宇野維正のレビュー一覧
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題名が気になって。
あまり音楽の流行には疎かったけれども、色々と動きのある年だなーとは感じていました。そっかー、一番CDの売れた年だったのか、と。
そういや、我が家にもラジカセが来て、初めて買ったアルバム大のCDが、FirstLoveだったもんなぁ、と懐かしく思い出しました。
そして翌年、中学校の音楽室のラジカセで、凄い歌手がいる、と聴いた覚えのある歌舞伎町の女王。でもごめんあんちゃん、あの時の私には高度すぎて理解できなかったんだ、16年近くかかってやっと椎名林檎のよさを理解できるまでになりました。(報告)
あと宇多田ヒカルのすごさも理解できました。firstloveとエヴァしか聞いたことなか -
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CDの時代は終わっても、彼女たちの時代は続く。1998年の音楽バブルを振り返る1冊。アイドルからアーティスト。メモ。
(1)ビルボードを始めとする我々が目にして来た海外の楽曲単位のヒットチャートの殆どはセールス以上にラジオでのオンエア回数に比重が置かれていた。アルバムをプロモーションする為のツールがシングルだった。
(2)宇多田ヒカルの作品からは宇多田ヒカルの声しか聞こえてこない。音楽にある密室感と親密さはスタジオこそが自分の部屋という感覚。スタジオの音楽家。
(3)Message from Hikki、直接webを使って対話することが音楽メディアの終わりに繋がった。宇多田ヒカル以前と以降で日 -
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タイトルにある宇多田ヒカルほか、同年にデビューした女性アーティストについての考察です。なるほどとうなずく点も多く、面白く読みました。手に取ったきっかけは、渋谷系のことが書いてあるという感想を目にしたからなのですが、その件については正直、そこまでくささなくても、と感じました。「渋谷系」の本では、渋谷以外からも同様の動きが出てきてほしかった(けれどそうはならなかった)という趣旨のことが書かれていて、それを信じるならば、渋谷が注目されたのは渋谷のせいではなく渋谷以外のせいです。同じように地元発の音楽を売り込もうと考えるのではなく、渋谷系という勝ち馬に乗ろうと考えた、その結果だということです。おそらく
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映画業界の激変がよくわかる本。「映画を早送りで観る人たち」と合わせて、この方面の現状を知る上でマストかもしれない。
配信プラットフォームの普及、新型コロナウイルスの影響、「#Me Too」運動によって、もはや後戻りできないところまできている感がある。人気シリーズへの依存度を高め、オリジナル脚本や監督主導の作品は足場を失いつつある。
「気がつけば、ブロックバスター作品とアートハウス系作品の中間にあるハリウッドメジャーの作品が、集客面だけでなく劇場公開された本数においてもすっかりスカスカになっているのだ」(p76)
かたや配信サービスはシリーズ一挙公開の供給過多=早送り消費のコンテンツ。現代 -
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1998年にデビューした、宇多田ヒカル、椎名林檎、aiko、浜崎あゆみの4人を取り上げ、彼女たちの音楽とそれが熱狂的に受け入れられた時代について論じた本です。
「花の82年組」と呼ばれた女性アイドルたちの時代から、「アイドル再生工場」としての小室哲哉が君臨した時代を経て、本書が対象とする4人がデビューするまでのプロセスを、「アイドル」から「アーティスト」への変遷という基軸で整理しているところは、興味深く読みました。その一方で、本書の主題であるはずの4人の女性アーティストの魅力について、十分に言葉を尽くした説明がなされているかという点には、少し不満が残りました。
確かに、宇多田ヒカルが「スタ