【感想・ネタバレ】平凡すぎて殺されるのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

この小説のリズムに慣れるまで時間がかかった。
ちょっとしたジョークの応酬やクセのある登場人物の振る舞い、それと名前多すぎ問題で途中で誰が誰やら、中盤まではそんな感じで戻って読み直すことも多々ありましたが、慣れてからは一気に読みました。
アイルランド小説の王道を知らないだけに急展開も楽しめたし、登場人物のクセも楽しめた。

0
2023年05月26日

Posted by ブクログ

主人公は世を拗ね訳あってケチケチ生活をしている青年ポール、そのポールに見舞客の無い老人の話し相手を依頼した看護師のブリジット。その老人は…(ネタバレになるから言えないが)で、ポールは命を狙われることになり、ブリジットと2人逃げながら解決策を探っていく。
ユーモラスでシニカルなストーリー展開、しつこいくらいウィットに富んだ会話、ジョーク、例え。文章に慣れるまで時間がかかった。全体はミステリーなのに、一つ一つの場面ではコメディ的で、悲壮感が無 く慣れてしまえば読みやすい。登場人物がみんなそれぞれキャラクターが立っていて個性的で面白い。

0
2022年11月30日

Posted by ブクログ

寝たきり状態の老人に人違いで襲撃されたがために、命を狙われるハメになった主人公の逃亡と真実の追求への顛末を描いた物語。だんだん「こういう文章か」というクセに慣れたら、個性あるキャラクタにも愛着がわいてそれなりに楽しめました。

ただ万人向けかというとどうでしょう…。(アイルランド)ローカルネタ多めなユーモア、映像畑出身だからか目で見て想像できるように比喩や装飾性を多めに描いたキャラクタの外見や行動など、結構な独特のクセがあり、それがそのまま文章量の多さにつながってもいるので、「逃亡劇」のわりにはさほどのスピード感を感じられなかったように思えました。

ただ主人公と看護師の、厳しい現実と立ち向かいながら自分たちなりに前を向いて頑張っているそれぞれのキャラクタ性や、彼の幼なじみの粗暴な警官や訪問先の老女など、知人たちにもいとおしい魅力を感じたので、また違うお話で出会ってみたいな、とは私は思いました。

0
2022年07月26日

Posted by ブクログ

 翻訳までされる海外のユーモア・ミステリーは、たいてい外れがない。しかも本書は翻訳者が原書で読んで、いたく気に入ったための持ち込み企画作品だそうだ。さればこそと読者側からの期待値も込めてしまう。無論ただものではないはずだ、と。

 しかし出だしを読んでゆくにつれ、少し後悔の念が。ぼくの場合、食べ合わせがよくなかったのかもしれない。ルースルンドの『三日間の隔絶』、ウィンズロウの『業火の市』といった超ド級のシリアス・アクション大作ニ作の読後だったので、この本を読み始めた途端、思わず膝が砕けそうになった。そこら辺にいる人たち皆にこの本を読ませたら、吉本興業の公演のお笑い芸人たちみたいにどどどっと、倒れちゃうんじゃないだろうか。それも何度も。

 タイトルから既に気が付くべきだった。何しろ『平凡すぎて殺される』だもの。帯には「このミステリ面白すぎる!!」とうたい文句。面白いとは、そういう方向の(つまりユーモアの)面白さだったのか。やられた! そう、本書はミステリーの内容を持ったユーモア小説である。

 主人公は特に何のとりえもない地味ぃ~な青年。無職なので日銭を得るために病院でして老人患者たちの介護をしているというどうも頼りない男なのだが、いきなり事件が起こる。死にかけた老人にナイフで襲われ怪我を負ってしまうのだ。老人は実はやくざの親玉で、彼を襲った直後に死んでしまう。と同時に主人公は命を狙われ始め、行動も口も達者な看護婦がそれを救い出す。老人の正体は誰だったのか? これが本書を貫く謎の肝となる。

 ぼくの場合前半は、登場人物が次々増えてくる様子や、小さなギャグのために割かれるページが多いことに、しばしの間慣れることができなくて、実は苦労したのだが、徐々にこの作品の持ち味としてのユーモアに馴染みができて頭に入ってくるようになってからは、急速にページがめくられてゆくようになった。そう、本書は笑って面白く読まなければいけなかったんだ。「このミステリ面白すぎる!!」なんだから、とこの辺りでようやく気づいたわけなのさ。

 逆にそうなると後半部で、練りに練られた仕掛けや錯綜した人間関係図、それらを整理してゆく二人の素人探偵と、彼らを助ける定年間際の刑事、との主役トリオの役割や、敵・味方・脇役のそれぞれの人間関係が明らかになってゆくとともに、面白さと比例して読書速度は一気にスピードアップした。

 巧い仕掛けに満ちたミステリーだな、と読後感はすっきり。アイルランド作家によるダブリンを舞台にしたミステリーで、作者がTVの放送作家かつコメディアン出身という裏事情も興味深い。同じアイリッシュ作家でも、IRA健在の時期の危険極まりないキャリックファーガスという北アイルランドの田舎町を描き続けているエイドリアン・マッキンティとの毛色の違いは甚だしい。読み比べても意味がないだろうし。

 本作はシリーズ化されているそうである。二作目も出るなら読もうかどうか迷ってしまいそうだが、この主人公の今後も気になる。そう。シリーズに甘い読者なのだよ、ぼくは。

0
2022年07月16日

Posted by ブクログ

いわゆるクローズドミステリー的「公権力に解決を委任できない」状況を主人公の境遇とイベントのスピード感で無理やり創出する思い切りのいい構成が好き。会話のユーモアも個人的にはツボだけど、たしかにスタンドアップコメディ的センスな気もするので、ここは個人的な好みもかなり入っていると思う。
ただ、申し訳ないけどあまりにも青木氏の訳がひどい。主述関係が不明な文章が多いし、総じて日本語として汚い。せっかくのテンポの良さを殺していると思う。
シリーズもののようなので、手に入ったら原書で読もうと思った。

0
2024年05月29日

Posted by ブクログ

著者が現役のコメディアンとあってか、回りくどく皮肉めいた言い回しの乱用に馴染めず、序盤は読み進めるのに苦戦したが、登場人物のキャラクターがしっかりと立っているので、慣れると俄然面白くなる。コメディとシリアスのバランスも中々良い塩梅。今作が小説デビュー作でもあるようで、粗さは幾らか目に付くが、概ね楽しめた。但し、ポールの過去はもっと仔細に描いて欲しかったかな。訳者が今作に惚れ込んで自ら出版社に企画を持ち込んだらしいが、もう少し小慣れた翻訳にはならなかったのだろうか。原文に忠実だというなら仕方ないのだけれど。

0
2022年04月26日

Posted by ブクログ

コメディー要素が強いなぁと読んでいたら、著者は執筆当時現役のコメディアンだったとか。重苦しくないのは好感だが、もう少し読み易くならなかったものか。シリーズとして発表されているようだが、バニー部長刑事が気に入ったので活躍してほしい。

0
2022年04月07日

Posted by ブクログ

28歳のポールの特徴は“平凡すぎる”顔だ。病院を慰問し、彼を自分の身内と思いこんだ老人たちを癒す日々を送っている。ある日、末期ガンの老人を見舞うと、錯乱した彼に誰かと間違えられてナイフで刺されてしまう。その患者は悪名高い犯罪者で、ある有名な誘拐事件の関係者だった。警察に衝撃が走る一方、ポールはさらに爆弾で命を狙われた。身を守るには逃げながら誘拐事件の真相を探るしかない。巧みな構成が光るノンストップ・ミステリ!

アイルランドつながりで、新刊本を読んでみた。つかみはOKだが、後半ややとっ散らかった感じ。映画がらみの言及が楽しい。スティーブン・セガール・マラソン、最高です。

0
2022年02月26日

「小説」ランキング