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末期癌を患った24歳年上の夫は、手術によって一命をとりとめたが、半年後に転移が見つかった。繰り返される入退院のなかで育っていく子どもたちと、ときおり届く絶縁した実家からの手紙。そしてある日、わたしは夫との間に、決定的な〈すれ違い〉があることに気がついたのだ……。
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Posted by ブクログ
相変わらず賛否両論ある方。諸手あげて賛!ではないけれど、わかるなーとか心当たりがあるな…という部分結構ある。居ると思うよ、こういう人。あたしは違うけどね。うちの旦那さんもこんな部分持ち合わせてる。文中で石田さんが言ってる「わからないことをわからないままにできない人がいる」からあーだこーだ盛り上がるん...続きを読むだろう。著者本人も自分と同じような、そういう人に向けて書いてると言っているんだし、何より石田さんが彼女をそのまんま受け止めてるんだから良しとしよーよ!ただ、ちょこちょこ本人も心配している、娘たちがこれを読んでどこまで共感したり理解してくれるか…こればっかりはなー。同じ環境で暮らしていたって娘たちも「個」ですから。著者にとって最悪の反応、結果も覚悟はしておかねばねとは思うかなー。これで2冊目、かなわない他も読んでみます。
もう、私が何か感想を述べるようなものではない。 最後、紙の色が変わってからはじまる「降伏の記録」という名の手記。すごいものを読んだ。 ここまで正直に文章にした一子さん、読ませていただいてありがとうございました。 そして、私は、これから先の一子さんの綴る日記を読みたい、石田さんがとうとう亡くなってし...続きを読むまった時、どうだったのか、すごく読みたいと、残酷にも思ってしまった。
家族最後の日を一気に読み上げてから、待てなくていよいよ購入した。相変わらずの文章力で、これまでで一番破壊力強め、赤裸々ドが強い。色んな意見はあると思うが、みんな一子さんのような事、思いはきっと抱えているのでは。私は自分に置き換えること、多々あり。いつも作る食事も美味しそう。 自分にしか分かりえない体...続きを読む験を見事に綴ってある。本名が多いのも凄い。 自分の最寄駅が登場する一幕に、少々嬉しくなった。
マックグリドルみたいな一冊。賛否あれども「あ、これは、なんというか、分かる。理解できる。そうだよね」ってなる。 「およそ全ての文章は誰かに読まれる為にある」というフレーズをどこかで見たことがある。書くと読むは表裏一体にあるもので、決して人に見せられないような日記ですらいつかは誰かに読まれたいって心...続きを読むの根っこでは思ってる、だからリスクを負ってでも書いて残すんだって。人は誰かに自分を分かって欲しい、言っちゃえば認められたいし、愛されたいし、求めて欲しい。ただこの植本さんはその気持ちが人より強く出るし、そして出続ける。 当たり前のことだけど、自分の人生を徹底して第一優先に考えることができる人だなぁと思う反面、自分が他人によって損なわれるリスクがあるのにも関わらず、きっつい暴露本を出版しつづけるのはなぜなのか。いろいろとイレギュラーゆえに心無い書評に容赦なく傷つけられる描写だってあるのになぜ?きっとそれは、多くの人に意識してもらえるという点で炎上すらをも心の奥底で求めているからなのかなぁ。 仕事も育児も恋愛もすべては自分の人生を豊かにする手段であり、自分が認められる為の言ってしまえばコマ。 当たり前のことなんだけど、みんなそりゃあえて言おうとはしない。なんというかそのキッツイ部分が結晶化したものを、黒い泥の中からボンと引きずり出してきたもんだから、目を背ける人や嫌な顔をする人も多いのかなって一冊。
ひとと向き合うって難しい。 向き合っているつもりでも、人が違えば向き合えていないと捉えられたりする。 相手に何を求めるか、はっきりとわかるには時間がかかるよね… 植本さんは十年かかってこの書き下ろしエッセイの考えになっている訳で… 難しい。自分も旦那や子どもとどんな関係になりたいか、いつか後悔しない...続きを読むようちょっとずつ考えたいと思う。
予想外のラストだった。 「向き合う」とはどういうことなのか、ずっと理解できずにいる。自分も他人も本当の気持ちなんて一生わからないし、「向き合ってほしい」という気持ちも結局エゴな気がする。から、私は石田さんを責めることができない。 ほとほと人間と一緒にいるって難しい。めげそう。
また読んでしまった・・・ 読み終わるたびに『もうこの人の本は読みたくない!』と心から思うのに 忘れた頃にまた、新刊を手にしてしまう。 今回も彼女の心の中は『わたし』で満員だ。 どうして思い通りにならないことがあるたびに 人ばかり頼るのだろう。 丸ごとの自分を人に預けようとする人がいたら 私なら全力...続きを読むで逃げる。 誰といたってどんなに信頼する人がいたって 人間は基本ひとりだ。 自分の感情のお守りを人にさせてはいけない。 でも心をザラつかせながら、 私はまたこの人の本を読んでしまうのだろう。 そのくらい彼女の文章には人を惹きつける魅力があると思う。
青山ブックセンターで平積みしてあって著者のことを知り、夢中になって一気に読んでしまった。読んでいると辛くなり、読んでいない間もずっとこの本のことを考えてしまった。 ガンの闘病生活を送る家族に対する葛藤を、ここまで正直に書いた人は他にいなかったのではないかとおもう。普通は葛藤を書いても、もっと自分を擁...続きを読む護する言い方をしてしまうから。自分の醜い部分を曝け出す一方、周囲に対する批判が少ないのは、著者自身の懺悔の気持ちからではと思った(そんな自分を認めてほしいという気持ちや、商売上手な方なので、インパクトを狙ったというのもあるのかもしれないけど)。 それにしても惹きつける文章で、素晴らしい才能の人を発見してしまったという感じ。実際の本人も、きっと人を惹きつける、魅力的な人物なのだろうなあと思う。 ただ、第三者としてはやはり読んでいてECDが可愛そうになってしまうので、星は3。
「かなわない」から続けて読んでいるが、子供達が成長し落ち着いてきたようにも思えたところの夫の闘病生活。そして、巻末のページ。体力、気力があるときに読まないといけない本だったことを思い出した。
追悼ECDさんと思い、家族最後の日に続き植本さん二冊目。 前作よりも状況がわかっている分若干読みやすいが、後半1/3は読むのが苦しくて、眉をへの字にして読んでいた。 読み終えてから、自分自身の日記に書き綴るのではなく、こうして人の目に晒すことの意味ってなんだろうと考えている。これを読んで救われる人が...続きを読むいるからと書いてあったが、私にとっては救われるというよりは、なんだろう、自分自身の中に確かに共鳴する部分があり、でもそれは必ずしも気持ちの良い感情ではなくてそっと蓋をしておいたり、べたべた何かで塗り固めたりして普段人目には晒さない奥底にあるものが呼び覚まされるような感じ。だから、苦しい。 これって心理学の領域なんじゃないかな、と思った。不用意に蓋を開けると、溢れ出すようなパンドラの箱。ただ、生きている生身の人間らしさに溢れているのは確か。そして、新鮮な感情というものはその時にしか感じ得ないもので、記録しておくことは絶対に意味があると思った。 ———————————————— わずかばかりの渡した日記原稿を初めて読み返して、覚えてないことばかりで驚く。ここに書かなければ一生思い出すこともなく、誰にも知られることのなかった日々。こう考えると、記憶は端からこぼれていくものだし、こぼれたものはもう二度と救えない。でもシミのように残るものがあったら、わたしはそれを見つめて書くんだろう。
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