植本一子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ーーー絶対に、死なれてはならない。ーーー
またとんでもない本が一冊この世に産声を上げた。
家族最後の日、と題された本書は、三人の家族との最後をそれぞれ記している。
母、義弟、そして夫の石田さんだ。
それぞれ何が「最後」なのかも形が全部違っている。
SNSをフォローしているので、あのときのツイートの裏面でこんなことを考えていたのか、こんなことが起きていたのか、と、彼女のその時の心情を思うと、とても、かなしくなったりした。
誰かに対して何かをおもうことについても、日々、日常生活で自分も誰かを無意識に傷つけたり傷つけられたりしているのだろう、といろんなことを考えさせられる。
表面上こうだったから -
Posted by ブクログ
実母との絶縁、義弟の自殺。夫への突然のがん宣告。
「かなわない」から事態は急転する。
手術後、ICUにいる石田さんを見舞った帰り道、疲れて、弱って、誰かに吐き出したいがその相手が見つからない。筆者はふと石田さんにメールしそうになる。そして、気づく。石田さんの携帯はいま、自分が持っている。貴重品は家族が預かることになっているから、今朝から持たされたのだ。
「石田さんにはいま、どうがんばっても届かない。届けられなくなる日が来るかもしれないと思うと、涙が出そうになった。……p.164」
この箇所で何回も泣いてしまう。「かなわない」では泣かなかったのに、これはダメだ。
石田さんはいいとして、親 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごいものを読んだという気持ち。こんなに正直に自分のことを書ける人ってどれくらいいるのだろう。私も母とは確執があり、育てられ方も似ているので実家のお母さんへの言動、感情はなんとなくわかる。心療内科の先生の言葉もグサッとくる部分があった。一子さんって恋愛体質というか常に好きな人が必要な人で、そこも人に依存してしまう自分と似ている。でも決定的に違うのは、私はこんなに赤裸々に自分のことを書けないよ。本当にすごい。育児に惓んでとんでもなく疲れているのに(いるからか?)、毎日精力的に動く。ライブに行きまくり、仕事で出張もたくさんこなす。エネルギーが凄い。
前半は辛い育児日記、後半は好きな人が出来て苦しむ -
Posted by ブクログ
ネタバレ序盤は東日本大震災が起こり原発に対する恐れとか、デモとか育児の苦しみばっかりで、理解できひん内容からが多かった。そこまで気にしいひんやろ。とゆう気持ちがありつつ、震災後すぐの東京は敏感やったのか。とゆう気づきもあった。
それから、育児の悩みを読んでられへんくなって読み飛ばしたりしてたけど、後半に好きな人ができたと書いてあって衝撃をうけた。
そして親の話。読み飛ばしていた部分も読み出した。人に依存していることでしか生きられない自分、子供の時に愛されなかった自分、それが孤独と向き合えない理由。
植本さんまでの重症さではないものの、一時は考えていたことがある悩み。先生の言葉が腑に落ちることもあっ -
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