸びて、そう来るか。と思いました。シウマンの自撮り写真のシーンで涙。

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    2021年09月29日
  • 網内人

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    今のネット社会の闇問題をテーマにした今作品。主人公を助けてくれるスーパーハッカー登場し、ン?シリーズ化するのかな?とゆう期待を持たせて物語は終る。本格ミステリとはまた違った味わいアリ。

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    2021年05月27日
  • 虚擬街頭漂流記

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    VRという題材を活かした実に巧妙なミステリ。Who, How, Whyどれもよく練られている。物語の構成も見事だ。そして日本での刊行が2010年であったことを知り驚く。華文ミステリの台頭は最近のことだと思っていたが、当時からこんな作品が執筆・翻訳されていたとは。2015年以降は台湾でも新作を出していないらしいのが残念だ。

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    2021年04月04日
  • 網内人

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    13.67の素晴らしさに圧倒され、次作を楽しみにしていました。それとは全く異なる語り口、香港ノワール感漂う13.67の方が断然重みがありましたが、これはこれで楽しめました。アイ以上にこの手の知識が乏しいので、丁寧な解説は有り難いですね。説明されても理解は出来てないと思いますが。追い込んでいくまでのスリリングさに比べて、ラストがちょっと盛り込みすぎ?片付けちゃった?感があるのは否めないかも。そうじゃないか、と思っちゃったし。でも、振り幅の大きいエンタメで私たちを楽しませてくれたのは確か。次作も待ってます。

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    2021年02月27日
  • 網内人

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    歴代の翻訳ミステリーで一番良かった。一因は日本人が苦手な外国人の人名が少ないこと。後半の内面描写がやや間延びしたがそれ以外はスリリングで時代も反映した内容だった。

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    2021年01月20日
  • 網内人

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    500ページ超えだが一気読み。
    ネットのややこしい話はあるが、ターゲットを絞り込んでいく推理は圧巻で納得感がある。

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    2021年01月19日
  • 網内人

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    たった一人の家族である妹を自殺で失ったアイ。ネットで妹を追い込んだ犯人を突き止めるため、凄腕ハッカーの探偵・アニエに依頼するものの、調査するごとにどんどん明らかになる悪意の数々と残酷な真実。香港の貧困格差、ダークウェブ、ネット虐め、というさまざまな問題が盛り込まれたミステリですが。これは香港に限ったことでもなく、日本でも充分に通用する物語だと思います。
    正直ネットの難しい話は、と尻込みしてしまいそうだけれど。主人公のアイがなかなかのネット音痴なのでそのあたりはスムーズについていけました。一見単純なネット虐めによる自殺かと思いきや、その陰に潜む複雑な人間関係とその確執、そこから生まれた疑惑と復讐

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    2021年01月17日
  • 網内人

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    自殺した妹の死の真相(犯人)を突き止めるべくしゃにむに突き進むアイ.探偵(復讐請負人)のアニエの天才的頭脳とハッカーとしてのコンピュータスキル.読みながらアイちゃんよくぞ聞いてくれましたという感じで,さっぱり分からないコンピュータ関連の説明をゾーッとしながら読んだ.ネット社会は恐すぎる.登場人物がかなり詳しく書かれていることで親近感も湧き,嫌な奴はそれなりに嫌いになりながら,胸のすくようなアニエの仕事ぶりで,どんどん真相に近づいていく.読者はアイ視点で振り回されつつ最後はきっちり説明されて大満足.シリーズ化とのこと次作でアイちゃんやアニエに会いたいです.

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    2020年11月23日
  • 網内人

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    前作「13・67」程の驚きは無かったが、十分楽しめた。構成や人物描写が鮮やか。ネットに疎くても、アイに説明させる事でわかり易くなり、さらなる共感をうませてくれた。

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    2020年10月24日
  • 世界を売った男

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    ネタバレ

    最後の一行の意味がわからず、皆さんの感想を読み漁って、やっと納得しました。
    私のようにわからなかった方は、最初に戻って読んでみて下さい。
    全体的に映像向きな面白さでした。もう一作つんでるので、また読みます!

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    2020年07月23日