児玉聡のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルの通り、功利主義について様々な事例を用いわかりやすく解説するとともに、倫理学を学ぶ手引きとなるような一冊。
本書をきっかけに批判的思考を身につけ、実践して欲しいとの思いが込められている。
また巻末のブックリストが充実している。
功利主義については、古典的功利主義から現代の発展した(対応した)功利主義まで具体例を用いて説明されているので非常にわかりやすい。功利主義をはじめとした倫理学が「理屈なかりで人情が足りない」と言われるのは、誤解であることもわかる。
また6章「幸福とは何か」が最も印象に残った。
最大多数の最大幸福を唱える功利主義において、では何が幸福なのかということは最も大切なことであるからだ。
「太く短い人生がいい」と言い暴飲暴食をする人に対し、健康を気遣い食事制限を提言することは果たして当人にとっては幸福なのだろうか。個人の幸福の定義については人それぞれとしかある種言えない。個人主義の話である。ただ、ミルの他者危害原則でもいうように、「他者に迷惑がかからない範疇で」自分の幸福を追求するという考えは大切である。
またミルの「満足したブタよりも不満足な人間の方がよい。満足した愚か者よりも不満足なソクラテスの方がよい」という発言は納得半分と反対半分である。
確かに食欲や性欲など低次欲求を得ることよりも、知的欲求など高次の欲求を得る方が幸福度も違うかもしれない。が、だからといって知的欲求が最上と考えるのはいささか疑問を感じる。
まだ私の考えが足りていない段階の疑問なので、これから勉強のしていきたい。
総じて、読みやすく良本であると思う。 -
Posted by ブクログ
ゴドウィンはウォルストンクラフトとの出会いで功利主義思想に修正を加えた。その娘はフランケンシュタインの作者。
現代の功利主義は、家族や道徳的規則も考慮する間接功利主義。行き過ぎを戒める規則功利主義。
元祖は、直接功利主義で行為功利主義。
同性愛と異性愛に道徳的な違いはない(ベンサム)
男女に違いはない(ミル)
動物と人間に違いはない(シンガー)。
最大多数の中に、どこまで入れるか。
常識的な規則が、功利主義的に見ると不公平に扱っていることがある。
幸福は多様だが、不幸は同じ=ホバー。最小不幸社会を目指す。
医療現場のトリアージは、功利主義的な考え方。
津波のときは、てんでんこで逃げる。自分のことだけを考えて逃げることが一番効率的。
リバタリアンパターナリズム=自由だが、望ましい方向が自然と選べるように導くべき、という考え方。
トゥルーマンショーの主人公は幸福か。薬で幸福感を得ることは幸福か。
群衆を見ても助けようとしないが、個人を見ると助けようとする。人間の命の重さが等しいと考えると功利主義的には非合理。
ビルゲイツは寄付先を選ぶとき、多くの人に影響を及ぼしていて、過去に無視されてきた問題、に対して寄付する。功利主義的な考え方。直感を排除する。