青木悦子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第3作。2作目から5年経って読者のリクエストに応える形で翻訳になったとのこと。今回の舞台は北欧、そして独特の音色のするヴァイオリン、ハルダンゲル・フィドル。ノルウェーの劇作家の戯曲がバックボーンに。3作を通じて感じるが、土地毎の風景や気候、人々の生活の描写が素晴らしい。ストーリーは悲しい結末、人を愛する事の悲しさが心に残る。一方で、主人公のジョヴァンニの恋は進展し、新しくアントニオの恋が始まる。作者はストーリの結末を悲しいものにするのに対して、登場人物の人生を幸福にすることにより、コントラストとしているような気がする。
-
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第2作目。今回は18〜19Cにかけて、現代においても有数のヴァイオリニストであり、作曲家と知られるバガニーニと彼の愛したグァルネリ・デル・ジェスが製作した「イル・カノーネ」(大砲)という名器にまつわる話。ヴァイオリンは殺人の動機となりうるのか?Yes。ストラデイヴァリと同様にグァルネリの作品もとても高価であり、殺人を犯しても自らのものにしたいと思うような名器。しかし、高価であるという事だけでなく、全ての価値ある(誰にもでもというわけではないが)モノにはそういう魔力が潜んでいるのであろう。バガニーニは天才にありがちな、奇人であり、そして恋多き一生経る。彼はエリーゼの愛人であった過去を持ち
-
Posted by ブクログ
ヴァイオリン職人が探偵役のミステリ、シリーズ2作目。
ヴァイオリンをめぐる事件や、音楽がらみの薀蓄が新鮮でした。
初老のジャンニ・カスティリョーネは、名ヴァイオリン職人。
200年前に活躍した天才ヴァイオリニスト、パガニーニが愛用した名器が修理のために持ち込まれます。
コンサートを前にした若きヴァイオリニストとのふとした出会いに、父親めいた感情を抱くジャンニ。
ジャンニも知るディーラーが事件に逢い、金庫には黄金のヴァイオリンが残されていた。
友人のクレモナ警察の刑事アントニオに協力を依頼されたジャンニは、事情を調べ始めます。
若い友人のアントニオは、ジャンニの薀蓄と推理を頼りにしているんで -
Posted by ブクログ
イギリスの作家ポール・アダム、2004年発表の小説。主にイタリアが舞台となるヴァイオリンにまつわる歴史ミステリー?怒濤の蘊蓄が楽しめます。
イギリスの作家が書いたとは思えないくらいのイタリアンな作品。主人公は初老のヴァイオリン職人。超一級の腕前の職人のようです。友人のヴァイオリン職人が殺され、彼がストラディヴァリの最高傑作と言われる「メシア」と同等のヴァイオリンを探していたことから、警察に協力、彼の足跡を辿ります。しかし、その過程で有名なコレクターがまた殺害され・・・。
一応殺人事件の捜査の話なのですが、物語の焦点は完全に失われたヴァイオリンの探求です。イタリア各地を飛び回り、イギリスの荒涼 -
Posted by ブクログ
ヴァイオリン製作の聖地、イタリアはクレモナ。そのクレモナのヴァイオリン製作者・職人仲間がある日、何者かに殺されるところから、ストーリは展開していく。犯人を捜すのは、同じく初老のヴァイオリン職人仲間。そして、次に起こるヴァイオリン・コレクターの殺人。
ストラドヴァイウス、グァルネリ・デル・ジェスなど名器にまつわる、まるで時空を超えた逸話も次々に主人公とその友人の調査という形を取って紹介される。ある意味、殺人事件としてのミステリーと同時に、謎に包まれたヴァイオリン名器にまつわるミステリーが展開されるのは、興味深い。
ただし、殺人事件の結末、種明かしは、本書残り30数ページころから一気に解明され、あ -
Posted by ブクログ
老境にさしかかったヴァイオリン職人が、親友が殺害された事件とそれに絡む幻のストラディヴァリを追う。
ストーリーとしては主人公と刑事の二人が手がかりを追ってイタリア各地やイギリスを旅して回る話だが、ヴァイオリンに関する蘊蓄、歴史上のトリビアや、名器を取り巻くディーラー、コレクター、演奏家、職人それぞれの立場や関係などがたいへん面白かった。
主人公は職人としての矜持や音楽に対する思い、先人への敬意に溢れる魅力的な人物だし、多くの登場人物に好感が持てる。ただ楽器探しの謎に重点が置かれて、殺人事件は添え物になってしまった感じ。
続編も出ているのでぜひ読みたい。 -
Posted by ブクログ
とにかく横文字が多くて覚えづらいが読む価値のあるもの。
何百年もの歴史と職人の音楽への熱量を感じられるミステリーは重厚で面白かった。
主人公ジャンニの人柄や仲間たちにも惹かれる。
ヴァイオリンという題材でここまで深く話が掘られ、最後までブレずにヴァイオリン一本で完結するのが良かった。(ミステリーの変わった題材とかだと最後ブレると萎える。個人的に。)
演奏する楽器であり、歴史的価値のある財産でもあり、音楽史から現代まで複雑に絡み合っている点がこの小説の面白い所だと思う。
特に知識がなくてもなんとなく聞いたことのある名前も出てくるので読めるが、とにかく横文字が多くて地名、名前、血縁や苗字が入って