植本一子のレビュー一覧
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星5なのは植本さんのエッセイを続けて読んだおかげかも。
頭がすごく追体験、答え合わせしたような感覚。
以前エッセイで、植本さんはそんなこと考えちゃうのか…と思ったところがカウンセリングによって過去の記憶と結びついていることを再確認し、解消していく。
とてもスッキリするし自分も前向きな気持ちになる。
自分がこう人と付き合いたいという理想と乖離があるから悩むわけだが、傷つけ傷つけあう関係も悪いというわけではなく。
みんな必ずしも矯正しないといけないものでもないんだろうなとも思う。
それにしてもカウンセリング、トラウマ治療ってすごい。
EMDRという方法、やってみていないから、そんなことで過去の埋 -
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ネタバレいやー、すごい本だった。
帯に「叙事詩」って言葉が使われてたんだけどいや本当にこれは一大叙事詩。限界育児のこともさることながら夫の石田さんへの愛憎入り混じった思いとか、あと途中から一子さんの好きな人まで出てきて、あっ不倫……不倫だ……と読んでるこっちが後ろめたい。そして書き下ろしの「誰そ彼」本当にすごかった。これを書ける、書こうと思ったその覚悟がすごい。
この本が出ることによって一子さんはものすごく失うものが大きいんじゃないだろうかと思ったけれど、失うものが大きいんじゃないかと思うものって大抵得るものも同じくらい大きいんですよね。これを一冊の本にした、できたのはまじで一子さんの人生の財産だと私 -
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一気に読み終わってしまった。トラウマ治療について、大きなトラウマを持っている人のみが受けるものかと思っていたけれど、植本さんもおっしゃっているように、トラウマに大きいも小さいもないのだ。自分の過去を乗り越えたい、自分を変えていきたいと望む人全員が治療を受けることができる。
トラウマの内容が仔細に語られているわけではないけれど、治療を受けるに従って自らの思い込みやパートナーへの執着を手放していく植本さんの強さに涙が出た。過去の嫌な出来事は、忘れていることも気づかないくらい自分の記憶の奥底に沈められているから、それを取り出して向かい合うのは本当に辛いこと。
でも、今のままではいけない、パートナ -
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久々にハードカバーの本を一気に読みました。
最後まで悲しく苦しかった。
特に母親との確執は自分とも重なり胸が痛んだ。
悪気なく人を傷つける人は一番キツイ。
互いに傷つけるしかないのであれば離れるのも大切なこと。
でも少し母親の気持ちも聞いてみたくなった。
実家のちらし寿司、本当はみんなで食べたくて待っていたのでは?とか。私も「お手伝いじゃない」と叫んだことがあるので。
ご主人のことは病の恐ろしさとそれを受け入れるしかない家族の気持ちが赤裸々に書かれていて親の病を思い出していた。大切な人が病んでいるのを見るのは本当に辛い。
シッターの村上さんとの心の行き違いは似たもの同士だから起こる行き違いのよ -
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ネタバレ今の自分にも、そもそもの自分にも刺さる話だ
って最終的には思えたけど、なんて自分勝手な人だろうと思って、でも本なのだから、芸術なのだから、理解できんわ〜〜で済ませたらこっちが話の分からない人になってしまうから、何も読み取れないまま終わってしまうのはもったいないから、赤裸々に書くことこそが芸術なのだと納得して読み進めたが、芸術家は感性の鋭い人は、何をやっても許されるんですね〜〜って正直思う
みんなの感想がちゃんとしてて、やっぱり自分の乏しい感性でいくら本読んでもだめだなと思った
あとやっぱり子供作る自信ない
一番わがままだなって思ったのは、柴田聡子のライブで貧血で倒れてライブ台無しにして -
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日記の後半あたりで好きな人が出来ちゃってるのが丸わかりで笑った。外出は多くなるわ、子供や石田さんの様子は殆ど出てこなくなるわ。こうして包み隠さず本にするだけあって、日記にそれがダダ漏れです笑
著者に打ち明けられる前にブログを読んでいた石田さんもわかってただろうな、こりゃ。
結婚していても好きな人ができてしまうのは仕方ないよなーとは思うものの、自分に置き換えて考えてみるとそれも夫や子供などがあるからこその余裕というか遊びの部分という気がする。結局そこに帰れるからかなと。正直、1度離婚してみても良かったんでは?と思うけれど、石田さんの言う通り"変わると思ってた周りが何も変わらなくて1番自 -
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相変わらず賛否両論ある方。諸手あげて賛!ではないけれど、わかるなーとか心当たりがあるな…という部分結構ある。居ると思うよ、こういう人。あたしは違うけどね。うちの旦那さんもこんな部分持ち合わせてる。文中で石田さんが言ってる「わからないことをわからないままにできない人がいる」からあーだこーだ盛り上がるんだろう。著者本人も自分と同じような、そういう人に向けて書いてると言っているんだし、何より石田さんが彼女をそのまんま受け止めてるんだから良しとしよーよ!ただ、ちょこちょこ本人も心配している、娘たちがこれを読んでどこまで共感したり理解してくれるか…こればっかりはなー。同じ環境で暮らしていたって娘たちも「
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ネタバレ運よく、サイン本を買うことができた。「今を生きてる?」と万年筆でサインしてあった。一子さんらしいと思いつつ、感動しながら、中身も読み進めた。
私は「かなわない」で初めて一子さんを知り、一気にファンになったが、先日学生時代の友人の中で「かなわない」について話した時、友人の中にも「自分から不倫してることを書いた人でしょ?」と眉を顰める人もいた。一方で、「不倫を自分から書くから文学なんだよ!」と憤る人もいた。私は一子さんのことは、写真の才能も文章の才能もあってうらやましいくらいにしか思っていなかったけど、そうか、これが文学か。
そして、この「家族最後の日」も装丁が素敵だと思う。「かなわない」もな -
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ここのところ何ヶ月もかかって1冊読むことが続いてたが、夜更かししてまで数日で読んでしまった。そしてハマった。これは前作も最新作も、はたまた石田さんの本までも買う勢いだ。
この本に出会うタイミングも良かったのかもしれない。若い頃だったら、未婚だったら違ったかもしれない。今のこの時にはドンピシャだった。
本業の写真もとても素敵。(本には関係ないが、個人HPのTOP写真がグッときた)
何かと非難されてるようだけれど、取り立てて目くじら立てるようなことあったかな?
これは日記だし、好きとか嫌いとか辛辣な言葉が、本音があって当たり前では。全てに共感はしないけれど、ほぼほぼ、あ〜わかる〜と思った。
こうい -
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写真家であり、ラッパーのECDの奥さんの日記と私小説のような短文集。
以前『働けECD〜わたしの育児混沌記』を読んで、面白かったので、その続きのつもりで、軽い気持ちで笑って楽しもうと読みだしたが、見事裏切られ腹にズシンとくる内容だった。
筆者の植本さんがこの日記で、「働けECD」の続き物にしたくなかったと書いているように、自分自身を全面にされけ出した本になっている。「女」全開。「自分」全開。
ただただ、ブラックホールのような、マグマのようなパワーに圧倒される。
最初の頃の日記は育児に翻弄される筆者の、もうどうしようもない育児の悩みがつづられる。保育園の先生にも心配されるようになる。子育 -
Posted by ブクログ
著者のブログに掲載された日記を中心にエッセイなどを追加した本。著者は写真家でラッパーECDの奥さんでもある。
著者のことは全く知らなかったが、先日読んだ末井昭著「結婚」の中での二人の対談が面白かったので、興味が出て読んでみた次第。本業は写真家なんだろうけど、文章もうまい。才人である。
日記は主として二人の子供の子育ての話がほとんど。あまりの子育てのしんどさぶりに、読んでるだけのこちらも当惑してしまう。旦那のECDについては、私は名前しか知らず、彼の音楽も聴いたことはないが、この日記からは、彼が相当に優秀な夫で、父親で、社会人であることがうかがえる。
後半の著者の精神がかなりやばいところまで