玉田誠のレビュー一覧

  • 世界を売った男

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    6年分の記憶を失った主人公の刑事が当時追っていた、現在ではすでに解決済みの事件の真相を再び追う。展開はわかりやすく、しかし山あり謎ありでグイグイと読み進めされられた。ラストはまんまとやられた。最初は主人公が真犯人の閻…と思っていたけど、読んでいくうちに閻は別にいるな…と騙され…、結局閻なんだけど、犯人ではなく、と。 まるで映画を見ているような展開でとても良かった。 最後の、映画の公開で「おつかれさま」という女性…そういうこと、と最初から繋がる最後、綺麗だった。 別の作品も読んでみたい。

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    2022年01月16日
  • 世界を売った男

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    五章あたりでなんとなくという予感があったもののその通りだった場合、ついついしたり顔をしてしまう。だがこの作品はその上に別の伏線が張ってあり騙された! と素直に感心してしまう。
    映像化でさらに化ける作品でしょうね。
    タイトルの謎も作中で解答はあるものの、作品の内容とあまり関係ないような、でも由来を読めばなるほどと思うがやっぱりサブタイトルでも良いんじゃないの? と首を傾げたことだけは伝えたい。

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    2019年02月28日
  • 虚擬街頭漂流記

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    第1回島田荘司小説賞受賞の台湾ミステリ。仮想空間での殺人というSF的設定に隠された端正な仕掛けに大満足。さらにその仕掛けが小説全体の主題と密接に結びついているのも素晴らしい。すごいぞ台湾ミステリ!!。

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    2010年08月03日
  • 炒飯狙撃手

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    『炒飯狙撃手』もう、タイトル買いです。

    炒飯のレシピも知れて、狙撃手についての知識も得られるのでは? なんて魅力的な本!と、かなり軽い気持で読み始めました。

    主人公は、炒飯の名手にして一流のスナイパー。台湾とヨーロッパ各国を舞台に、追手から逃れながら真相を追っていきます。

    イタリアで炒飯店を営んでいた主人公が、チャーシューが手に入らず思いついた「サラミ炒飯」が美味しそう。サラミを刻んで卵とご飯と一緒に炒める。サラミは脂が多く香りもよいうえ、塩気があるのでご飯に塩を足さなくてもいいらしい。これは作ってみたい。

    さて、次はどんな炒飯が出てくるのかなと楽しみにしていたのですが、スナイパー、忙しい。追われる、撃つ、逃げる、居場所を転々とする。なかなか炒飯を作ってくれません。

    けれど、主人公を狙う黒幕の正体が見えてくるにつれ、炒飯!スナイパー!と浮かれて読んでいた気分も変わっていきました。

    退役軍人、不法な養子縁組、諜報活動。軽快なエンタメとして楽しめる一方、その奥には台湾が歩んできた歴史や社会の影も見えてきます。

    タイトルに惹かれて手に取った本でしたが、読み終えてみれば炒飯よりも台湾についての知識が増えていました。

    とはいえ、サラミ炒飯は忘れない。
    作ってみよう。

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    2026年09月18日
  • 炒飯狙撃手

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    イタリアのマナローラで持ち帰り炒飯店を営みながら潜伏するスナイパー、小艾。指令に従ってローマの街中でターゲットを射殺し、店に戻った小艾だったが、その夜襲撃を受ける。セーフハウスへ逃れるも、執拗に迫る追手との戦いが続く。

    一方、台湾では軍に関係した二件の殺人事件が起き、退職間近の刑事、老伍が捜査を開始する。イタリアでの狙撃事件を知った老伍の上司蛋頭はローマへ。台湾とイタリアでの事件に関連性はあるのか。そして小艾を狙ったのは誰か。

    サスペンスとミステリーの要素がうまく噛み合って面白かった。構成で腑に落ちないところや細部で気になるところもあるけれど、勢いで読める。

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    2026年06月23日
  • 炒飯狙撃手

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    タイトルだけ見て「Mr.Boo!鉄板焼」のようなものを想像していたが…
    結構本格的なハードボイルドで
    とは言え、やはりタイトルに違わず炒飯やその他料理も出てきて、お腹も刺激される。
    前半のスリリングな展開に対し、後半の展開や謎解きがサラッといきすぎた感はあるが
    そんなことを吹き飛ばすくらい面白い小説だった。

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    2026年04月22日
  • 炒飯狙撃手

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    炒飯に狙撃手は気になって読んでまうやろ…

    話はゆっくり進んでいくのでやや低空飛行。
    でもそれ以上に2人の主人公、艾と伍が魅力的で続きが欲しくなる話だった。

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    2026年04月20日
  • 炒飯狙撃手

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    最後の盛り上がりは期待通り。
    続編どうなるのかな。読まなきゃ。

    台湾旅行中に読み、帰国の飛行機が着陸した瞬間に読み終えた。(最後必死で間に合わせた感はあったが笑)

    登場人物が通過する駅が泊まってる宿の最寄駅だったり、川越しに見えるビル群が出てきたり…と臨場感がマシマシになって、正解だった。

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    2026年03月15日
  • 炒飯狙撃手 弐 第3の銃弾

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    保険の調査員と言うと、平成初期の全中2男子憧れの職業ですね。
    彼は元軍人だった。
    本作では元刑事。やはりおいそれとなることはできない仕事なのだろう。憧れは憧れのまま真相を包み込んでしまった。
    チクショウ、どうやったら保険のオプに転職できるんだ!!

    本作では炒飯は鳴りを潜め、主役は専ら龍珠(いかとんび)。
    こちらは珍味なので食べたことがなく、想像するのみ。食べたい。
    私も龍珠の真相を知りたいよ。

    ついつい安倍元総理の銃撃事件を連想しながら読んだけど、台湾で起きた事件を元にしているとのこと。
    古今東西、こういうことはあるのね。。。
    クワバラクワバラ

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    2026年01月10日
  • 炒飯狙撃手 弐 第3の銃弾

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    シリーズ2作目。総統選立候補者がスナイパーに襲撃され容疑者にされる小艾と元刑事の呉が前作同様犯人を追うことに。銃の説明より料理の説明が少なかったかな(それはそうなんだけど)。ちょっと人物説明が重複しすぎたかな?次作に続くのねぇ。

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    2025年09月19日
  • 炒飯狙撃手

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    タイトルから食欲をそそられ、読み終える頃には台湾・イタリアグルメを堪能している、とっつきやすいスリラー。
    主人公は炒飯屋を営むスナイパーの小艾。日々中華鍋を振って腕力を鍛えている。雪の降る銃撃シーンは美しくて、いつか映像化してほしい。
    そして、彼を追うのが、定年間近の刑事・老伍。ダメ親父ぶりが良い。上司とのリモート捜査会議も面白い。
    黒幕の推理劇も読み応え抜群で、続編がフランスで先行発売されたのも頷ける。
    今年台湾で発売予定の続編の邦訳を待ちたい。

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    2025年07月16日
  • 炒飯狙撃手

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    華文ハードボイルド。
    イタリアの炒飯専門店のスナイパーと台湾での不審死を捜査する老刑事。2つの話が交互に展開されていくのだけど、まぁまぁ苦戦しながらも2人が同じ関係へと終盤へ。混乱しながら読みすすめるなかに炒飯を作るシーンで頭を冷やす。面白かった。

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    2025年07月08日
  • 炒飯狙撃手

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    中華(台湾)ミステリーは初。名前がなかなか覚えられず(同じ人物なのに呼ばれ方が違ったり、名前の前後に愛称?敬称的なものがついたり)ちょっと読みづらいところはあったけど、キャラクター、ストーリーとも、とても良かった。
    続編、続けて読むか悩むところ。

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    2025年06月20日
  • 虚擬街頭漂流記

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    久しぶりの華文ミステリー!

    ヴァーチャル世界を上手く扱った作品で、後半に行くほど面白くなった。

    仕掛けもありきたりだが上手く読後感に惹かれた。

    華文ミステリーにハマりそう!?

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    2025年06月08日
  • 炒飯狙撃手 弐 第3の銃弾

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    ネタバレ

    2025年の15冊目は、張國立の「炒飯狙撃手 弐
    第3の銃弾」です。チャーハンスナイパーPart2です。2004年に実際に起きた陳水扁台湾総統狙撃事件が下敷きになっています。不可解とされている事件の作者なりの真相解明をお得意のスナイパーアクションを盛り込み、エンターテインメント性の強い作品に仕上げています。作品中に登場する料理を想像するのも楽しい、いかにも台湾らしいです。登場人物とその会話も良いです。蚤頭と老伍の会話は、一癖二癖も有り最高です。
    主人公の小艾が日本に飛び、佐々木と組んで高野山での追っ手のスナイパーとの対決は、今作でのハイライトだと思います。傭兵時代のアフガニスタン山中での回想を交えながら、高野山の神秘的雰囲気も加えた緊迫感あるシーンに仕上がっていると思います。
    ☆4.6次作も楽しみです。

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    2025年04月14日
  • 炒飯狙撃手 弐 第3の銃弾

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    総統選の投票7日前、台北市で演説中の現総統が狙撃された。直ちに捜査を開始した警察は、近くのホテルの一室からライフルの薬莢2つを発見する。だがそれは、一命を取り留めた総統から見つかった弾とは合致しないものだった。その頃、熱炒店に身を潜める狙撃手小艾は、元刑事老伍に呼び出されて現場付近にいた。嵌められたと気づき、消えたライフルの弾の行方を追ううち、政界の闇が浮かび――。

    軽快なタッチだが、展開は実にスリリング。美味しそうな料理描写は健在。
    誤植が数箇所。再版時はぜひ修正を。

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    2025年04月08日
  • 炒飯狙撃手

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    台湾出身の策略ミステリー。
    炒飯と狙撃手という異質な組み合わせで
    意表を突かれますが
    骨太のハードボイルドミステリーに仕上がっています!

    2人の主人公
    狙撃手側の話と引退間際の刑事との対比で進むストーリーに惹き込まれ。だんだん明かされていく過去の話。そしてある黒幕に辿りついたクライマックス。面白かったです!

    ただ一つ難問というか
    やはり翻訳ものは名前が複雑で覚えづらかったです。そこはまだまだ沢山本を読んで修行していくしかないですね笑

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    2025年03月30日
  • 炒飯狙撃手

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    ネタバレ

    華文が初めてなわけですが(三体は読んだとカウントしません笑)…。やっぱりちょっと文体に違和感はあって、ん??ってなることは多かったかな、と。
    ただ、お話としては面白かった!そろそろ続編が出るらしいので、楽しみ!

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    2025年03月20日
  • 炒飯狙撃手

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    ヒデミス2024年にノミネートされていたので気になって購入。

    登場人物の名前が読み進めても中々頭に入って来ずページ戻りを繰り返しながら読んでいたのでかなり時間かかった、三体は割とすんなり覚えられたんだけどな...

    そこまで大きなどんでん返しみたいな展開はなかったが、炒飯をはじめとした食欲をそそる食事シーンや登場人物の会話、物語の終わり方が非常に印象に残ったので満足。

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    2025年03月12日
  • 網内人

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    ネタバレ

    果たさなかった復讐の果て、死んだ妹の「本当の姿」に出会う姉の物語。ギリシャ神話の復讐神ネメシスの名を冠する、復讐代行ハッカー「アニエ」が、とにかくかっこよかった。

    現代の香港、広州から香港への移民三世にあたる「アイ」は、相次いで父と母を失い、妹の「シウマン」と二人、公営住宅で暮らしていた。しかし、妹のシウマンは、地下鉄での痴漢被害がきっかけとなったネット掲示板への書き込みにより、自殺してしまう。妹を死に追いやったネット虐めの犯人を見つけ出すため、「アイ」は、裏稼業の探偵ハッカー「アニエ」に、犯人の捜索を依頼する。

    いわゆる義賊モノで、「アニエ」が、その犯罪を暴き、復讐という私刑の形で罰を与える人々は、法では裁くことのできない、あるいは、裁いたとしても、軽い罰則で揺らされてしまう人々である。著者自身もあとがきで語っているように、違法なやり方ではありながらも、正義を実行する「アニエ」には、アルセーヌ・ルパンのイメージが重ねられているようだ。
    何よりも印象的なのは、やはり「アイ」が妹の「シウマン」が生前にfacebookへと書き残した言葉を読むシーンだった。「妹のため」に犯人への復讐を果たすことだけを生きがいに、ついに犯人を自殺させる寸前まで追い込んだところで、「アイ」は、それまで知ることのなかった妹の本心をそこに見ることになる。

    「どうして『妹の敵』なんだ? 『あんたの復讐』だろ。あんたは家族を失った苦しみから、その怒りをぶつける対象を見つけて憂さ晴らしをしたいだけなんじゃないか。妹さんにその責任を押しつけるな。妹さんの敵は、『あんたの復讐』だ。あんたの妹さんはもういない。なのにどうして、あんたは妹さんが『敵を討って』もらいたがっていると思うんだ? 死人に口なしだからって、そいつはあまりに虫がよすぎるんじゃないかね」(p456)

    「アニエ」の言葉は辛辣だ。「誰かのため」は、いつでも「自分のため」というエゴのカモフラージュになる。「アイ」は、「妹のため」に敵を討とうとしたが、妹の思いは別にあった。

    「その自撮り写真は、左側のほとんどをシウマンの顔が占めていて、右側には、バスルームから出てきたのか、タオルで髪を拭っている女性の姿がある。それは紛れもないアイ自身だった。アイの隣には夕食の準備をしている母がいる。二人はお喋りに夢中で、シウマンが隠し撮りをしていることに気がついていないようだった。」(p472)

    ほとんどのデータが削除された、自殺した妹「シウマン」のスマホに残された二枚の写真のうち一枚は、おそらく好意を寄せていたのであろう友達とのツーショット。そして、もう一枚は、姉と母に気が付かれないように撮られた家族三人の「家族写真」だった。
    「アイ」は、その写真とfacebookに残された遺言を読んで、初めて妹が何を思い、何を望んでいたのかを知ることになる。突きつけられたのは、一番身近にいたはずの妹に対する、自分自身の無知だった。

    「アニエ」は、高度なコンピュータ技術を駆使し、他人のデバイスをハッキングし、ネット上から個人情報を奪いだしていく。インターネットに残された個人の足跡は、一人ひとりの、現実以上に現実な姿を、ときに死人の生前の姿さえも留めている。
    それらは、誰に向けてあるのだろうか。少なくとも、「シウマン」のfacebookは偽名であり、「アニエ」が「アイ」に見せなければ、誰の目に触れることもなかったであろう心の内だった。
    誰にも向けられていない言葉。インターネットには、そういう言葉が溢れかえっていることを思う作品だった。

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    2024年09月24日