下田昌克のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「サンドイッチは銀座で」から始まり、7冊目。
日常の家庭料理や地方の名物など、同じように取り上げている。熱のこもった文章なのに、しつこくない。品の良さが滲み出ていると感じる。
高知は徳谷のフルーツトマト、フルティカ。子供の時に初めてトマトを丸かじりした記憶が蘇って、生唾が湧いた。
油揚げの中に生卵を割り入れ、醤油と味醂で煮る、信太煮。平松さんはあぶたまと呼び、子供の頃からお馴染みの料理というけれど、僕は食べたことない。作ってみようかな。意外と難しくないかな。
ゆで玉子を塩水に浸し、冷蔵庫へ、これでねっとり濃厚な味になるという。
どれもこれも美味しそうな文章。ご馳走様でした。 -
Posted by ブクログ
冒頭の「横串の女」の近所のお店の女主人らしきの焼き鳥を食べる描写に引き込まれる。
だけど、平松さんのキッチン周りの近辺雑記ぽいなあと思いながら、読み進めると、シカ猟、フィンランドのサウナ、ジェノヴァのパスタ、ベルリンのカレーまみれのソーセージとか色々の食べ歩きもあって段々楽しくなってくる。
台所周りのことも、平松さんの文章の熱量は変わらないんだけどね。
解説に「生真面目かつ柔らかい文体」とある。僕は威勢が良くて上品な文章だと思う。
鈴木清純「ツゴイネルワイゼン」のちぎりこんにゃく鍋、恐かったなあ。何が怖いんだか判らないのに、本当に不気味だった。
「トマトをちぎる。」やってみようかな。
-
Posted by ブクログ
平松洋子さんの食エッセイ。最近では、端から文庫本で出版されるんだ。一つのエッセイが3ページ。以前はもう少し枚数があったと思うし、北海道に豚丼やさんま祭りの取材に行ったりしてたのに。
文春はもっとページと取材費を平松さんに提供して欲しい。
さて、さほど長くない文章だけど、どれもぐいぐい引きずり込まれる語り口、だけど切れ味が良くて、しつこさががない。
僕は大阪単身生活5年目、東京の家族の元に帰るときは、当然蓬莱の豚まんが土産。平松さんは新幹線の棚の上にずらり、と書いているけれど、僕は座席の足元に置いている。やっぱり匂いがね、他の乗客に迷惑になると思うので。ホント美味しんだけどね。
しかし、平松