植本一子のレビュー一覧
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赤裸々な文章とはこのこと、っていう感じ。
この日記を書かれた時の年齢も自分と近く、広島出身ということで白バラ牛乳や木次乳業もちらっと登場するのが嬉しい(島根出身の自分)。
と、途中までは思っていた。途中までは…
子どもに当たってしまうことや、親との確執など、全部他人事とは思えないエピソードが後半は多い…不倫まで。てんこもり。
ECDがどうなるか、先に知っているが故に、色々思いながら読んでしまう部分もあった。
幼少期の体験から自己肯定感が低いのが全ての原因、と『ちひろさん』の作者にも言われている。
子どもを愛したら、愛されなかった過去の自分が嫉妬する。わかる気がしてしまう。
自分も母や父に -
Posted by ブクログ
3ヶ月にわたるトラウマ治療の記録。
治療を重ねるごとにパートナーとの向き合い方が変わり、その心の動きが手に取るようにわかる、読みやすい本だった。
突飛な言い回しや表現はなく、平易でシンプル。だからこそ、作者がまるで自分の身近な人かのような親近感もあった。
トラウマ治療の手法や経過は興味深いものだった。光の点を目で追うことで脳を刺激することで、トラウマの原因になっている情景を思い出し、新たに捉え直すというもの。現在起こっていることに対する対症療法ではなく、過去に向き合い直す根本治療。そういう治療が世の中に存在すると知っておくことは、心のお守りになった。 -
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Posted by ブクログ
また読んでしまった・・・
読み終わるたびに『もうこの人の本は読みたくない!』と心から思うのに
忘れた頃にまた、新刊を手にしてしまう。
今回も彼女の心の中は『わたし』で満員だ。
どうして思い通りにならないことがあるたびに
人ばかり頼るのだろう。
丸ごとの自分を人に預けようとする人がいたら
私なら全力で逃げる。
誰といたってどんなに信頼する人がいたって
人間は基本ひとりだ。
自分の感情のお守りを人にさせてはいけない。
でも心をザラつかせながら、
私はまたこの人の本を読んでしまうのだろう。
そのくらい彼女の文章には人を惹きつける魅力があると思う。 -
Posted by ブクログ
青山ブックセンターで平積みしてあって著者のことを知り、夢中になって一気に読んでしまった。読んでいると辛くなり、読んでいない間もずっとこの本のことを考えてしまった。
ガンの闘病生活を送る家族に対する葛藤を、ここまで正直に書いた人は他にいなかったのではないかとおもう。普通は葛藤を書いても、もっと自分を擁護する言い方をしてしまうから。自分の醜い部分を曝け出す一方、周囲に対する批判が少ないのは、著者自身の懺悔の気持ちからではと思った(そんな自分を認めてほしいという気持ちや、商売上手な方なので、インパクトを狙ったというのもあるのかもしれないけど)。
それにしても惹きつける文章で、素晴らしい才能の人を発見 -
Posted by ブクログ
追悼ECDさんと思い、家族最後の日に続き植本さん二冊目。
前作よりも状況がわかっている分若干読みやすいが、後半1/3は読むのが苦しくて、眉をへの字にして読んでいた。
読み終えてから、自分自身の日記に書き綴るのではなく、こうして人の目に晒すことの意味ってなんだろうと考えている。これを読んで救われる人がいるからと書いてあったが、私にとっては救われるというよりは、なんだろう、自分自身の中に確かに共鳴する部分があり、でもそれは必ずしも気持ちの良い感情ではなくてそっと蓋をしておいたり、べたべた何かで塗り固めたりして普段人目には晒さない奥底にあるものが呼び覚まされるような感じ。だから、苦しい。
これって心