内田百間のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内田百閒が、愛猫ノラが行方不明になってずっと泣いている一連の作品集。
昭和32年3月27日昼過ぎ、百閒の愛猫ノラは行方が分からなくなりました。翌日から内田は「ノラの事が非常に気に掛かり、もう帰らぬのではないかと思つて、可哀相で一日ぢゆう涙止まらず。やりかけた仕事の事も気に掛かるが、丸で手につかない。」と惨憺たる様子ですが、その後もノラは一向に見つかりません。
朝日新聞に猫探しの広告を出し、警察署にも届けを出し、NHKでも放送をしても見つからない。4月に見つかったとの報を受け、「うれし涙にむせて、声が途切れて、口が利けなかつた」と感涙するも結局違う猫でがっかり。心労で7kg以上痩せて、目も霞むほ -
購入済み
戦時中の庶民の生活の記録です
戦時中の庶民の生活って、あまり記録がないんてすよね。
そこに興味を持っている人にはオススメです。
今の人とあんまり変わらないなぁという感じで、自分としてはとても面白かった。
なんでそこまで酒に拘るのかと突っ込みたくなりましたが(笑)
オススメですが、淡々と書かれているので、小説のようなドラマチックな描写を期待している人には肩透かしになってしまうかもしれません。 -
Posted by ブクログ
誰ですか猫好きにオススメとか言ったの!
文庫の裏に愉快な連作とかあるけど、愉快じゃないですよ!!
1本目の「彼ハ猫デアル」以降、(所々でかわいい猫の所作の描写が含まれるものの)胸が苦しくなる話ばかりじゃないですか……
百閒先生、ネコは特別好きではなかったとか言いながらノラとクルのために東奔西走する姿に共感を覚えます。
先生の「ノラもクルもどこにでも、いくらでもゐる駄猫で、それが私には何物にも換へられない」っていうのはすべての愛玩動物飼い達の本心だなあとそう思います。
すごく良かったけど、ネコ可愛い!もふもふ!フフフッてほのぼの読める話ではないので、猫好きに紹介するときは一言添えて薦めよう