植本一子のレビュー一覧
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ネタバレ正直な人だなあ。こんなに正直に書けない。だって、人にどう思われるか不安だから。
子育ての大変さ、よく分かる。著者と全く同じことをよく思うし、同じことをしてしまっていることもある。
大変さを率直に言いあえて、認め合えて、分担し合えるような社会になったらいいよね。
子育ては大変だけど、楽しいところ、とても嬉しいところもあって、そんなところもちゃんと書いてある。
子育ては大変、やりたくないって、この本を読んで思う人がいると残念だけど、著者も書いているように、大変だけど、子どもがもっといたらとも思う、子育てって不思議なもの。
お母さんとの話も書いてあり、「私はずっと母の子どもでいたいんだと思う」という -
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ネタバレ淡々とした日記のなかに、媚びへつらわない正直な毎日が、想いが、詰まっている。
「写真を撮っているとき、そして文章を書いているとき、私の精神は安定している。そのときは誰にも依存せず、自分一人で立っている気がする。」
そう言う筆者の植本さんにとても共感する。
一人で立つ、ということばがよく出てくる。自立、自律?
一人で立たなければいけないと私もずっと思っていたけれど、本当にそうなのだろうか。
人という文字は、人と人が支え合っている様子を表しているなんていうけれど、その角度というか、支え具合、支えられ具合はフレキシブルに変化していくのが理想だと思う。常に寄りかかっていなくても良くて、でも立ってい -
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「家族」をテーマにしたエッセイというか、日記。誰かが勧めていたのを見て読みだしたのだけれど、よくよく考えると「かなわない」は読んでないし、植本さんの写真はちゃんと見たことないし、ECDも石田さんのラップも聞いたことはない。
冒頭の広島の母との話で、「あぁ、最後ってこういう意味か」と思って読んでいたけれど、大半は法律上の夫である石田さんがガンで入院してから2か月ぐらいの諸々。どうしたって子育ても続くし、日常はしんどいし、不安も、疲れも、まぁ読んでて楽しくなるものではない。万人受けしないものだと思うけれど、個人的には読み進めずにいられないものでもある。
タイトルの「最後」に絡めていうならばどこかで -
Posted by ブクログ
「かなわない」で文章がすごく好きだと思った植本さんの新著。
旦那さんである石田さんが癌だということが分かり、この先どう頑張っても終わりようのない日々の始まりが少し書かれている。
前作との比較になるが、文章からはだいぶ落ち着いたんだな、ということがうかがえる。前は文章もすごく凶暴で乱暴で、怖かったのだ。感情をぶんぶん振り回し、子供のように泣く一子さん、怖かったけど好きだと思っていた。
読みながら「家族最後の日」の意味を考えた。それはあとがきで明かされているのだけれど、そうかあと納得できた。家族を二つ持つことの意味を、私はまだまだ理解出来ていなかった。
読んで心が不思議と落ち着いた。、 -
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赤裸々な文章とはこのこと、っていう感じ。
この日記を書かれた時の年齢も自分と近く、広島出身ということで白バラ牛乳や木次乳業もちらっと登場するのが嬉しい(島根出身の自分)。
と、途中までは思っていた。途中までは…
子どもに当たってしまうことや、親との確執など、全部他人事とは思えないエピソードが後半は多い…不倫まで。てんこもり。
ECDがどうなるか、先に知っているが故に、色々思いながら読んでしまう部分もあった。
幼少期の体験から自己肯定感が低いのが全ての原因、と『ちひろさん』の作者にも言われている。
子どもを愛したら、愛されなかった過去の自分が嫉妬する。わかる気がしてしまう。
自分も母や父に -
Posted by ブクログ
3ヶ月にわたるトラウマ治療の記録。
治療を重ねるごとにパートナーとの向き合い方が変わり、その心の動きが手に取るようにわかる、読みやすい本だった。
突飛な言い回しや表現はなく、平易でシンプル。だからこそ、作者がまるで自分の身近な人かのような親近感もあった。
トラウマ治療の手法や経過は興味深いものだった。光の点を目で追うことで脳を刺激することで、トラウマの原因になっている情景を思い出し、新たに捉え直すというもの。現在起こっていることに対する対症療法ではなく、過去に向き合い直す根本治療。そういう治療が世の中に存在すると知っておくことは、心のお守りになった。