青木悦子のレビュー一覧

  • ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密

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    精巧に良く出来ている、淡々と進みながら山場も何度かあり、何度も感心させられる。なんと言っても、主人公のバイオリン職人のジャンニが、思慮分別があり、思いやりもあり、人柄も良いので、安心して読み進められる。それでいて二転三転と事態が変わり読む者を飽きさせない。

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    2020年09月18日
  • ヴァイオリン職人の探求と推理

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    偶然見つけた名前も知らないイギリスの作家。久しぶりに没頭するように読んでしまった珠玉のミステリー。最近北欧のミステリーにはまっていたが、同じ欧州であっても全く異なる深みに満ちている。舞台はイタリア、主人公はバイオリン職人。訳者の後書きにもあるが、欧州らしい長い歴史と現在がつながっていることが主人公を通して感じられる。「過去があって、現在の自分たちがあり、その上でどう生きるか」、日本人に相通じることだけれども、米国には決してない上手く表現できないが、人生、価値観といったものだろうか。様々な意味で豊かな人生を歩んできた人物像が見事に描かれている。音楽、ミステリー、歴史、イタリアが大好きな方々にお勧

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    2020年07月18日
  • ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器

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    ヴァイオリン職人シリーズというのを知らずに、本屋で見かけてジャケ買いした本。

    記憶力の薄い私はミステリーが苦手(これはどこの伏線回収???となるから)だし、登場人物がカタカナの名前だと覚えられなくて苦労するわけだけど、ハルダンゲル・フィドルが題材になってるなんて!と思って読みきれた。単純に面白かったし!

    いつかハルダンゲル・フィドルの生演奏を聴きたいなぁ。

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    2019年12月14日
  • ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密

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    ネタバレ

    前作に続いて、ヴァイオリン職人のジャンニが殺人事件に巻き込まれ・・・またもや名推理。今回は、謎の黄金製のヴァイオリンの箱となくなった黄金のヴァイオリン。これを探す旅が繰り広げられます。展開は少々唐突なところがあるのは否定できないのですが、最後の結末は感動です。文句なしに面白いです。

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    2017年07月10日
  • ヴァイオリン職人の探求と推理

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    ストラディヴァリほかの有名なヴァイオリン職人が過去に作った伝説のヴァイオリン(それが現存するのかは不明)をめぐる殺人ミステリー。現代のヴァイオリン職人と刑事が謎を解いていくのはまさに「探求」そのもので、読み応えありました。ひたひたと感じるスリルも心地よかったです。

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    2017年07月05日
  • ヴァイオリン職人の探求と推理

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    ヴァイオリンのことはよくわからない…などどいう心配はいりません。主人公の年齢を経た人間味、友人刑事の実直さ。楽器の謎にぐいぐいひきこまれました。続編が待ち遠しい。

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    2015年03月03日
  • ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密

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    シリーズ2作目!前作は幻のストラディヴァリの謎でしたが、今回はヴァイオリンそのものではなく、悪魔的ヴァイオリニスト・パガニーニの人生の謎が絡んできます。
    そして、当時のヨーロッパの有名な王族階級の人々の人生も絡まり、歴史ミステリの要素も満載! もちろん名ヴァイオリン、パガニーニ使用のグァルネリ「大砲=イル・カノーネ」も登場します! そして殺人事件も!
    ジャンニとアントニオが殺人事件の謎を追うのと同時に音楽や楽器に関する謎も解けてゆく…という前作のスタイルは変わらないので、安心して楽しめました。
    クラシック音楽好き、ヴァイオリン好き、そして西洋史好きの私にはもうドンピシャ♪な内容です。
    3作目の

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    2014年11月29日
  • ヴァイオリン職人の探求と推理

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    クラシック門外漢として、これでもかと出てくる「聞いたことがある」程度の名ヴァイオリン職人の名前オンパレードに目くるめいてしまう。
    失われた名画・贋作とか好きでも楽しめると思います。

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    2014年08月12日
  • ヴァイオリン職人の探求と推理

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    英国人作家によるイタリア人ヴァイオリン職人が主人公ジャンニの作品。
    日本で翻訳版が出版されていた頃結構話題になっていた記憶。私は個人的にクラシック音楽の蘊蓄、特にヴァイオリンに関する話はノーサンキューなのだ。ヴァイオリン、いやヴァイオリニストについてちょっとしたトラウマがある(それも読み終わるまで忘れていたが)。したがって蘊蓄系語りはすっ飛ばし気味に読んだ。それでもすぐに夢中になった。
    イタリア人の皮をかぶった英国人の語り口の魅力だろうか。63歳のジャンニは、ヴェネツィアで会った女性に次々と親切を施した(ここまでは英国人紳士もやることだ)。別れてから、電話番号を教えるか聞くかすればよかったかと

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    2024年09月14日
  • ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器

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    ネタバレ

    1作目に比べて動機や伏線、レッドヘリングが濃密になった印象

    ノルウェーの雄大な自然の描写や白夜に近い夜の光の描写がよかった
    過去の複雑な恋愛は最小限の表現で、進行中の恋愛は綺麗な感じで進行していて読みやすい

    3作目にしてようやくグァスタフェステのこと気に入ってたんだなと自覚してめちゃくちゃ応援した

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    2024年03月04日
  • 平凡すぎて殺される

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    この小説のリズムに慣れるまで時間がかかった。
    ちょっとしたジョークの応酬やクセのある登場人物の振る舞い、それと名前多すぎ問題で途中で誰が誰やら、中盤まではそんな感じで戻って読み直すことも多々ありましたが、慣れてからは一気に読みました。
    アイルランド小説の王道を知らないだけに急展開も楽しめたし、登場人物のクセも楽しめた。

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    2023年05月26日
  • 平凡すぎて殺される

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    主人公は世を拗ね訳あってケチケチ生活をしている青年ポール、そのポールに見舞客の無い老人の話し相手を依頼した看護師のブリジット。その老人は…(ネタバレになるから言えないが)で、ポールは命を狙われることになり、ブリジットと2人逃げながら解決策を探っていく。
    ユーモラスでシニカルなストーリー展開、しつこいくらいウィットに富んだ会話、ジョーク、例え。文章に慣れるまで時間がかかった。全体はミステリーなのに、一つ一つの場面ではコメディ的で、悲壮感が無 く慣れてしまえば読みやすい。登場人物がみんなそれぞれキャラクターが立っていて個性的で面白い。

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    2022年11月30日
  • 平凡すぎて殺される

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    寝たきり状態の老人に人違いで襲撃されたがために、命を狙われるハメになった主人公の逃亡と真実の追求への顛末を描いた物語。だんだん「こういう文章か」というクセに慣れたら、個性あるキャラクタにも愛着がわいてそれなりに楽しめました。

    ただ万人向けかというとどうでしょう…。(アイルランド)ローカルネタ多めなユーモア、映像畑出身だからか目で見て想像できるように比喩や装飾性を多めに描いたキャラクタの外見や行動など、結構な独特のクセがあり、それがそのまま文章量の多さにつながってもいるので、「逃亡劇」のわりにはさほどのスピード感を感じられなかったように思えました。

    ただ主人公と看護師の、厳しい現実と立ち向か

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    2022年07月26日
  • 平凡すぎて殺される

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     翻訳までされる海外のユーモア・ミステリーは、たいてい外れがない。しかも本書は翻訳者が原書で読んで、いたく気に入ったための持ち込み企画作品だそうだ。さればこそと読者側からの期待値も込めてしまう。無論ただものではないはずだ、と。

     しかし出だしを読んでゆくにつれ、少し後悔の念が。ぼくの場合、食べ合わせがよくなかったのかもしれない。ルースルンドの『三日間の隔絶』、ウィンズロウの『業火の市』といった超ド級のシリアス・アクション大作ニ作の読後だったので、この本を読み始めた途端、思わず膝が砕けそうになった。そこら辺にいる人たち皆にこの本を読ませたら、吉本興業の公演のお笑い芸人たちみたいにどどどっと、倒

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    2022年07月16日
  • ヴァイオリン職人の探求と推理

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    ダビンチコードを彷彿とさせる展開。割とあっけない結末ですが、楽しめました。ヴェネツィアやクレモナの雰囲気が感じ取れ、行ってみたくなりました。バイオリンでなければ成立しない事件ですね。独特の世界です。愛好家は狂信的と紙一重、恐ろしいほどです。

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    2022年02月03日
  • ヴァイオリン職人の探求と推理

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    ネタバレ

    初ポール・アダム作品。

    ヴァイオリン職人が、殺人事件と幻のヴァイオリンを探すミステリ。随所に語られるヴァイオリンに関する伝説・逸話が時代を超えたロマンを感じる。と同時に、ヴァイオリンの職人、ディーラー、コレクターとその価値(鑑定や贋作など)について、不可解な(何とも言えない魑魅魍魎の)世界観を垣間見せる。
    最後、主人公の語る「自分の良心を開放するためです」の真意(良心)には、己の贋作に対する後悔だけに向けられているのでしょうか?親方の贋作の売却や発見した幻のヴァイオリンを猫糞して姪にあげてしまうことは含まれないのでしょうか?あるいは、これは、次回作の伏線?すこし、違和感が残る結末でした。ただ

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    2021年04月13日
  • ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器

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    ネタバレ

    シリーズ第3作。2作目から5年経って読者のリクエストに応える形で翻訳になったとのこと。今回の舞台は北欧、そして独特の音色のするヴァイオリン、ハルダンゲル・フィドル。ノルウェーの劇作家の戯曲がバックボーンに。3作を通じて感じるが、土地毎の風景や気候、人々の生活の描写が素晴らしい。ストーリーは悲しい結末、人を愛する事の悲しさが心に残る。一方で、主人公のジョヴァンニの恋は進展し、新しくアントニオの恋が始まる。作者はストーリの結末を悲しいものにするのに対して、登場人物の人生を幸福にすることにより、コントラストとしているような気がする。

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    2020年10月17日
  • ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密

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    ネタバレ

    シリーズ第2作目。今回は18〜19Cにかけて、現代においても有数のヴァイオリニストであり、作曲家と知られるバガニーニと彼の愛したグァルネリ・デル・ジェスが製作した「イル・カノーネ」(大砲)という名器にまつわる話。ヴァイオリンは殺人の動機となりうるのか?Yes。ストラデイヴァリと同様にグァルネリの作品もとても高価であり、殺人を犯しても自らのものにしたいと思うような名器。しかし、高価であるという事だけでなく、全ての価値ある(誰にもでもというわけではないが)モノにはそういう魔力が潜んでいるのであろう。バガニーニは天才にありがちな、奇人であり、そして恋多き一生経る。彼はエリーゼの愛人であった過去を持ち

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    2020年08月28日
  • ヴァイオリン職人の探求と推理

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    ヴァイオリンの謎に迫りながら、ヴァイオリンの絡んだ殺人事件にも迫っていくお話。
    親と息子のような年の差があるコンビが面白く、主人公もハイパーヴァイオリンスーパーマンではあるけど普通のじいさんで、派手なシーンなどはないが、じわじわと謎に対していったり来たりするのがもどかしく、また面白かった。
    イタリア人の名前は覚えにくいのでメモしながらのほうがよかったかなぁ

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    2020年02月08日
  • ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器

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    ノルウェーの民族楽器であるヴァイオリンに似た楽器ハルダンゲル・フィドル。このハルダンゲル・フィドルを手に入れたノルウェーのヴァイオリン製作者が、イタリアはクレモナで死体となって発券された。故人は、主人公ジャンニの教え子。
    友人の刑事アントニオとノルウェーへの捜索の旅が始まる。
    ヴァイオリン職人ジャンニの第3作。

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    2020年01月25日