かなわない

かなわない

小説・文芸
1,496円 (税込)

7pt

育児日記『働けECD』から5年。写真家・植本一子が書かずにはいられなかった、結婚、家族、母、苦悩、愛。すべての期待を裏切る一大叙情詩。

2014年に著者が自費出版した同名冊子を中心に、『働けECD~わたしの育児混沌記』(ミュージックマガジン)後の5年間の日記と散文で構成。震災直後の不安を抱きながらの生活、育児に対する葛藤、世間的な常識のなかでの生きづらさ、新しい恋愛。ありのままに、淡々と書き続けられた日々は圧倒的な筆致で読む者の心を打つ。稀有な才能を持つ書き手の注目作です。

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かなわない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    これは、ものすごい本だった。
    日記、実録だとはしらずに読み始め(すみません)、読み進めるうちにあれ?これは本当にこの人がこの世に存在していて、日々を綴ってる?え、こんなにあっけらかんと自己開示できることってある?それを出版??と混乱。まさにかなわない、と思った。人の個人的な、秘密であるはずの日々の日記を読ませてもらっているうちに話はカウンセリングへと移り、なぜか前提も全然違うのに私の悩みにも流れ弾で響く言葉があり驚き。
    出産前に猛スピードで読んだので、いつかまたゆっくり読み直したい。とにかく凄い。

    0
    2026年03月01日

    Posted by ブクログ

    第2子出産の入院中に読破。

    味わったことのある、育児中の孤独と自己嫌悪と罪悪感が
    他人事とは思えず、むしろ濃縮されたそれらを否応なしに
    追体験させられて、読み進めていくのがしんどかった。
    どんどん私まで傷付いていった。憎くなるくらいには。
    なのに、読み進めるのを止められない。
    読み手にどう思われるかを、全く気にしてない姿に
    嫌悪感さえ覚えてしまったのだけど、それはいかに自分が
    他者の視線を気にしているかの裏返しであると気付かされたり。

    やーーーー、すごい。
    他の植本一子の本、買ってしまったもんね。
    気になって気になって。

    0
    2024年03月20日

    Posted by ブクログ

    日記本はあまり読んだことがなく、読みづらいな、と初めは思った。しかし、作者の本音を曝け出してくれているのがなんだか安心し、どんどん読めました。私も自分を愛せなくてもがいていますが、同じような人がいたんだと、「見つけた」感覚を味わいました。素敵な本をありがとうございます。

    0
    2022年04月30日

    Posted by ブクログ

    色々と言いたいこともあるが(※震災後の混乱していた時期だし仕方ない)植本さんのキャラで帳消し。とにかく正直な人だ。レビューで「わがまま」とか「自分勝手」とさんざんな言われようだけど私にはその評価がピンと来ない。大抵の人間は自分のことを書く時に自己弁護や自己欺瞞が付き物だ。この人にはそういう誤魔化しがないだけ。むしろよくやってると思う。「働けECD」も読んでみたい。

    ※2021年現在、震災後の福島で生まれ育った子供たちに放射能の影響はなかったことが証明されてきます。それだけは言わせてください。

    0
    2021年02月13日

    Posted by ブクログ

    日記の後半あたりで好きな人が出来ちゃってるのが丸わかりで笑った。外出は多くなるわ、子供や石田さんの様子は殆ど出てこなくなるわ。こうして包み隠さず本にするだけあって、日記にそれがダダ漏れです笑
    著者に打ち明けられる前にブログを読んでいた石田さんもわかってただろうな、こりゃ。
    結婚していても好きな人ができてしまうのは仕方ないよなーとは思うものの、自分に置き換えて考えてみるとそれも夫や子供などがあるからこその余裕というか遊びの部分という気がする。結局そこに帰れるからかなと。正直、1度離婚してみても良かったんでは?と思うけれど、石田さんの言う通り"変わると思ってた周りが何も変わらなくて1番自分が傷付く"という結果になっていたとあたしも思うなぁ。
    ありきたりだけれど、自分に似た人ってやっぱ付き合い難く真逆の人が相性が良いんであろう。ずーっとフラットで変わらない石田さんの安定感たるや。そこがイラついてしまうのもわかるんだけど、彼氏と著者は似過ぎていてどこまでも落ちていく感じが不安で怖い。
    他人が好きになった人のことを知りもせずに批判するのも何ですが、彼には敵わなくないと思う。石田さんには、うん、敵わないね笑

    0
    2019年03月15日

    Posted by ブクログ

    写真家であり、ラッパーのECDの奥さんの日記と私小説のような短文集。

    以前『働けECD〜わたしの育児混沌記』を読んで、面白かったので、その続きのつもりで、軽い気持ちで笑って楽しもうと読みだしたが、見事裏切られ腹にズシンとくる内容だった。

    筆者の植本さんがこの日記で、「働けECD」の続き物にしたくなかったと書いているように、自分自身を全面にされけ出した本になっている。「女」全開。「自分」全開。

    ただただ、ブラックホールのような、マグマのようなパワーに圧倒される。

    最初の頃の日記は育児に翻弄される筆者の、もうどうしようもない育児の悩みがつづられる。保育園の先生にも心配されるようになる。子育て中は、みな似たような体験がある。育児とは本当に大変なもので、孤独なもの。自分自身を追いつめるものである。その点で非常に共感できる。外では涼しい顔しているけど、家の中では散々もがき、必死に育児している。そんな等身大の母親(基本的に世の母親達は、皆自分なりの母親像になれなく、もがいていると思う)として応援がしたくなるし、子育ての親として背中を押してもらえるような元気をもらえる。

    ただ、今度の本はそれだけでは終わらない。母親との確執、その関係から自分の子供との関係、距離感へ。段々と精神的に追い込まれ、いつの間にか好きな人ができ不倫しつつ離婚をしたいといいながらECDとは別れられず、漫画家の先生にカウンセリングを受けるに至る。
    私小説を読んでいるような、どこに行ってしまうのだろうと、まさに生きながらこの人自体が文学という趣。

    母親という目線でみると、理解できない部分が多々あるが、この人の日記(ブログ)は正直にさらけ出されていて、描いてある内容はメランコリックなのだが、ある意味すごい強さがあるなと思う。永遠の10代のような純粋さと鈍感さを併せ持つ。

    何はともあれECDが、だらしないゴロツキでもなんでもなく、包容力のある不器用な男として魅力あふれて感じられる。

    やはりこの本の裏に流れるテーマはECDなのだと思う。ECDという存在なしに植本さんの心情だけでは、ここまで惹きつけられて読めないのではないだろうか。

    そして、今年の初めにECDが亡くなった。
    改めてYoutubeでラップを観て、カッコよさに痺れた。
    動画で子供たちと映るECD(石田さん)のシャイな笑顔に、入院時のさみしげな目つきに、惹きつけられた。

    残った子供たちと一子さんが幸せに生きていけるように。本の題名のように「かなわない」ことが世の中にはたくさんあるけど。

    ちなみに、一子さんに日記にでてくる本には、あたりが多い。つげ義春の奥さんの藤原マキ「私の絵日記」が紹介されていたが、つげさんもびっくりの面白さ。一子さんもだけど、アーティストの奥さんはやはり只者ではない。

    0
    2018年03月06日

    Posted by ブクログ

    しんどい。けど読んでしまう。
    すごく時間がかかった読書。
    その心はわかる、けどその行動はわからない。
    私は自分の感情をおさえつけているだけなのかもしれない。
    感情のまま子育てしてはいけないと制御している。
    それが正かはわからない。
    世間的に見ればそれは正しい行いでしょう。
    ただ、感情を殺しているような気持ちになり、一体何が全ての人にとって正なんだろう。
    この子にとっての正はどれなんだろう。
    なんか色々考えてるきっかけになりました。
    私とは違う人生。
    人生されてるなあと感じる、ありのままに近しい生々しさに惹きつけられました。

    0
    2026年07月08日

    Posted by ブクログ

    前半、読んでいてとても苦しくなった。
    わたしもちょうど母との関係に悩んでいたし、これから子どもについて考えていたから。
    わたしと似ているところを感じるから、苦しくなる。
    同じ心の状態だったことがある。

    植本一子ってとっても自由な人なんだ。
    そんな人が子育てしたらきっととっても大変なんだろうな。羽を折られたような感覚。
    飛びたくても飛べない、それは彼女にとって拷問に近いんだ。

    わたしも27歳までそんな生活に憧れていた。
    今のわたしは29歳。地に足のついている生活が、たまらなく愛おしく感じている。
    わたし自身がドラスティックに変わっていった年齢を、植本一子という他の人生で垣間見ることができた。
    時代の違いも楽しい。変わっていくもの、変わらないもの。
    わたしも小田急線沿いに住んでいたので、聞き慣れた名前が嬉しい。

    0
    2025年12月15日

    Posted by ブクログ

    読後感はどっしりとしていた。
    前半はパワーに圧倒されて、読むのに力が必要だった。
    正直、ムムッとなることも書かれていたが、生身の人間味を感じられて、生きてる感覚を取り戻せるようだった。

    0
    2024年08月20日

    Posted by ブクログ

    実在する人間のリアルな物語、想いに触れることができる稀有な本。
    この圧倒的に率直な文章に対して、簡単に非難を浴びせられる人たちのことがわからないしこわい。これが人間じゃないか、と思う。あなただって案外近くにいるかもしれないのに。
    これを読んで、もっといろんな人の、本当に考えていることを知りたいと思った。けれど、これ以上のものに出会うことができるのだろうか。

    0
    2024年01月18日

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