児玉聡のレビュー一覧

  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    『哲学史入門4』を読みました。
    今回は哲学史の中でも、倫理学史や心理学に近い内容が多く扱われているのが印象的でした。確かに哲学科は女性が少ないイメージがありますが、心理学科には女性が多い印象があり、その点とも重なる話だと感じました。

    ケアの倫理の説明で出てきた「ハインツのジレンマ」は特に興味深く印象に残りました。また特別章では、2024年のイギリスの「今年の言葉」に「脳腐れ」が選ばれたことや、ユーザーのプロファイリングによってSNSが質の低い内容に偏っていく問題などにも触れられており、やや強い表現を使いながら現代社会への批評も展開されている点が印象的でした。

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    2026年03月13日
  • 哲学古典授業 ミル『自由論』の歩き方

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    難解な古典を読み解くには、道案内のガイドブックが欠かせない。本書は、政治思想において最重要の古典の一つである『自由論』を簡潔に噛み砕いて解説した入門書である。

    最も興味深いと感じた点は、ミルの道徳観を、著者が「モラリティ」と「プルーデンス」の概念を用いて説明していることである。「モラリティ」は他者の利益や他者に対する義務、「プルーデンス」は自己の長期的利益に関する。「モラリティ」に反する行動は、個人の行動といえども、社会側からの介入は許されるというのが、ミルの考えである。

    自由論と交互に読むことで、より深い理解に至るであろう。

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    2026年01月23日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    倫理学の功利主義、正義論、徳倫理学に関して朧気ではあるが理解できた。

    加えてケアの倫についても少し分かったような気にもなれた。

    この本を入門として他の書籍で勉強する事が必要ではありそう。

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    2025年12月18日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    「ケアの倫理」の章で、「人が正義を求めるのは、相手との向き合い方、自分との向き合い方が分からなくなったとき」というアリストテレスの言葉が刺さった。正しさを考えるよりも前に向き合い方を考えることは大切だ。

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    2025年11月10日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    4冊目もとても読みやすく重要なポイントがまとまっているので、現代の西洋での倫理学を理解したい方には良い内容である。
    個人的には徳倫理学の章が興味深かった。カントなどの義務論は、行為の是非を問うが、徳倫理学は人格を問う。それはそうだと思うのだが、人格を重視するのであれば、例えば、西洋ではゲーテやシラーなど、教養を高める教育思想があるし、日本の報徳思想や心学など、人間性を高める伝統的教育がある。それらを学ぶことの方が有意義だと思えてきた。
    また、徳を重視し過ぎると軍国主義になるや、慰安婦の国家賠償の問題からケアを考えるなど、事実を無視した左翼思想が出てくるところは残念である。

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    2025年10月10日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    面白かった。
    哲学の本を読んでると「そんなこと延々と考えてどないすんねん」と思うことが多いけど、まあ倫理学は考える価値があると思う。万が一、皆が納得できる形で正しさをルール化できたら、立法やらなんやらがすごくスムーズになると思うので。そんな夢を追って思考を深めているならカッコイイと思う。

    ◇

    とはいえ、やっぱり倫理は何かしらの理屈で説明できるものではないのでは、というのが読み終わっての感想かもしれない。
    徳のある人物を目指す徳倫理学や、現場レベルの判断を問うケアの倫理は、結局「皆が心に手を当ててやっていくしかない」的な発想やと思うし、まあ実際そうよな、という気持ちもある。

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    2025年10月02日
  • 哲学古典授業 ミル『自由論』の歩き方

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     本の内容自体は大変面白いのだが、ミルの自由論には全面的に首肯する事が出来ない。自由を社会の最大の価値と見なし、個人の自由を実現するためには明白な危害を加えない範囲で社会が受忍すべきと言う主張だ。その目的は天才の出現確率を増やすことによる社会の発展らしいが、ここにも単線的な社会発展段階論やエリート主義的な側面が垣間見え、その目的が正当化できるほどの理由には思えない。
     卑近な例で言えば、訪日外国人旅行者の急増による様々な問題や、日本人には思いもよらない迷惑行為が話題になっているが、ミルなら他人に危害を与えないなら何やっても自由と言うだろう。確かに外国人にも旅行する権利はある。だが日本に来たのだから日本の慣習に従え、と言う要求は間違っているのだろうか?私にはとてもそうは思えない。特に日本人には社会秩序の方が個人の自由よりも優先されるはずだ。

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    2025年05月23日
  • なぜヴィーガンか?

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    神経系がある生物に対して苦しみを与えないという倫理に基づきヴィーガンとなった哲学者の論考集。人種差別と同様の主差別という言葉を使い、声を上げられない動物たちを尊重しないという理由はない、という反論の使用はない議論を述べる。

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    2023年11月25日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    とあるところで紹介されていたので読んでみました。

    功利主義というと、「最大多数の最大幸福」の実現を目指す考え方と思えばよいのですが、「最大多数」が誰を指すのか、そこから漏れた人はどう扱うのか、「幸福」とは何か、「最大幸福」にあたって「幸福」は数値化できるのか、など、いろいろと実現にあたって定義すべき問題があります。

    また、「最大多数の最大幸福」の考え方が広く知られるようになってから200年ほど経ちますが、この200年の間で科学(とくに生命科学で中でも脳科学、あるいは心理学)が大きく進歩した結果、倫理学や哲学(道徳哲学)においても、科学の知見を取り入れざるを得なくなってきており、功利主義は、どんどん洗練されてきています。

    そういった経緯をわかりやすく丁寧に説明してくれているのが本書、といえると思います。
    著者が言うには、本書は、入門書としてまだまだ難しいようで、さらなる入門書を紹介するなど、そういった面でも親切な一冊です

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    2023年11月12日
  • オックスフォード哲学者奇行

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    変わった哲学者の行動が取り上げられている本という予想に反して、ほとんどの哲学者は普通の人だった。主に20世紀のオックスフォード大学で哲学の教鞭をとった人の紹介である。チューター制をとっていて、師匠と弟子という関係が強く現れるのだが、それ以外にも哲学者同士の議論が活発だったことが窺われる。驚いたのは女性の哲学者が多く活躍していることだ。第二次世界大戦の影響で、男性の多くが兵役に従事していた状況もあるが、それ以前から女性が大学に行って哲学を学ぶこと、さらに育児をしながら研究を続けることが可能であったことがわかる。登場人物についてほとんど知らないし、哲学者は難しそうで知人になりたくないと思っていたが、哲学者同士で恋愛、結婚、嫉妬などのエピソードを読むと、親しみが湧いてきて面白かった。

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    2023年11月04日
  • なぜヴィーガンか?

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    ネタバレ

    人々が動物性食品を止めるべき主な理由は動物への配慮、気候変動対策、自分の健康への問題、生鮮市場における感染症の4点が挙げられる。
    動物に苦しみをもたらす慣行を支持したくないからベジタリアンになるのであれば、中枢神経系がないハマグリやホタテ、良い生の鶏の卵を食べるフレキシブルなヴィーがんは問題にならない。
    動物の解放運動は他の解放運動と異なり、搾取される側である動物が組織的な抗議をしないこと、抑圧する側に属する集団の構成員のほぼ全てが抑圧に直接加担している受益者であることなどから、不利である。
    畜産を止めれば、浮いた飼料生産により、地球から飢餓と栄養失調はなくなる。すなわち、動物の解放は人間の解放につながる。
    ベンサム「各人を一人として数え、誰も一人以上としては数えない」

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    2023年09月23日
  • オックスフォード哲学者奇行

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    20世紀中頃、オックスフォード学派の最盛期を創り上げた哲学者たちの関係性や人間味を垣間見ることができた。
    能力差や業績はさておき、私はいつかの彼らと同じ大学院生なのだと読みながら実感し、自分も彼らのようにもっと哲学を楽しみたい、熱中したいと思った。背中を押された。

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    2023年09月05日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    読みやすくて、倫理学の知識を体系的に学ぶ事が出来た。引用してくる倫理学者の古典文章を、わかりやすい所を分かりやすく引っ張ってきてくれてるのが助かります。今まで麻薬で出す快楽と、知的活動で得られる快楽の違いをずっと考えていたけど、本文の「それが客観的な快楽かどうか」という文書で何となく腑に落ちた。

    相対主義批判の矛盾 根本的ルールは同じ
    自然は正しいの?
    ジレンマに対して備えておく より洗練された倫理

    共感 反感の原理 自分の好きなことだけ
    ベンサム 道徳と"立法"の諸原理序説
    帰結主義 行為の帰結を評価 幸福主義 幸福だけが内在的価値を持つ

    ゴドウィン 政治的正義 婚姻制度批判 「わたしの」という発想をなくせ 公平性 結婚後は変わる
    家庭の人間関係のうちに暮らす人は、他の人に快を与える機会を持つ

    規則的功利主義 規則や義務に2次的に採用 間接功利主義 行為功利主義 個々の行為に ゴドウィン
    道徳的に重要な違いがあれば 異なる仕方で ピーターシンガー 貧しい国への援助 最大多数はどこまで含むのか

    公共政策における功利主義 最小不幸社会 トリアージ 優先度 ロールズ「功利主義は人格の個別性を無視する」どんぶり勘定 長い目で見たら

    ミル 自由主義的 長期的に見て社会全体が幸福に ロックの自然権は根拠 他者危害原則
    チャドウィック 権威主義的 パターナリズム 当人の意思に関係なく、当人の利益のために
    どこまで正当化されるか
    リバタリアンパターナリズム ナッジ 人間は合理的に行動しない 人々を取り巻く環境を変更して自然と正しい選択肢を

    高級な快楽とは 高級な苦痛は 快楽ソムリエ マトリックスは幸福? 我々は客観的にも幸福でありたい
    快楽とは選好 選好功利主義 適応的選考の形成 選好の充実が幸福なのか 吾唯知足 厚生功利主義

    特定の命を救うことに大きな共感 募金 思考は直観的な経験的システムと分析的システム mri
    デブトロッコ実験 落とす派は認知的活動を司る脳の部位が活性化 落とさない派 感情を司る脳が活発

    ビル・ゲイツの寄付のやり方 j美







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    2023年02月09日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    世間の功利主義者への風当たりは強い。「最大多数の最大幸福」をスローガンに掲げる功利主義者は、みんな(つまり多数派)の幸福を大事にするから少数派を置き去りにするし、権威主義的で非道徳的だと。いやいや、まあ急進的な原理主義的功利主義者はそうかもしれないけれど、功利主義ってそんな悪魔の経典みたいなんじゃなくてね、という話。直感的には、目の前の困っている人を助けてあげたいけれど、国を統治する人がそれをしていたらキリがないですね。むしろ、統治者の目に見えていない人たちが犠牲になっている。そのための指針として「最大多数の最大幸福」という基準で測ってみるのはどうですか?ほとんど無視されていた労働者、奴隷、女性などの多くの人々の幸せを等しく勘定に入れましょうよ、という考え方です。原理主義的になりすぎるとどうかと思いますが、真っ当な指針だと思いませんか?

    本書では、功利主義の説明に続いて、幸福と快楽の関係性や、「人間は非合理的な意思決定を行いがちだ」という心理学的・行動経済学的な知見にもとづいた考え方と功利主義の関係についても解説されています。全体的に読みやすく、小ネタも面白くて好き。最後の「ブックガイド」もおすすめです。

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    2022年02月13日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    倫理とは何か、について、功利主義という主義に入門してざっと全体を眺めてみようじゃないか、という本。

    最近、自動運転で流行りのトロリー問題から始まり、豊富な例題と読みやすい文体で一気に読んでしまった。

    功利主義とは、簡単に言ってしまえば快楽の総和を最大化することが目的であり、純粋に言えばトロリー問題で言えば迷わず5人の命を救うのだろうけど、実際に功利主義の原理主義みたいな、最大幸福の実現のために少数を犠牲にするような考え方は古く、その起りもむしろ少数のないがしろにされている人間も平等に扱うべきだというところがあることが理解できた。また、それに対する批判もあった上で、どう変遷していったかがわかりやすい。

    特に興味深かったのが公衆衛生の章。この本はコロナ以前に書かれた本だが、政治と功利主義の関係性について現実と照らし合わせるとよく理解できた。コロナに罹患した状態、というのをどう定義するかによるけれども「他人に危害を与える状態」という立場をとれば確実に公衆衛生上隔離や強制的な治療といった措置は免れないし、ただしその場合でも功利主義の最大幸福のために公権力からの個人への介入をどれだけ許容するのか、という議論になる。ほぼ最大限に介入しているのが中国で、自由主義を極端にいっているのがアメリカ、ととらえられるかなと。日本は、というと、その中間というか、自粛という言葉も何もかも「ナッジ」という考えで実行されているとするとある程度は納得できるかなと。公衆衛生は守りたいのでコロナがうつりやすい状況は変えたい(緊急事態宣言や自粛)が、個人の自由は最大限に尊重したいのでその環境は整える(GoTo)みたいな。まあ、ただそのやり方がどこから見ても非常にまずいという気はするけれど、極端な立場から批判できるものでもないかなという気はする。

    参考文献も面白そうだったので、倫理学というか功利主義についてもうちょい理解を深めてみたい。

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    2021年02月03日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    ネタバレ

    思想が誤解されがちな功利主義を改めて入門する本であると同時に倫理学の入門書として本書は位置付けられています。結婚制度に絶対反対の立場であったゴドウィンがウォルストンクラフトと結婚することで転向し、結婚制度に積極的な態度をとるようになったエピソードはとても面白かったです笑

    2人から生まれた子供がフランケンシュタインの著者で有名なメアリー・シェリーで近代フェミニズムの先駆けとなった母親の意志を受け継ぎ(当初母国の英国では全く受け入れられなかったけれど)、フランケンシュタインの中で家庭の天使とされた女性を批判し、フェミニズムを見事に描き出しています。

    本書中では、倫理学の分野ではもはや忘れ去られている?幸福論についても言及が行われています。幸福とは何かについて再度問いをたて検討を行っています。著者の見解では、政治レベルでは最大幸福原理を追及、個人レベルでは時には己の際限なき欲求を戒めつつも、自分が現に持っている欲求を追及すべきだそうです。
    うーん全ての人間の欲望が満たされるのが先か、地球が人類が真っ当な生活を送れる水準を保てなくなるのが先か、もはや地球環境レベルの話もふまえて議論していくべきかなと個人的には思います。
    いわゆる先進国における欲望の肥大化を戒め、他の国々・地域に資源の分配を行うのであればすぐにでも達成できそうな話ですが・・・。本書中でも心理的麻痺の話がありましたが、意外とそこまで考えが至る人がまだまだ少ないということですかね。

    また本書末のブックガイドが良かったです。次読む本の参考にしたい。

    ところでJ美さんは序盤と最後以外全く出てこなかった気がしますが気のせいですか?

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    2020年03月28日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    功利主義の概要とそれにまつわる諸問題を、わかりやすくていねいに解説している入門書です。

    著者はすでに『功利と直観―英米倫理思想史入門』(2010年、勁草書房)を刊行しており、そちらではかなりていねいに功利主義と直観主義の対立を軸に倫理学の思想史を紹介していますが、これに対して本書では「体系性はあまり重視せず、むしろ倫理学に対する読者の関心を高めることに意を注いだ」と「あとがき」に書かれているように、より親しみやすい内容の入門書となっています。

    倫理学は、いったいどのような立場から、どのような方法にもとづいて、倫理についての考察をおこなっているのかという基本的なところから説きはじめています。著者は、功利主義の立場から公衆衛生の諸問題に対してどのような解決策を示すことができるのかという問題に対しても、アウトラインにとどまってはいるものの、みずからの見解を示しており、さらに幸福度の評価という困難な課題についても一定の見通しを提出しています。もちろんこれで完全に問題が解き明かされたというものではありませんが、読者を倫理学的な議論の場へと招き入れることには成功しているように思います。

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    2024年02月10日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    功利主義についてわかりやすく軽くつまんで説明してある
    重要そうなところは話していると思うので、倫理学について考えるとしたらこれである程度十分だろう。
    倫理の難しさもわかって良い

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    2019年01月06日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    タイトル通り、功利主義の入門書で倫理学についての新書らしい新書。不用意に深く踏み込むことなく、また著者の価値観を大量にちりばめることなく書かれているので身構えることが少なく読みやすい。しかもリファレンスとして使えるレベルでまとまっている。
    知識レベルで功利主義について知るならこの一冊になる。

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    2017年10月16日
  • 功利主義入門 ──はじめての倫理学

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    功利主義入門できた。ブックガイドもすこし気になる。監視社会ものを勉強するため、というか前提知識として読んだ。

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    2015年12月14日