青木悦子のレビュー一覧
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偶然見つけた名前も知らないイギリスの作家。久しぶりに没頭するように読んでしまった珠玉のミステリー。最近北欧のミステリーにはまっていたが、同じ欧州であっても全く異なる深みに満ちている。舞台はイタリア、主人公はバイオリン職人。訳者の後書きにもあるが、欧州らしい長い歴史と現在がつながっていることが主人公を通して感じられる。「過去があって、現在の自分たちがあり、その上でどう生きるか」、日本人に相通じることだけれども、米国には決してない上手く表現できないが、人生、価値観といったものだろうか。様々な意味で豊かな人生を歩んできた人物像が見事に描かれている。音楽、ミステリー、歴史、イタリアが大好きな方々にお勧
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シリーズ2作目!前作は幻のストラディヴァリの謎でしたが、今回はヴァイオリンそのものではなく、悪魔的ヴァイオリニスト・パガニーニの人生の謎が絡んできます。
そして、当時のヨーロッパの有名な王族階級の人々の人生も絡まり、歴史ミステリの要素も満載! もちろん名ヴァイオリン、パガニーニ使用のグァルネリ「大砲=イル・カノーネ」も登場します! そして殺人事件も!
ジャンニとアントニオが殺人事件の謎を追うのと同時に音楽や楽器に関する謎も解けてゆく…という前作のスタイルは変わらないので、安心して楽しめました。
クラシック音楽好き、ヴァイオリン好き、そして西洋史好きの私にはもうドンピシャ♪な内容です。
3作目の -
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ネタバレ2026年の10冊目は、クイーム・マクドネルの「幸運すぎて埋められる」です。〈ダブリン3部作〉の4作目となります。何故3部作なのに4作目かというと、前作「悪人すぎて憎めない」が、3部作の前日譚にあたるからです。
「幸運すぎて埋められる」は、「悪人すぎて憎めない」からの決着編となりますから、出来れば前作から読む事をお勧めします。
作者のクイーム・マクドネルは、元コメディアンという事で、今回も登場人物のジョークの応酬が楽しめます。
物語は、主人公のバニーの葬儀の場面から始まります。本当にバニーが亡くなってしまったのか?それともカモフラージュなのか?。引きの強いオープニングです。
そこから時間が引き -
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面白かった。続編が面白い説はやっぱり正しい。
腕の良いヴァイオリン職人のジャンニのもとに、名器「大砲イル・カノーネ」の修理の依頼がくる。最初の冒頭で、「大砲」がまるで大名行列のように持ち込まれるくだりが既に面白い。天才ヴァイオリニスト、エフゲニーとも知り合いになり、母親に徹底的に管理された、彼の孤独な人生が語られる。
18世紀、「大砲」を愛器としていたパガニーニも、かつて同じような人生を歩んでいた。彼は過保護な父親のもとから飛び出し、ヴァイオリンを片手にヨーロッパ中を駆け巡っていた。そこでナポレオンの妹であったエリーザに出会い、黄金の箱が贈られる。
そして現代、その黄金の箱を持っていたディーラ -
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ネタバレ2025年の18冊目は、クイーム・マクドネルの「悪人すぎて憎めない」です。「平凡すぎて殺される」に始まるシリーズの前日譚、主人公は若き日のバニー・マガリー刑事になります。個人的にもアノラックは大好きです。結論から言うと、これが一番好きです。いつもの良さに加えて、ハードボイルド的要素(解説ではノワールと言及されています)も加わり、ネオ・ハードボイルド、ネオ・ノワールの良作に仕上がっていると思います。強いて言うならば、最後、全てが読者が想像する方へと収斂して行く様子が、予定調和的と捉えられる事かもしれません。決して、嫌いな訳では有りません。驚きが欲しいだけです。
舞台は、1999年のアイルランド、 -
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これまでに多く描かれてきたように関係者の中に犯人がいる状況ではなく、なかなか犯人の正体が見えてこなかったことで、久しぶりにハラハラしながら展開を追うことができました。
犯行の動機そのものはこのシリーズではある程度パターン化している「頭でっかちな少年のエゴ」でしたが、本作はそれによるマンネリ化をあまり感じさせない読後感だったように思います。
メイヴィスとピーボディの「豪邸プロジェクト」もゴールが見えてきたようですし、ナディーンの恋人もしっかりと登場して彼らの関係性ももう少し発展しそうです。
過去の事件で登場したキャラクターが「チーム」の仲間として活躍する場面も増えてきたことも本作の魅力の一つ -
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英国人作家によるイタリア人ヴァイオリン職人が主人公ジャンニの作品。
日本で翻訳版が出版されていた頃結構話題になっていた記憶。私は個人的にクラシック音楽の蘊蓄、特にヴァイオリンに関する話はノーサンキューなのだ。ヴァイオリン、いやヴァイオリニストについてちょっとしたトラウマがある(それも読み終わるまで忘れていたが)。したがって蘊蓄系語りはすっ飛ばし気味に読んだ。それでもすぐに夢中になった。
イタリア人の皮をかぶった英国人の語り口の魅力だろうか。63歳のジャンニは、ヴェネツィアで会った女性に次々と親切を施した(ここまでは英国人紳士もやることだ)。別れてから、電話番号を教えるか聞くかすればよかったかと -
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「ヴァイオリン職人の探求と推理」というタイトルと、クラシカルなカバーイラストで、良作の予感。
ポール・アダム…作者の名前は平凡な感じだけど…
もちろん初読。
トリックとかなんとかではなく、探偵役となるヴァイオリン職人・ジャンニの人間としての円熟した魅力がとにかく楽しめる作品。
本作では63歳。もちろんヴァイオリン職人として一流で、自然豊かな土地に工房を構え、今も仕事を楽しんでいる。昔からの友人たちに囲まれ、多くの教え子に慕われ、子供たちや孫たちも時折遊びに訪れる。
心から愛していた妻を亡くしてしまったが、やはり子供や孫もいる58歳の魅力的な女性・マルゲリータとの恋の予感も。